ドレスアップしたカップルが夜のパーティ会場に乗り付けたパッケージイラストも魅力的
今回は、フランス・ディンキー No.533 メルセデス・ベンツ 300SE クーペのご紹介です。
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実車は、1959年にデビューしたフィンテールの220SEbをベースに1961年に登場したクーペ版220SEbクーペ(6気筒2.2L 120HP)、に1962年から加わった300SE(6気筒 3L 170HP)クーペのモデル化です。エアサスと全輪パワー・ディスク・ブレーキを装備した超豪華バージョンです。一連のクーペモデルは、セダンのテールフィンが無く、滑らかで美しい2ドアのフォルムが特徴で、1961年の220SEbクーペから今回の300SEクーペ、250、280、3.5 V8の1971年までの長期間、基本的なボディ・デザインが踏襲されました。
尚、300SEクーペは、220SEbクーペに対し、トランクのエンブレム以外に、細いサイドモールとホイールオープニングのトリムのみ追加され差別化されています。また、クーペモデルは、専門工場にてセダンの量産ラインとは別の工程にて製造され、インテリアは昔ながらの手法にて入念に手作りされていました。
一方、ミニカーは、1963年3月から1970年まで製造されたようです。300SEクーペの特徴である、細いサイドモールも表現したフランス・ディンキーらしく、正確なプロポーションにて再現され、フロントタイヤの操舵機構と前後サスペンション、室内の再現のみされた内容ですが、エレガントで美しいクーペスタイルを見事に再現しています。
同時代のソリド製220SEbクーペと比較すると面白いと思います。ソリド製は全体にボディの丸みを誇張したプロポーションで、特にテールの再現が素晴らしいと思います。
一方フランス・ディンキー製は、デフォルメはあまり感じられず図面に正確に再現されたイメージで、少々真面目過ぎる作りで、テール部分の再現がやや角ばっており、ソリド製まで誇張しなくとも、もう気持ちトランクフードのエッジ部分に丸みが欲しかったと思います。
製作年からして、シャシーは未だティンプレート製で、今回ご紹介する個体は、初期モデルで、鉄製の引き物ホイールを金色メッキし、ショルダーが角ばったスタイルのゴムタイヤを装着しています。
後年、メッキを省略した鉄製ホイールもしくはアルミ製ホイールに、DUNLOPのロゴが再現されたビニール系合成ゴムのタイヤのバージョンもあったと思われます。ボディカラーは今回のレッド・メタリック(塗色の濃度の違いが見受けられます)以外に、ブルー・メタリックのバリエーションが存在しました。
ドレスアップしたカップルが、この300SEクーペで、夜のパーティ会場に乗り付けたシチュエーションのパッケージ・イラストがとても魅力的で、モチーフになった実車のイメージを見事に再現していると思います。私は、このレッド・メタリックのミニカーの魅力に取り付かれ、同色のミニカーを複数台集めてしまいました。
残念ながら、この頃のタイヤは、バーストする個体が多く、バーストしているタイヤをレプリカの白タイヤに換装して鑑賞を楽しんでいます。
この記事を書いた人
モデル・カーズ 「丸餅博士のヴィンテージ・ミニカー天国」並びにRM MODELS 「TRAM&CARS」に執筆中。愛車は1987年から所有している丸餅(’71 FIAT500L改)と1999年から使用している’91 メルセデス・ベンツ300E-24 (W124-031)。ヌォーヴァ・チンクエチェントと50年以上コレクションし続けているミニカーの啓蒙と伝道が使命。
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