カー・マガジン編集部員がこれは!と思った趣味グルマを紹介する、恒例の『100万円でドロ沼に陥る!? 』ですが、今回から3回に分けてイタリア車でドロ沼に陥る!? 、略して”イタドロ”と名称を変更してお届けします。字面で、整備の無限ループを想像した方、それは間違い。一度運転席に座れば、たちまちドライバーを魅了する。そんなイタリア車のドロ沼へようこそ!
ジャンニーニを冠したレアモデル
ガレージMMの宮内社長に「もし止まっても大丈夫。電話もらえればすぐ行くから」という、力強い(?)言葉を受けてお借りしたジャンニーニ126GP。急に不安になりつつも、ペダル位置やシフトパターンを確認してクラッチを繋ぐ。このファーストコンタクトは、毎回緊張する瞬間だ。丁寧にクラッチを繋ぐと、スーッと滑らかにクルマは走り出した。
これなら問題ない! と思ったのも束の間、早速次の試練に遭遇する。幹線道路への合流、しかも登り坂だ。たっぷりと余裕を持ち、いざっ! という気持ちでスロットルペダルを気持ち強めに踏み込むと、なんなく坂道を駆け上がりスピードを増していく。これなら”動くシケイン”になることもない。乗り始めこそ緊張したが、すぐに2気筒エンジンの鼓動を楽しめるまでになった。リアから届くエンジンサウンドは、回転が高まるにつれて、これぞジャンニーニ・チューンの真骨頂であるかのように高らかに”謳う”。まるでセイレーンの様に、その歌声はドライバーを魅了するが、回しすぎたかなと思っても法定速度内に納まっているので心配ない。ジャンニーニの歌声は、決してドライバーを破滅へ導いたりはしないのだ。
エンジン始動は一発で、アイドリングも終始安定。撮影当日は残暑厳しく30℃を超える真夏日であったが、撮影終了まで調子を崩すことはなく、むしろ返却する頃にはその走りに魅了されていた。ジャンニーニ・チューンという先入観で、変に身構えていたが、その全てを126GPは杞憂に変えてしまった。
ヌオーバ500を直線基調にしたようなデザインはベースの126と同じ。ジャンニーニ126GP最大の特長はと言えはオイルパンに刻まれた”GIANNINI”の文字だ。マフラーのメーカーは不明だが、野太いエグゾーストノートはクルマの性格とマッチしていた。ドライバー前方に大型でスクエアのメーターナセルが備わる。左がスピードメーター、右がレブカウンター。シートや内装は張り替え済の様で良好なコンディションだ。
GIANNINI 126GP
車両購入価格:ASK
【編集長の傍からヒト言】
悟った先に浮かぶ選択肢:つまりスバル360に対するR2、ミニに対するローバー100シリーズ。偉大すぎる先達を越えるのはなかなか難しい……というそんな関係が、ヌォーヴァ500に対するこの126にも当てはまるワケだが、さらに、メジャー級のアバルトではなく、こちらはジャンニーニ。あらゆる煩悩を解脱した者のみが辿り着く桃源郷。クルマ趣味の悟りの境地はここにある。
【問い合わせ】
ガレージMM 045-593-4139
1974 FIAT 126
車両購入価格:1,480,000円
ベーシック度 HIGH
ベースモデルをお求めの方へ
こちらはアウトレーヴにて販売中のフィアット126。後年はポーランドで生産されているが、この個体はイタリア産。エンジンは600ccの2気筒を搭載する。『Tuffa Yellow』のボディ色はリペインと済みとあってとても艶やかで、内装も良好な状態が維持されている。ヌオーバ500の進化を体感したい方は迷わず買い!
【問い合わせ】
アウトレーヴ 03-6427-5820
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