今年のホストはアストンマーティン
「ブリティッシュ・サマー」と呼ばれる1年で最も過ごしのいい時期を迎えたイギリスで、F1イギリスGPに並ぶ(今やその規模すら超えたという話もある)モータリング・イベントとして有名なグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード(FoS)が、7月4日から7日にかけて開催された。
今回メインフィーチャーされたのは、グッドウッド・サーキットで初めてレースに参加してから今年で70年を迎えるというアストンマーティンだった。それを祝して会場中央のグッドウッド・ハウス前には1959年にル・マンを制した(実はこれも今年で60周年を迎える)レーシングスポーツ、DBR1をディスプレイした巨大なモニュメントが建設され、毎日お昼に行われた記念セレモニーには、そのもとに30台あまりの歴代レーシング・アストンが顔を揃えたのである。
他にもベントレー100周年、トゥール・ド・フランス120周年、メルセデス・モータースポーツ125周年、ホンダWGP参戦60周年、ジャッキー・スチュワートF1王座獲得50周年、マーチ50周年、ポルシェ917誕生50周年(これだけのメモリアル・イヤーが揃うのも彼の地の歴史の長さと深さを物語っている)など、多くのメモリアル・イヤーに合わせたプログラムを用意。2輪、4輪合わせて600台以上のマシンと、多数のレジェンド・ドライバー&ライダーが集まりハイスピードデモランを披露してくれた。
その中でも注目を集めたのが、6月にニュルブルクリンク・ノルドシュライフェでEVの最速タイムを更新したばかりのVW ID.Rが、ロマン・デュマとともに登場したことだ。約1.8kmに及ぶグッドウッドのヒルクライム・コースのレコードタイムは、1999年にニック・ハイドフェルドがマクラーレンMP4-13で打ち立てた41.6秒。以後、安全に考慮(過去には死亡事故も起きている)して現役F1チームによるタイムアタックが禁止されたこともあり、永久的なコースレコードと化していたこのタイムを破るべく、昨年からID.Rを投入してきたVWチームは、グッドウッド専用のセッティングを施したID.Rで初日から積極的にアタックを開始。金曜に41.1秒を記録し20年ぶりの更新を果たしたうえ、土曜にはタイムを39.9秒にまで詰めてみせたのである!
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