国内外のクラシックカーを中心に30台が展示
高知駅から東の方向、概ね室戸岬に向かう方向へ車で約30分。自然豊かな、高知県立「のいち動物公園」の近くに、「四国自動車博物館」がある。住所は、高知県香南市野市町大谷896。
全国各地に、自動車メーカーや地場企業、また個人が運営する自動車博物館があるが、四国に自動車博物館があることを、特に関東圏の人は知らないのではないだろうか。展示スペースは縦に長く、室内の両面が鏡張りという構造だ。
入口近くには、90年代のF3000と、ランチャ「ストラトス」。入館料800円で館内に入ると、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に登場したデコレーションの「デロリアン」がお出迎え。その先には、フィアットを中心としたイタリア車の姿が目立つ。
例えば、60年代後半の「アバルト2000スポーツスパイダーSer.Ⅱ」や、ドイツのDTMでメルセデスやオペルと競い合った90年代の「155 V6 Ti」、さらに「ランチャラリー037ワークス」。また、フェラーリでは「246GT」や「365GTB/4 デイトナコンペティション」などが並ぶ。そして、ランボルギーニ「カウンタックLP400」が展示されているが、車両の程度はすこぶる良い。
国産車では、トヨタ「2000GT」、「スポーツ800」、「セリカ1600GT」、またプリンス「スカイライン スポーツ」やスバル「360」など、どの車もレストアの質の高さを実感する。展示台数は約30台。そのほか、二輪車の国内外メーカーの多様なラインアップも約30台楽しめる。
大手の自動車博物館と比べると、規模感はけっして大きくはないが、車両がとても丁寧に管理されており、またとても落ち着く雰囲気が気に入った。同館の関係者によれば、もともとは高知県の北部、大豊町がまちおこし事業の一環として始まったものの、運営面で紆余曲折があり96年に閉鎖。その後、ネッツトヨタ南国が中心となり、2001年に現在の場所に移って再開した。
展示車は、個人オーナーからの寄贈や、借り受けての展示のほか、トヨタなどの自動車博物館と連携した展示もある。現在、富士モータースポーツミュージアムから輸送された、幻のWRCモデルと呼ばれることもある「MR2 222D」を展示している。
今回は平日ではあったが、他県からの来場者も含めて四国自動車博物館をじっくり楽しむ人たちがいた。
この記事を書いた人
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。日本自動車ジャーナリスト協会会員。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、自動運転、EV等の車両電動化、情報通信のテレマティクス、そして高齢ドライバー問題や公共交通再編など。
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