自分で手を動かせばコストダウン! 約500時間かけた仕上がりは、真似ができない脱帽のクオリティ。【ガレージライフ】

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同じ生活圏内で理想のガレージハウスが建てられる土地を入手。約500時間かけて自ら作業し、大幅にコストダウン。リゾート地を連想するようなガレージハウスを建築

埼玉県の郊外に売りに出された土地を購入したHさん。建築関係の自営業を営んでいることから、自分の手を動かすことでコストダウンすることを目標に、これまで戸建ての借家で暮らしていたが、将来はガレージハウスを建てたいと、3年近く理想の土地を探していたという。結婚を機にガレージハウスの建築を決意し、300平米(約90坪)の土地を手に入れたのは2020年のことだった。

住宅に携わる仕事に従事しているが、従来の仕事と住宅建築とは専門分野が異なるため、自分での作業と本職に任せる作業を仕分け。知人の「マツウラ工房」に依頼して「辰澤建築設計事務所」を紹介してもらい、Hさんが描いていたプラン設計を見てもらい、強度計算などを依頼。なるべく自分の手を動かしてできるところは自分で作業してコストダウンを目指していた。

設計事務所同伴でプレカット工場に出向き、木造在来工法2階建ての部材を確認することからスタート。そして電気の配線や、内装のジョリパットの塗装、そしてエクステリアの石材を貼る作業は夫婦で行っている。しかも「パナソニック」製のキッチンなども施主支給とし、カスタマイズ。バルコニーの露天風呂などもHさんが自己責任で作業をしたという。

【写真17枚】すごい! これがDIY!? 極力コストカットしたガレージハウス 

自分で部材を仕入れ、自分で作業することになったのだが、その参考になったのは、なんとネット動画だという。プロがやっている動画を見ても細かな作業が省略されているため、素人が紹介している作業を参考にして大工さんに躯体を建ててもらったあと、夫婦のDIY作業をしていく作業が続いたという。

HさんがこのDIYに費やした時間は、なんとおよそ500時間。設計の先生にはプロに依頼したほうが早いとアドバイスはいただいたが、Hさんは自分で作業することが目標だったため、突き詰めた結果という。その結果、竣工後ガーデニングスペースが完成するまでには、2年くらいの時間を費やしている。

ガレージスペースには愛車「スズキ・ジムニー」が入るほか、ドラッグレースに参加していたときの愛車「カワサキ・ZX14R」や、コストコで購入したフィットネスマシーンが。そして約20年かけてコレクションしていたプラモデルや、定期購読しているクルマ雑誌が並べられている。

ミニカーをディスプレイしているケースはホームセンターで購入したアクリル板を利用して造作。子どもたちが遊びに来ても壊されないほか、ホコリからミニカーを守るなどの効果もあるという。壮大なのはダークグレーにペイントされた、Hさん自身が仕上げたアート作品。ガレージにいてもリゾート気分が味わえるようにと、カラフルなデッサンはHさん自身が、筆を駆使して仕上げた作品だ。

また、2階には居住スペースである20畳のリビング、キッチン、ダイニングを集約。そしてフラットになった和のスペースが設けられた。内装はジョリパットでHさんが仕上げた。陰影がつき、ダイナミックな仕上がりとなっている。天井が高いので、開放感のあるスペースも居心地がいいという。

そして2階のバルコニーは、竣工後に配管だけプロに依頼してHさんが自分で仕上げた、露天風呂が設置された。毎週末にお湯を張って家族でゆっくり楽しむのが、Hファミリーの楽しみのひとつだという。

この仕上がりは、普通では真似ができないクオリティ。コストダウンが目的とはいうが、実際のところ、Hさんは自分で仕上げ納得したかった、というのが本音でもあるだろう。なぜなら、作業中は大変だったというが「笑顔で非常に楽しかったと」語った、その言葉が物語っている。

住宅関係に従事するHさんは、自分で体験したことをいろいろな方に伝える機会があったのも収穫だという。躯体はプロに依頼して内装をDIYで仕上げたというプロ並みの仕上がりに、編集部は脱帽であった。

◆Planning Data
 所在地:埼玉県
 家 族:4人
 施 主:Hさん
 構 造:木造在来工法
 敷地面積:300平米
 延床面積:210平米
 ガレージ面積:40平米
 外構/内装仕上げ:ジョリパット/ジョリパット
 愛 車:2021年スズキ・ジムニー
     カワサキ・ZX14R改 ほか
 設計・監理:辰澤建築設計事務所
 1010tatsuzawa@gmail.com Phone:04-2993-0662
 施工:マツウラ工房
 埼玉県春日部市備後東1-16-1 https://matsuura-kobo.com/ 

◆Owner’s Check
・ここがお気に入り
 天井が高いリビングとなったため、居心地のいい空間になったこと。
 自分たちで塗った壁面の空間は気持ちいいですね。
・ちょっと失敗
 電気のことが素人だったため、最初はかなり困りました。
 普通の人は知らなくてもいいことですが、勉強しましたね。
・これからの夢
 これからガレージハウスをはじめ、家を建てたい方にアドバイスを
 して、コストバランスのアドバイスをしていきたいですね。
 気になる方は「マツウラ工房」まで。

『ガレージがある家 Vol.51』掲載

photo / Masatake ISHIKO(石河正武) text / Jun ISHIHARA(石原 淳)

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