製造初年度だけで3000台以上の販売を記録したというアストン・マーティン初のSUVであるDBXにハイパフォーマンスモデルのDBX707が登場した。その名の通り、最高出力は707psという驚異的なパワーを発揮するこの最新モデルの国際試乗会がイタリア・サルディーニャ島で開催された。
あらゆる点で究極のSUV
DBX707は名実ともに「史上最強のSUV」だ。
その最高出力はモデル名と同じ707psで、ベントレー・ベンテイガ・スピードの635psやランボルギーニ・ウルスの650psを軽々と凌ぐ。最高速度の310km/hと0→100km/h加速タイムの3.3秒もベンテイガ・スピード(306km/h/3.9秒)やウルス(305km/h3.6秒)を僅差で破るものだ。
そのパワーの源となっているのが、デビュー当初からDBXに搭載されているメルセデスAMG製の4L V8ツインターボエンジンである。このパワーユニットに、アストン・マーティンの技術陣が独自のチューニングを実施。回転軸にボールベアリングを採用した大型のターボチャージャーを装備し、過給圧をこれまでより0.7バールも高めることで、この圧倒的なパフォーマンスを達成したのである。
ちなみに、最高出力を700psではなく707psとしたのは、アストン・マーティンと縁が深い映画「007シリーズ」とイメージを重ね合わせるのが目的だったという。いかにもイギリス人らしいエピソードではないか。
国際試乗会の舞台はイタリア・サルディーニャ島。走り始めてすぐに感じたのは、路面から伝わるゴツゴツ感が極めて軽いこと。最高出力707psもあるSUVと聞いて、かなり扱いにくいシロモノと予想していたので、これにはかなり拍子抜けした。いっぽうで、発進させようとしてスロットルペダルを踏み込むと、思いのほか軽快にグンッと前に押し出される感覚はあるものの、トルク特性がリニアなうえにスロットルレスポンスも良好なので、扱いにくさは微塵も感じない。これだったら、かなりゼイタクではあるけれど、日常の足としても使えそうだ。
とはいえ、これだけ高性能なSUVなのだから、サスペンションが固められているのは当然のことで、ペースを上げたときに足回りから伝わってくる感触はいかにもソリッド。エンジニアに確認したところ、スタンダードなDBXに比べるとダンピングレートで5〜30%も引き上げられたようだが、それでもアクティブ・システムを活用することで、できるだけ”固さ”を感じさせない工夫を施したという。
いっぽうで、前述したゴツゴツ感が軽いのは、カーボンセラミックブレーキを標準装備した恩恵だろう。おかげで、スチールブレーキのみだったスタンダードなDBXに対してバネ下重量は1台分で実に40.5kgも軽くなり、これが乗り心地の改善に大きく役立ったと推測される。
ただし、パワフルなエンジンにムチを入れると、DBX707はそれまでとはまったく別の表情を見せるようになる。
たとえば、高速道路でフルスロットルを与えれば、いつ果てるとも知れぬ加速を続けるほか、タイトコーナーが連続するワインディングロードでは2245kgの車重を感じさせない軽快な走りを披露。路面が湿っていたセクションでは、テールが軽く流れる素振りまで見せた。こうした特性は、ファイナルを3.07から3.27へとローギアード化したり、リアに電子制御式LSDを搭載したことで手に入れたと考えられる。また、このとき私はスポーツ+モードを選択していたので、スタビリティコントロールの利きが弱くなっていたほか、トルク配分がリア寄りになっていたはず。おそらくGTモードであれば、より安定したハンドリングを示すことだろう。
日常的な快適性を維持しつつ、ダイナミック性能は大幅に向上させたDBX707。メーカーの思惑どおり、今後はこちらがDBXシリーズの主力になりそうだ。
【Specification】アストンマーティン DBX707
■全長×全幅×全高=5039×1998×1680mm
■ホイールベース=3060mm
■車両重量=2245kg
■エンジン種類/排気量=V型8気筒DOHC 32V+ツインターボ/2982cc
■最高出力=707ps(520kW)/4500rpm
■最大トルク=900Nm(91.8kg-m)/6000rpm
■燃料タンク容量=87L(プレミアム)
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:マルチリンク
■ブレーキ(F&R)=Vディスク
■タイヤサイズ(F:R)=285/40 YR22 : 295/325/35 YR22
■車両本体価格(税込)=31,190,000円
■問い合わせ=アストンマーティンジャパンリミテッド ☎03-5797-7281
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