こんな破天荒な高級車をポンと買うフランス人は偉かった!「シトロエン DS」は時代を50年も先取りした宇宙船【世界の傑作車スケルトン図解】#07-1

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想像を絶する「水と空気」のサスペンション

戦前からFFに力を注いだのに加え、誰も予想だにしなかった未確認走行物体を平気な顔でポンと出した。フランス人も偉かった。こんな破天荒な高級車を平気な顔でポンと買って、タクシーにも使ったのだから。

シトロエン DS

1:中央のボス部を隠した1本スポークのステアリングホイール
2:ルーフの大半は、金属の枠に嵌め込まれた樹脂パネル。初期のDS/IDでは半透明だった
3:サッシュレスのサイドウインドー
4:ルーフライン後端の断面に埋め込まれたリアウィンカー
5:リアの鉄球
6:タイヤ交換の時、ボルト1本を抜くだけで取り外せるリアフェンダー。ハイドロニューマティックサスペンションを手動操作で最も高い位置にしてからサイドシルの下につっかえ棒を置き、車高を最低位置まで下げると、リアタイヤが路面から浮く
7:リアサスペンションの鉄球(エアスプリング)を圧縮する車高調整用の液圧ストラット
8:深い両サイドシルとフロアパネルが、DA/IDの剛性の基本。だからボディを大胆に改造したデカポタブル(カブリオレ)やアンビュランスなども容易に作れた
9:標準装備のミシュランXAS はメトリックサイズで前180HR380、後155HR380
10:ウイッシュボーンとリーディングアームの中間的な形状を持つフロントサスペンション
11:フロントミッドシップのエンジンに対し、変速機はボディ前端(フロントオーバーハング)に搭載。油圧自動クラッチを介しての4速MTが標準だったが、DS21以降は3速ATも選べた
12:ノーズの先端、ラジエターの前に搭載されるスペアタイヤ
13:直列4気筒OHVエンジンは、初期のDS19では1911㏄の75ps、1960年代後半からのDS21では1985ccの81ps、最終期のDS23では最高2347㏄の130psへと拡大強化
14:フロントサスペンション用の鉄球(スフィア)。内部をブチルゴムの隔壁で二分し、上半側に高圧窒素ガスを封入してエアスプリングとしている

CITROEN DS

■生産年:1955~1975年
■生産台数:145万6000台
■国籍:フランス

Specification/CITROEN DS(1969 DS21)
■全長×全幅×全高=4840×1790×1470mm
■ホイールベース=3125mm
■車両重量=1280kg
■エンジン種類=水冷直列4気筒OHV
■最高出力=115ps(84.6kW)/5750rpm
■最大トルク=17.0kg-m(68.6Nm)/3500rpm
■トランスミッショッン形式=4速MT
■サスペンション形式=前 ダブルリーディングアーム、後 トレーリングアーム
■ブレーキ=前 ディスク、後 ディスク
■タイヤサイズ=前 180HR380、後 155HR380

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