BMWならではのスポーツドライビングの世界にどっぷりとハマった、リンゴ農園経営者施主のガレージ
青森県黒石市に位置するガレージは、Sさんが営むりんご農園に併設されている。ガレージ内にはかなりカスタムされた「BMW・M6」に「ポルシェ・タイカン」「ベントレー・ベンテイガ」が並んでいて迫力がある。ガレージ本体は「稲葉製作所」の「アルシア」をベースとしカスタマイズされたものだと耳にしてはいたが、目の前にするとフロアには「スイストラックス」が敷き詰められ、ガレージ壁面の施工やガレージサイドの開口が部屋に連結されるなど見どころが多い。
「10代で免許を取得してからというもの、オーディオカスタムを施した『アコード USワゴン』でコンテストに出て優勝したり、『セルシオ』をレクサス仕様にしたラグジュアリーカスタムを行ったり、ベンツやカマロなど、とにかくクルマ漬けの日々を送ってましたね」と話す施主のSさん。かなりの台数を乗り継いだSさんだが、ガレージ作りの転機が訪れたのはBMW・M6を手に入れた頃だったという。
BMWを専門にチューニングを行っている「Studie AG (スタディAG)」の存在を知り、その後スタディが参戦するスーパーGTの応援に行くなど、BMWならではのスポーツドライビングの世界にどっぷりとハマることとなったのだ。ちょうどその頃は仕事も軌道に乗り自身もステップアップ。クルマは仕事で使う倉庫に置いていたが、会社を立ち上げたことを機に事務所を設置、倉庫も本来の用途で必要となったため、新たにガレージを建てることになったという。
「はじめは何でも良いと思っていたのですが、工務店が持ってきたカタログを見ると、カッコイイガレージが目に留まりました。それが『アルシア』だったのです」と話すSさん。
趣味の部屋からガレージが見える!
アルシアに決めたSさんは、隣にプライベートルームを設けたり、そこからはガレージ内を見渡せるガラス戸をセットしたりと、ガレージライフの夢を広げていった。ガレージ施工を引き受けたのは、先代からの仲だという「大平建設」。Sさんのイメージするガレージを実現するために、知識と経験をフル活用しながらガレージを建てていった。
ディーラーショールームのようなスタイルを求めたというガレージフロアは当初、実際にディーラーで使われているものを探し求めたが、強度の問題で数年ごとに張り替えなければならないことを知る。そんなときにガレージ専門誌『GarageLife』でスイストラックスを知り、ガレージに適しているということで取り入れたのだそうだ。
プライベートルームとの間に設置されたフィックスガラスは、強度を考慮しながら最大サイズを選んだという。さらにここは青森県、冬場の積雪を念頭に入れなければならないのである。もちろんベースとなっているアルシアも豪雪地仕様であり、中央に柱が追加されたモデルが使われているし、さらに冬場であってもガレージライフを楽しめるよう天井や壁面内に断熱材も追加されている。
「レーシングドライバーが練習のために実際に使用しているシミュレーターを手に入れることができ、ガレージ横の部屋に置きました。プロドライバーや設定を行うエンジニアがここに来て、キャリブレーションやセッティングを施しており、実車そのままのシミュレーションができるのですよ」
自分のイメージを元に造り上げたガレージで、素敵な時間を過ごしているのSさんの笑顔が印象的であった。
◆PLANNING DATA
所在地:青森県
ガレージ面積:54平米
構 造:ユニットガレージ
外壁/内装仕上げ:スチールパネル/スチールパネル、木、化粧パネル
竣 工:2020年10月
◆OWNER’S CHECK
・一番気にいっているところは?
色合いや高級感のあるスタイル。
・ちょっと失敗したところは?
もっと大きいサイズで建てればよかったです。
・次の夢はなんですか?
増車が決まっており、さらにガレージが欲しいところです。
・読者へのアドバイスを
すべてはアイデア次第です。よく相談して、色々工夫すると良いと思います。
◆COMMENT FROM A BUILDER:有限会社大平建設 大平啓太さん
弊社は木造気密住宅を中心に、さまざまな建築を手掛けており、施主のSさんとは先代からのお付き合いをさせていただいています。アルシアガレージのカスタマイズを行ったのですが、Sさんの要望を叶えつつ、断熱材や化粧パネルを用いたほか、厳しい冬場でも問題のないように作り上げました。簡易的なものを思われがちなスチールガレージですが、充分にガレージライフを満喫してもらえると思います。
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