12台の「スピードシックス・コンティニュエーション」シリーズ第1号車完成! 一方「ブロワー・コンティニュエーション」シリーズのカスタマーカーは24時間耐久レースを完走
ベントレーの「スピードシックス・コンティニュエーション」シリーズの顧客第一号車が完成し、間もなく米国に発送される。マリナーの既存顧客であるJohn Breslow氏は、彼の「ブロワー・コンティニュエーション」シリーズのレーシングコンパニオンとして、スピードシックスを受け取る最初の人物となる。
わずか12か月余り前に製作を依頼されたこのクラシカルなスピードシックスは、ブラックペイントのシャシーにパーソンズ・ネピア・グリーンのボディワークが映える。スピードシックスの象徴的な顔は、クローム仕上げの保護メッシュ付きツイン・ラウンド・ヘッドランプに支配され、ラジエーター上の大きな数字の「4」で区切られている。
マリナーの技術者と職人のエキスパート・チームは、英国内の専門サプライヤーのネットワークと緊密に協力し、オリジナルのスピードシックスの細部まで正確に再現した。
コックピットもエクステリア同様、1930年の「ル・マン24時間レース」に参戦し、優勝を飾ったスピードシックスの仕様に忠実に再現された。赤を基調とした深みのある茶色のレザーで縁取られたラストレザーとカーペットは、エクステリアのパーソンズ・ネピア・グリーンとシームレスにマッチする。
【写真11枚】オリジナルのスピードシックスの細部まで正確に再現
プロジェクトの開始にあたり、マリナークラシックチームは英ハンプシャー州ボーリューにある「国立自動車博物館」を訪れ、顧客に提供される5種類の本物のパーソンズペイントを確認したという。新しいエンジン・ブロックの鋳造を含む600以上の新しい部品が、当時200馬力を発生した新しい6½L レース仕様エンジンのために製作された。
多くのクラシックレーシングチームがそうであるように、近代的なエンジニアリング素材を使用することでより高い出力を達成することは可能だったが、コンティニュエーションシリーズチームの目標は、1930年当時の姿と性能を忠実に再現したベントレーを製作することだった。
スピードシックスは、ベントレー史上最も成功したレーシングカーであり、歴史上最も重要なベントレーの1台とみなされている。1920年代後半のオリジナルカーと同じ製造工程を採用したスピードシックスは、ベントレーのオーダーメイドおよびコーチビルド部門であるマリナーによる戦前のコンティニュエーションシリーズの第2弾だ。
一方、ブロワー・コンティニュエーションシリーズは、戦前のコンティニュエーションシリーズとして初めて製作されたもので、最新のレーザースキャンによるデータとオリジナルの図面を組み合わせて手作業で製作された。
設計図と3Dデータの両方が、1929年製4½L スーパーチャージャー搭載のチームカー2号車から取られたもので、世界で最も有名なベントレーであり、ベントレー ヘリテージコレクションのアイコンのひとつ。
1930年のル・マン24時間レースで、ベントレーの主要ライバルであったメルセデス・ベンツを故障寸前まで追い詰めたことで有名な「ベントレー・ブロワー」は、信頼性を犠牲にして圧倒的な速さを追求したのに対し、スピードシックスは信頼性の高いパフォーマンスで知られていた。
1924年、ベントレーのル・マン初優勝を記念して、「ベンジャフィールド・レーシングクラブ」は、アルガルヴェの有名な「ポルティマン・サーキット (アルガルヴェ・インターナショナル・サーキット)」で24時間耐久イベントを開催した。
このイベントには、87名のクラブ会員が25台のピリオドベントレーを操り、そのうちの1台はブロワー・コンティニュエーション・シリーズのカスタマーカーで、熱心なオーナーがこのイベントにエントリーした。
ブロワー・ファミリーとコンティニュエーション・シリーズにとって決定的な瞬間となったこのクルマは、24時間レースで完走した初のファクトリー製ブロワーとなり、世界初の戦前コンティニュエーション・シリーズを支えるエンジニアリングの質の高さを浮き彫りにした。