昨年7月に欧州で発表され、公式ウェブサイト2000万ビュー超、販売実績15,000個超と世界各国で大きな話題となった“あのメガネ”が、ついに日本でも購入できるようになったという。
※この記事はル・ボラン2019年9月号からの転載です。掲載商品は現在販売していないものもあります。
乗り物酔いをしたらかけるメガネ〈シトロエンのリラクゼーションメガネ〉
子供の頃は乗り物酔いをすることが多かった。クルマでの家族旅行も苦手で、最初ははしゃいでいても、次第に車内の臭いが気になり、気持ち悪くなった。リアシートに寝転がり、せっかくのドライブの思い出もつまらないクルマの天井だったのだ。さすがに自分がハンドルを握るようになると酔うこともなくなったが、当時これがあったらなぁと思ったのが「シートロエン」だ。リラクゼーションメガネという打ち出しでシトロエンが発売した。
前面と左右に計4つの素通しの輪を備えたメガネのような形で、輪の内側はチューブになり、青い液体が注入されている。前後左右の体の傾きに対し、この視界を囲む4つの青い液体は水平線を維持する。乗り物酔いの原理は、内耳内を満たした体液の平衡が視界の平行と合致しないことから起こるという。これを補正するための構造になっている。
使い方は簡単だ。乗り物で移動中リラックスしたくなったらこれを約10~12分かけ、あえて視線を本やスマホなどに向ける。もともと船酔い防止のため、南フランスのスタートアップ企業ボーディング・リング社が開発し、特許を取得した技術で、デザインはパリのデザインスタジオ5.5社が手がけた。
しかしそもそも何故にシトロエンが? という疑問も残る。広報担当者に話を伺うと、今年100周年を迎えたシトロエンのモノづくりは、人々に快適な移動を提供するとともに、移動の自由を担保するという理念に基づき、その一環だそうだ。確かにカゴ一杯の卵を積んで荒れ地を走っても1個たりとも割れないことを誇った2CVのマスダンパーしかり、その歴史は時代の技術革新を注ぎ、コンフォートを追求してきた。それはクルマだろうとメガネだろうと区別はないということだ。
さてその効果のほどは? 家人の運転でしばらくスマホを見て、気分がモヤモヤしてからかけてみた。どこか視界がすっきりしたような感じがする。でもそれ以上に、信号で並んだ隣のドライバーの凝視とあわてて目を反らしたのが可笑しい。自身の快適性だけでなく、周囲も楽しませてくれるのだ。
●問い合わせ先=プジョー・シトロエン・ジャポン TEL:0120-55-4106 http://www.citroen-onlineshop.jp/com/
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