重厚かつエレガントに作られた家は、日本に居ることを忘れさせるガレージハウス
この3台が収まるガレージは、I邸の顔ともいえる部分だ。そのガレージ内には、Iさんが好んで乗るというメルセデスベンツが収まっている。ガレージ前は広々とした石畳が施工されており、クルマの出し入れを容易にできるようになっている。来客時にも重宝するだろう。
今回取材に向かったガレージハウスは、埼玉県北部の住宅地にあるI邸。ちょうど一世代の周期を終え、古い家から新しい家に建て替えやリフォームなどが行われ始めているような一角だったが、私の目の前に現れたI邸は周りの家とは異なり、とてもゆとりのある広々とした敷地に、白い壁と柔らかい暖色の瓦屋根が美しく映えるガレージハウスだった。この物件、まずは一目見ただけで多くの人が心を奪われてしまうことだろう。
門が開いて敷地内に入り、エントランスロードを進むと、中央に3台の愛車が収まるガレージがまず目に入る。そのガレージを挟むように両サイドに建物が作られていることがわかる。正面左側が住居スペースで、右の棟をオフィスとして活用しているそうだ。これほどまでに堂々としたガレージハウスを建てたIさんに、経緯を訊ねてみた。
「以前はここから数十分程度離れた場所に戸建てを購入し、住んでいました。特に不満もなく、新しく家を建てることなど考えていなかったのですが、ある日近所に新築の家が建ったのです。とにかくその家はインパクトがあり、興味を持ったことが頭に残っていました。その後時間が経ってから、立ち寄った書店で『ガレージのある家』を手に取ったところ、近所に建った家が掲載されていたのです。もうそれからは、ガレージハウスのことで頭がいっぱいになってしまい、何も手につかない。いてもたってもいられず、設計建築を手掛けた『グリーンアンドハウス』に話を伺いに行ったのです」
さまざまな要望に応え、住む人のライフスタイル+αの家造りを行うグリーンアンドハウスのファンは多い。家を建てるために順番待ちをしている人も多数いるほどなので、Iさんはその順番を待ちながら、土地を探しはじめた。事務所兼住居そして3台分のガレージということで、やや郊外にまで視野を広げたところ、農家だった空き家を見つけ購入したという。敷地の広さもさることながら、南面の角地であることも決め手となった。土地が決まり、グリーンアンドハウスと詳細な設計の打ち合わせをしてゆく。
何よりもお互いアットホームな感覚で家造りをできたことは、本当に良かったとIさんは話す。確かに大きなハウスメーカーの場合、現場の職人に物事を相談しても、その上請けに回されてしまい。なかなか話が前に進まないといったことも耳にする。その点、自分の意見とプロの意見を密接に交換しあうことができるのはなんと心強いことだろう。
ガレージの中には、お気に入りのメルセデスベンツが並ぶ。最近Gクラスが入庫したそうだが、「ガレージがあるのでオープンカーにも乗りたい」とIさん。メルセデスベンツと同じくダイムラー社のスマート・フォーツーは、限定のブラバスチューンモデル。軽快かつ高いパフォーマンスを発揮するお気に入りのクルマとなっているそうだ。中央のメルセデスベンツ・Gクラスは最近手に入れた1台。その奥にはEクラスが収まる。ガレージ保管できることから、オープンカーにも興味が湧いているとか。
家の中に入ると、大空間を持つリビングと、その上に吹き抜け、そしてその吹き抜けの中央に橋が架けられている。こういった独特なスタイリングを生み出すのはグリーンアンドハウスならではの部分だ。リビングの奥にはIさんがこだわったまるでレストランのようなダイニングルーム。さらにバスルームから洗濯スペースに続く動線が考えられたキッチンなど、日常生活のことをしっかりと考えられた設計となっているのだ。
運命的な出会いによって作り上げられたI邸は、年月を追うことでさらに風合いが増してゆくことだろう。照明類のセレクトは、グリーンアンドハウスに任せたそうだ。ガレージ内だけでなく住居内も、とても雰囲気の良い照明が揃えられている。リビングと対面式となるキッチンの奥は、洗濯スペースからバスルームへとつながる動線が確保されており、使い勝手も良好。写真手前はダイニングルームとなっている。
吹き抜けに架かる橋。手すりを見るとわかるが、角が曲線にされており、エレガントなイメージを持たされている。凝った細工である。インリビングには、6枚の大きな窓からたっぷりの採光が降り注ぐ。明るく清潔感のある空間であり、昼夜そして四季によって様々な表情を楽しむことができる。
ダイニングルームはIさんのこだわった場所のひとつ。まるでレストランのようなスタイルで纏められている。テーブルは以前この地に建っていた家に置かれていたものを使用している。吹き抜け脇のストレージは、実は隠し扉を備えており、その奥にある階段はロフトルームへと続いている。グリーンアンドハウスの遊び心はいつも我々を楽しませてくれる。一辺が約30mにもなるI邸を、アイアンのフェンスがぐるりと囲む。この外構が思った以上にコストが掛かったそうだが、手を抜けない部分だ。
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