首都高では環境に配慮したさまざまな取り組みの一環として廃材の有効活用を目的とした商品化ライセンス事業を展開中。その第四弾となるシンプルなバッグシリーズが登場した。
※この記事はル・ボラン2014年6月号からの転載です。掲載商品は現在販売していないものもあります。
まさに1点ものの カジュアルバッグ
2020年のオリンピック開催に向けて、東京が動きはじめた。渋谷駅前の大規模再開発をはじめ、競技場や選手村の建設など、数年先にはまったく違う新たな東京が姿をみせることだろう。
とりわけインフラとして生活に深く関わってくるのが道路だ。この春には虎ノ門と新橋を結ぶ道路が開通。終戦直後に計画されたことからマッカーサー道路と呼ばれ、68年という長い歳月をかけて実現した。トンネルを抜けると、まるで違う街に迷い込んだような気分になるから不思議なものだ。
今年はそのネーミングの由来となったマッカーサー元帥の没後50周年にあたる。占領下の日本でもっとも知られたアメリカ人であり、広く親しまれた反面、民主主義の成熟度において「日本人は12歳」という発言は反発を買った。そんなマッカーサー元帥が、もしいまの東京の姿を見たらどう思うだろう。発展に目を見張るか、あるいは使い捨ての開発にやはり未熟と思うか。それにしても新たに立ち上がった「東京シャンゼリゼプロジェクト」というのは、かなり恥ずかしい。それこそ「元帥通り」の方がよほどいいじゃない?
さて東京の大動脈となる首都高が、環境配慮の一環として廃材の有効活用に取り組んでいる。今回のバッグもそのひとつ。使い終えた工事案内などの横断幕の生地をリサイクルしているのだ。また洗浄や裁断は社会福祉法人の支援事業、縫製なども首都圏の中小企業を活用、社会福祉や地域貢献をしている。
まず目を引くのが、鮮やかな黄色地にランダムに残った大胆な文字だ。普段見慣れた印象とはかけ離れたインパクトがあるが、それというのも横断幕は横6~7m、縦90cmの巨大なサイズで、走行中も瞬時に判読できるよう、書体も視認性を考慮している。クローズアップした文字が母国語であってもどこかエキゾチックに見えてくるのだ。海外からの観光客のお土産にしても喜ばれると思う。
平和島、永福、用賀、代々木といったPAにちなんだ商品名もユニークだ。現在はまだ4種類だが、PAは現状でも20カ所あるので、今後それだけモデル数が増えるかもしれない。それぞれのPAに愛着のあるドライバーにはぜひお薦めだ。
年度内に首都高では大橋と大井を結ぶ中央環状品川線が開通し、湾岸線や羽田空港へのアクセスも容易になる。そんな首都高が東京を象徴するブランドになる日も遠くない。
サーキュレーション首都高 第四弾
首都高とタットプロダクツによるコラボレーションの結果として生まれたこのバッグシリーズは、首都高速道路上で使用した横断幕をリサイクルしたもの。年齢性別に関係なく気軽に手にとってもらえるように奇抜さをできるだけ排除したシンプルなデザインが特徴。まず横断幕の洗浄が行なわれ、丁寧に裁断/縫製。素材は軽量かつ水分にも強い素材のターポリンで、極力新しい材料は使用せず、持ち手も横断幕に使われたロープを再利用。ロープが肩や手に食い込む負担軽減を図るため、ビニールホースに通すことでクッション性が増し持ちやすさも追求している。ネーミングも首都高らしさが伝わるよう、タイプごとにYOYOGI、EIFUKU、YOGA、HEIWAJIMAといった首都高のパーキングエリアにちなんだ名称が付けられている。ただし丁寧に洗浄していても、新品の材料とは異なるため多少の汚れも残っている。また、案内文字表示も1点1点柄が異なる。このあたりの「アジ」に納得いただける方はぜひ!
●問い合わせ先:首都高速道路 http://www.shutoko.jp/ss/c-shutoko/
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