【国内試乗】「アウディ SQ2」縦横無尽に駆け回れる弾丸コンパクトSUV!

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アウディのコンパクトSUVのQ2に待望のスポーティモデルが加わった。専用デザインのシングルフレームグリルやバンパーといったエクステリアはもちろん、なんといってもトピックは、Q2として国内初のクワトロを組み合わせていることだ!

見た目も走りもアウディのSモデル

Q2デビュー時のポップでフレンドリーな訴求色のイメージが強く残っていたせいか、専用色のデイトナグレーをまとった初対面のSQ2のシックな装い、精悍なイメージには新たな驚きがあった。「やっぱり、これでこそアウディじゃない?」と感じる人は、きっと筆者だけではないはずだ。

標準のインテリアはクロス/レザー仕様だが、試乗車にはファインナッパレザーシートのほか、レッドをアクセントにしたモチーフを採用したオプションのSQ2インテリアデザインパッケージを装着。

もちろんボディカラーだけが、そう感じさせた理由ではない。専用デザインとされたシングルフレームグリルにバンパー、5ダブルスポークの19インチ大径ホイールといったアイテムによるコーディネートも、SQ2をひと味違ったものに見せているのだろう。

さらに、試乗車にはオプションのSQ2インテリアデザインパッケージが装備されていたから、キルティングステッチが入れられたファインナッパレザーのシートや、エアコン吹き出し口のアクセントリングには印象的なレッドが差し色として使われていて、こちらもシックながら艶のある雰囲気を醸し出していた。そんな具合で、初対面の印象は上々だったのだ。

もちろん一番の見どころは、そのドライブトレインである。エンジンは直列4気筒2Lターボで、最高出力はベースモデルの倍上にもなる300ps、最大トルクは400Nmに達する。実はコレ、アウディS3の290psを凌ぐ数値でもある。

最高出力300ps/400Nmを発揮する2L直4ターボエンジンを搭載。Q2シリーズ初のクワトロを組み合わせる。アウディドライブ セレクトで「Efficiency mode」を選択すると、適宜クラッチを切り離してコースティング走行を行なうようになり、燃費向上に貢献。

トランスミッションはお馴染みSトロニックと名付けられた7速のDCT。そして駆動方式は、電子制御式4WDのクワトロ。実はQ2にはクワトロの設定はないから、これがこの車体では初の4WDということになるのだ。
細かなスペックの差異はともかくとしてエンジン自体はすでにお馴染みのものとは言え、全域でパンチがあり、吹け上がりも鋭く、そのフィーリングはやはりとてもスポーティ。低音の効いた排気音、瞬時に行なわれる変速も相まって、アクセルを踏み込むのが楽しい。

専用デザインのシングルフレームグリルやバンパーなど、SQ2ならではのエクステリアを纏う。ラゲッジルーム容量は355Lとなる。

動力性能は大したもので、0-100km/h加速は4.8秒。トップスピードは250km/hに達するというから、コンパクトな車体と相まって、日本の路上ではまさに無敵という印象。一方で、アウディドライブセレクトをEfficiencyモードにセットすれば、アクセルオフでコースティング状態となり燃費向上に貢献する。参考までにWLTCモードの燃費は11.6km/L。もう少し頑張ってもいいかもしれない。

クワトロ化に伴いリアサスペンションがマルチリンク化されたシャシーには、専用のSスポーツサスペンションが組み合わされる。たしかにロールは抑えられていてフットワークは活発。内輪に軽くブレーキをかけて旋回を助けるホイールセレクティブコントロールも、きっと軽快な走りに繋がっているのだろう。

ただし、乗り心地は硬めである。S4など他の車種でもそうなのだが、RSではなくSモデルは、もう少ししなやかな仕立てでもいいのではないだろうか。まあ、アウディらしくはあるのだけれど。
まさに見た目も走りも、アウディのSモデルに期待するものを余さず揃えたSQ2。コンパクトなボディにクワトロということでも引きはありそうだが、価格は車両本体が599万円。試乗車はオプション込みで722万円であった。その意味では確かに、あまりフレンドリーな存在とは言えないようである。

ボディカラーには写真のデイトナグレーPEのほか、クワンタムグレーなどSQ2のみで選択可能な色を含む全8色を用意。

フォト=郡 大二郎/D.Kori ル・ボラン2020年3月号より転載

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島下泰久
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2020/02/10 11:00

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