【プロトタイプ試乗】新たな価値を提供する快速プレミアムコンパクト「レクサス LBX モリゾウ RR」

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レクサス初のBセグメントSUVであるLBXに、GRヤリスの心臓を移植した「MORIZO RR」がついに市販される。その最終プロトをひと足先にサーキットにて試乗する機会に恵まれた。注目のホットモデルの仕上がりはいかに!?

ハイパフォーマンスかつ優れた快適性を両立

LBX MORIZO RRは、小さな高級車のLBXをベースにGRヤリス譲りのパワートレインや駆動システムを盛り込んだホットハッチだ。豊田章男会長がレース出場時に名乗るモリゾウが冠され、86レースやスーパー耐久レースで活躍する佐々木雅弘選手が開発ドライバーとして加わっている。

ベースモデルより全幅は+15mmとなる1840mm、前後トレッドはフロントが+10mmの1580mm、リアは+15mmの1585mmまで拡大されている。一方全高は-10mmとなり、ワイド&ローな印象を強めている。

ただチューン度を高くしたのとはわけが違い、プラットフォームは前部がGA-Bながら後部はハイパワー4WDへの対応でGA-Cを採用するなどという手の入れよう。ベースに比べてスポット溶接の469打点増、構造用接着材の12.8m増などとボディ剛性も徹底的に高められた。ロアアームの断面変形を抑制するべく熱硬化性樹脂を塗布するなど細かい箇所まで手が入れられている。

GRヤリスに採用されたG16E-GTS型1.6L直3ターボエンジンを搭載。トランスミッションは8速ATのほか、6速MTも選択できる。

Bセグメントには過剰とも思える224kW(305ps)の3気筒1.6Lターボに組み合わされるのは6速MTとダイレクトシフト8速AT。4WDは電子制御で前後トルク配分を最適化し、トルセンLSDも組み込まれる。

第一印象は意外なことにサスペンションがしなやかで上質な乗り味ということ。ヤリスのようなスポ魂ではなく、あくまでレクサスらしいのだ。コーナーへ向けてステアリングを切り込んでいくと俊敏にノーズが反応するが、グイッと強引に向きを変える感覚ではなく、ジワーッとタイヤからグリップを引き出して自然にインへ向いていく。リアの安定感が抜群に高く、安心して攻めていける。4WDの駆動配分は、フロントタイヤの負担を減らしてくれるのでアンダーステアも最小限だ。

タイヤサイズは前後235/45R19、大型のブレーキキャリパーも専用装備だ。

縁石を乗り越えてもサスペンションのしなやかさが感じられスムーズ。ハイパフォーマンスながら快適性との両立が絶妙なのだ。

インテリアはレクサスらしく、本革シートを使用した高級感のある仕上がりとなっている。ベースモデルと同じくユーザーが好みの仕様を選べる「ビスポークビルド」にも対応する。

【Specification】レクサスLBX MORIZO RR
■車両本体価格(税込)=6,500,000円
■全長×全幅×全高=4190×1840×1535mm
■ホイールベース=2580mm
■トレッド=前:1580、後:1585mm
■車両重量=1440mm
■エンジン型式/種類=G16E-GTS/直3DOHC12V+ターボ
■内径×行程=87.5×89.7mm
■総排気量=1618cc
■最高出力=304ps(224kW)/6500rpm
■最大トルク=400Nm(40.8kg-m)/3250-4600rpm
■トランスミッション形式=8速AT/6速MT
■サスペンション形式=前:マクファーソンストラット/コイル、後:W ウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ=前:Vディスク、後:ディスク
■タイヤ(ホイール)=前後:235/45R19

問い合わせ先=レクサスインフォメーションデスク TEL0800-700-7700

フォト=郡 大二郎 ル・ボラン2024年9月号より転載

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