BBS LMの懐の深さには驚く。どんな性能と世界観を持ったクルマにも、ピタリと似合って引き立てる。それはスーパースポーツでも変わらない。ニゾローが製作したアウディR8 V10を前にそんなことを再確認した。
クルマの性能を受け止め固有の世界観を引き立てる
「クルマごとに似合うホイールへと換えるのではない。まず欲するホイールありきで、それに似合うクルマを選んできました」
多種多様な方向性のカスタムを提案するNizo-Low(ニゾロー)の代表取締役を務める岡崎隆徳氏は、自らの愛車やデモカーにはそんな信念を持ったクルマ選びをしてきた。そして「欲するホイール」のほとんどを占めるのがBBS LMだという。2024年で30周年を迎える長寿モデルながら、いまだに最新モデルを見事に引き立て、あるいは調和してしまう。強度や剛性、軽量性能といった性能面も抜かりはない。BBSジャパンが有する最高峰の型鍛造製法と切削技術、そして多様な仕様やサイズ設定を可能とする2ピース構造だからこそ可能となる性能であり世界観である。
その高性能を活かすかのごとく、ニゾローは積極的にスーパースポーツにLMを持ち込む。世のスーパースポーツ勢もまたLMが似合うはずだという意識を持つ。
一例としてアウディR8 V10がある。いかにもアウディらしい先進的なフォルムは、今もなお鮮度を失わない。BBSならよりモダンな造形を持つRI-Dなどを組み合わせたくなるが、ここにあえてLMを持ってきたところが興味深い。KW HASにより車高を絶妙な塩梅へと持っていき、そこにフロント9.0J× 20インチ、リア10.5J×21インチという前後異型サイズを投入した。ミシュラン・パイロットスポーツ4Sのサイズにひと工夫加えるなど、いかにもニゾローらしい。
実際、いかにもスーパースポーツらしいフォルムを支える繊細な10本スポークが、エレガントな印象を訴えかける。ダイヤモンドブラックの高級感もまたR8の世界観と調和する。相応に存在感のあるリムの厚みがもたらすスポーティな雰囲気も見逃せない。
ニゾローの岡崎氏はBBS LMのことを“万能調味料”だと表現する。どんなクルマであっても、LMを加えることで固有の旨みが引き立つという。それはR8 V10であっても成立することをここに証明した。「スーパースポーツにも似合う」ではなく「スーパースポーツにこそ似合う」のがLMだと思わせてくれた。
【COLUMN】BBSジャパン「最高のお気に入り。」フォトコンテスト2024
応募期間 2024年8月31日(土)まで
https://tc.bbs-japan.co.jp/jp/photocontest2024/
各種自動車メディアでBBS製ホイールを撮りまくっているのがカメラマンの中島仁菜さんだ。彼女はいつも過度に気取らず気負わず、“クルマ雑誌っぽくない”自由な目線でホイールを切り取る。特に“日常のワンシーン”を大事にするという。日常じゃありえない非現実的な絵面に挑むのもいいけれど、生活のなかで愛車を見る目線で、クルマとホイールがカッコいいと思うアングルを見つける。無理にステアリングを切ってホイールを強調させたりはしない。あくまで自然体そのまま。愛車を駐めて振り返って見たとき、はっとするようなカッコよさ(美しさ)を感じたのなら、それをそのまま写真に収めればいい。機材に画像加工にとに凝りまくる前にまずは愛車に対する想い、そのピュアな目線を意識して、BBSジャパン主催のフォトコンテストに挑んでみよう。
“日常のワンシーン”を大切にしたい。