デザインと機能美を融合し、プライベートを確保した、リゾートスタイル・ガレージ。【ガレージライフ】

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信頼のおけるパートナーと建てたガレージハウスは、施主の希望をスムーズに取り入れ、全体のバランスを見て設計・施工したゆとりと充実の住まい。

群馬県の閑静な住宅街に建築されたガレージハウス。シャッターが二重構造になっており、1枚の巻取り式電動シャッターを開けると中庭にアクセスできる。プライベートな空間の奥に木造の重力鉄骨で建てられた母屋にも、2枚のガレージシャッターが施工された。

竣工したのは2023年6月、建築・設計したのは注文住宅を専門に扱う「株式会社オムニバス」。施主のIさんの住宅および、建築を担当するのはなんと6棟目だという。13年前からの知り会いで、いまではゴルフで全国を回る仲だという。

【写真15枚】大きな窓の、開放感のあるリビングがあるガレージハウス 

今回のガレージハウスの着工は、2022年12月のこと。施主のIさんが6か月かけてプランを練り、構造計算や部材を揃えたのが「オムニバス」金子代表。ガレージには3台のクルマを収納できるスペースがあることを必須条件に、部屋はリビング、ダイニングに主寝室とゲストルームを、という実にシンプルなプランだ。

実は、新築を建てた隣の平屋で生活していたI夫妻は、経営している医療関係の会社を建て替えるため、339平米の土地に新築することになった。新居は音が響かないようにと、重量鉄骨で設計、デザインを優先して1階はブルーとブラックをベースに。2階はベージュをベースに設計を考えたそうだ。照明は目に優しい2,700ケルビンのユニバーサルライトに統一する、などかなり細かな要望も出している。

「文化シヤッター」製フラットピットを開けると、ターコイズブルーに塗られた壁面が際立つガレージが現われた。ドイツ製「BMW・840i」、イタリア製の「アルファロメオ・ジュリア ヴェローチェ」、日本製の「レクサス・UX250h」という、乗り心地の異なる3台が構えていた。

床面に敷かれているのは「TEC Tile (テックタイル)」が販売している、ブルーとブラックを基調とした樹脂製の連結タイル「カーMセット」だ。実はガレージが完成してすぐにタイヤ痕に悩まされ、床にクリア塗装をすることなども検討したのだが、いずれ剥がれてしまうことなどを考慮してタイルの採用を決めたそうだ。3台分を注文、「タイルを施工したことで、タイヤ痕のストレスから解消されました」と、Iさんは話す。

タイヤ痕に悩まされていたとき、雑誌で見つけたのが「テックタイル」だ。「オンリースタイル」が発売している樹脂製のタイルで、クルマ用のものをセット。大人3人でDIYで施工した。

洗車することを考えて、外壁のなかにも屋根を造り配慮。
中庭には、Iさんのリクエストにより屋根がかけられた。なぜならクルマを洗車するためである。洗車をしたあとに直射日光に当てると、クルマにウォータースポットができるてしまうからだ。屋根があれば、その心配はない。ガレージの奥には、ゴルフのパターを練習するスペースと、ロードバイクを収納するスペースを設えた。

約96.7平米のガレージの壁面サイディングに塗られたターコイズブルーは、さまざまなブルーでもかなり色味に悩んだそうだが、日本塗装工業会の色見本からサンプルを選び抜き、職人に依頼するほどこだわったカラーだ。クルマはその時々で乗り換えるが、ガレージのカラーは変えることなくブルーを基調としているそうだ。

ガレージと連動している1階のリビング、実は外と内との壁面を同じ素材とし、いっぱいに広がる窓で仕切られるようにすることで、繋がりを感じさせるデザインとし、より広い空間を意識して設計されている。屋根の素材も同様だ。キッチンはプレミアムオーダーキッチンを提供する「Linea Talara」にてオーダー。世田谷のショールームで打ち合わせの上で、素材を選んだそうだ。

2階に設置したバスルームは、「WABURO」にてオーダー。十和田石を採用するなど、まるでホテルライクな時間が過ごせる贅沢な空間となった。2階のテラスはまさに、ホテルステイのように寛ぐことができる空間として設計している。また、どの部屋も壁紙にもこだわり、すべて細かくIさんの指定により施工された。

数件の建築プラン経験があるIさんは、これまで培った経験を活かして、部材をカタログで選んでからショールームで現物を確認して作業するという方法でプランを進めていった。「現物を見ないで決めて、後悔はしたくないですから」とIさん。

信頼の「株式会社オムニバス」と組むことで、ストレスなく建築は進み、2023年6月に引き渡しとなった。床から天井まで開口面積が広い窓にすることで、かなり開放感の優れた居室になったことが、わかるだろうか。Iさんにとっては2軒目の、オーダーによるガレージハウス。素材を吟味してこだわり抜いて成功したことが、取材時の夫妻の様子からも伝わってきた。

◆PLANNING DATA
 施 主: I さん
 所在地:群馬県
 敷地面積:約339平米
 延床面積:346.5平米
 ガレージ面積:96.7平米
 構 造:重量鉄骨+木造
 外壁/内装仕上げ:サイディング/サイディング
 愛 車:2023年式 BMW・840i
     2023年式 アルファロメオ・ジュリア ヴェローチェ
     2021年式 レクサス・UX250h
 設計・施工:株式会社オムニバス

◆OWNER’S CHECK
・一番気にいっているところは?
 床から天井まで開口面積が広い窓と、外壁と内壁を同じ素材にし、軒天とのつながりも考えたため空間に広がりを見せたところ。
・ちょっと失敗したところは?
 キッチンの床面にブラックのタイルを採用したため、小さな傷が目立ってしまうところ。
・次の夢はなんですか?
 ガレージをうまく活用しながらクルマ、バイク、ゴルフを楽しんでいきたいですね。
・読者へのアドバイスを!
 今回も、雑誌やwebなどでかなり調べた上で、施工していただきました。
 カタログではサイズや素材感はわかりづらいので、実際にご自身の目で
 たしかめることをおすすめします。

◆COMMENT FROM A BUILDER:株式会社オムニバス 金子直人さん
Iさんのガレージハウスは2軒目の担当となります。ほか、4軒のやりとりをしているので、好みを把握したうえで施工できるかなどを、打ち合わせしながら進めました。部材が異なるもの、カラーが異なるのをうまくまとめさせていただいて引き渡しでき、満足いただけてよかったと思います。ほとんどの方が1回しか建築することはないので、やはりしっかりと打ち合わせをすることが重要ですね。

群馬県前橋市上小出町1-31-2 ジュネシオン小出106
Phone/027-225-8241 www.omnibus-inc.com 

◆問い合わせ先:テックタイル(株式会社オンリースタイル)
 東京都中野区上鷺宮3-16-9オーエスビル Phone:03-4455-7426
 e-mail:customer-info@onlystyle.jp https://tec-tile.jp/ 
『GarageLife Vol.98』掲載

外側のシャッターの中に、さらに2枚のシャッターが設計され、ホコリの侵入とプライバシーを確保しているI邸。屋根があることで、ウォータースポットを防止して洗車ができるように配慮された。

Photo/Hiroyuki-KONDO(近藤浩之) Text/Jun-ISHIHARA(石原 淳)

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