2024年3月に発売されたグッドイヤーのウルトラハイパフォーマンスタイヤがイーグルF1アシメトリック6だ。従来のアシメトリック5から6に進化し、ドライ性能、ウェット性能、静粛性能、燃費性能がそれぞれ向上しているという。
快適性と走りの楽しさが高次元でバランスしている
BEVの普及が進み、転がり抵抗の低減や静粛性の向上など重視されるタイヤの性能が変化している。だからといってドライビングの楽しさに直結する走行性能は、二の次にはできない。
そうした背景に基づき開発されたのが、グッドイヤーのウルトラハイパフォーマンススポーツタイヤに位置付けられるイーグルF1アシメトリック6だ。位置付けによると過激なタイヤに思えるが、イーグルF1のラインナップにはよりハイパフォーマンスなスーパースポーツとピュアスポーツのRSスポーツもそろう。
実際に、17インチのアシメトリック6をCクラスに装着して一般路を走らせたところ好印象だったのは優れた静粛性だ。低中周波のロードノイズの抑制が効き、高周波のパターンノイズは意識をしていても耳に届かない。従来型のアシメトリック5(継続販売中)に対してトレッドの横溝を細かくしたことなどによりパターンノイズを25%低減したというメーカー測定値も納得。なるほど、エンジン音によるノイズのマスキングができないBEVに適している。
乗り心地はタイヤの位置付けからは想像がつかないほどしなやかであり、Cクラスならではの快適性を少しも損なっていない。さらに、ステアリング操作に対する応答性の素直さや切れ味のスムーズさも維持される。
ウエット性能が向上していることも、アシメトリック6の特徴だ。レヴォークに装着して、従来型との制動距離を比較。70km/hからのABS作動時で、従来型が平均で16m台だったのに対してアシメトリック6は14m台に入ることも。新樹脂配合コンパウンドの採用などによりメーカー測定値では3%の向上となっていたが、それを超える結果となった。
日産スカイラインに装着して、ウェット路面のコーナリングも比較。従来型はブレーキを残しつつコーナー進入時にあえてステアリングを多めに切り込むと、リアの荷重が減りテールスライドが発生。アシトリック6は、同じ走らせ方でも安定したままだ。しかも、コーナリング限界が高かっただけに安心感も高まるわけだ。
アシメトリック6の位置付けで関心度が高いのは、やはりドライビングの楽しさだ。トヨタGR 86に装着して特設のハンドリングコースを走らせたとこいろ、ステアリング操作に対する応答性の正確さだけではなく鋭さも確かめられた。ステアリングを切り始めた瞬間にクルマの鼻先がスパッと向きを変えるだけに、コーナーを駆けぬけるたびに快感を覚えるほどだ。
さらに、VSC(横滑り防止装置)を解除しコーナリング中にステアリングを切り増しながらアクセルを踏み込むとテールスライドが発生。アシメトリック6は、その際の滑り出しの判断がしやすく挙動変化が大きくなっても限界に至るまでの奥行きが深い。そのため、ドリフトを楽しむ場面で優れたコントロール性が維持される。こうしたドライにおける走行性能は、負荷の変動に対してトレッドの接地形状を最適化するドライコンタクトテクノロジーの効果だ。
転がり抵抗の低減については、タイヤ性能のラベリングにおいてアシメトリックがAグレードに認定されていることでも明らかだ。
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