綿密な加工や塗装がひとつの形をむすぶ至福の時
ハセガワ製のケンメリGT-Xをベースに、輸出仕様のダットサン240K GTを作ろうというこの企画、第5回目のボディ塗装~磨き出しを経て、今回はいよいよ細部の塗装、そして最終組み立てである。
【画像38枚】細かな配慮の数々を真似したくなる最終工程を目撃!
まず、クリアーコートを施して美しく磨き上げたボディに窓枠の表現を加えていく訳だが、その方法にはモデラー各自コツのようなものがあるだろう。黒だけの窓枠なら塗り分けるという方法が一般的だが、このケンメリのような旧車をノーマル状態で制作するとなると、メッキモールの表現をどうするか、その判断を迫られることになる。
まず分岐点となるのは、塗装するか、あるいはフィルム状のもの(後述)を貼り込むかである。塗装の場合にも、フリーハンドで行ってしまうかマスキングしてきちんと塗分けるかだけでなく、通常のシルバーを塗るか、メッキ調塗料を使うかで意見が分かれるところであろう。輝きを取るとすれば後者だが、一方で、塗膜の弱さが気になるという人も少なくないはずだ。さらに細かく言うと、メッキ調塗料にも瓶入りだけでなくマーカータイプのものが最近は増えてきている。
フィルム状のものにも2種類あり、ベアメタルやメタルックといった、糊付きのアルミ箔というのがまず一方の代表格。そしてもう一方は、ハセガワの曲面追従シート”ミラーフィニッシュ”が代表格である、金属蒸着を施した極薄フィルムだ。糊付きアルミ箔の扱いやすさも良いが、ミラーフィニッシュの光輝感はまた格別である。さらに言えば、窓枠そのものを金属で自作した部品に置き換えるという方法もあるが、あまり一般的なものではないだろう。
ウィンドウの取り付けにもまたひと苦労…
そして、窓枠の表現を済ませたボディにウィンドウのパーツを取り付けていく訳だが、このとき接着剤はエポキシ系のものを使用して、それが固着するまでパーツをマスキングテープで固定しておく、というやり方が今はかなり普及している。ここで気になるのが、剥がすことを前提に作られているマスキングテープとはいえ、メッキ表現にダメージを与える可能性もないわけではない、ということだ。これを回避するため、例えば糊付きアルミ箔の貼り付けはウィンドウを取り付けてから行う、という人もいるようである。
何を優先して何を回避するか、その判断はすでに述べた通り人によって違う訳であるから、そのやり方も色々である。作例の作者・北澤氏の採った方法もまたベストなもののひとつと言えるが、具体的にどういうやり方であるかは、工程の写真とキャプションをご参照いただきたい。
……さて、そのようなことをつらつらと書き連ねているうちに、作例も完成したようである。その姿も「全ての画像を見る」ボタンなどから画像一覧に進みご覧いただきたいが、より細部までのご紹介は回を改めて行うこととしたい。
※使用キット
ハセガワ1/24スケールプラモデル ニッサン スカイライン HT 2000GT-X (KGC110)
3,520円(税込)
ハセガワ公式サイト