平屋にしてコスト削減! センスと経験を駆使して創った、シンプルでミニマムなガレージハウス。【ガレージライフ】

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子が巣立ち、新たなライフスタイルを模索していたN夫妻。シンプルだが暮らしに合わせたガレージハウスは、コストと防犯への工夫満載の家となった。

千葉県の住宅地に設計された、Nさんのガレージハウス。このN邸は敷地面積約70坪に28坪の建坪。極力、デザインや動線をシンプルにすること、そしてメーカーを絞るなどしてコストを工夫し、手に入れたガレージハウスだ。

ガレージのシャッターを開けると、英国のライトウェイトスポーツカー「ロータス・エリーゼ クラブレーサー」の特別色スカイブルーの個体が佇んでいた。

【写真16枚】夫婦のための将来を考えた平屋のガレージハウス。 

Nさんは3人の子育てを終え、奥さまと2人のためのガレージハウスを建てることを、数年前から計画していた。子育てを終えた50歳を過ぎた頃から、スポーツカーとバイクのある生活を夫婦2人で楽しみたいと考えていたのだ。

そこで5人で過ごしていた家を子どもに譲り、建築士でもあるNさんが自ら、夫婦のための将来を考えた平屋のガレージハウスを設計した。平屋にした理由は、居住者が2人だというほかにもある。屋根面積を増やして、ソーラーパネルを設置することでオール電化とするためだ。「株式会社レクソル」の協力を得て、自邸の電気は賄えるようにしている。

屋根に太陽光パネルを設置したため、売電で創った電力をスマホで管理。売電目的というよりも、蓄電池で電気を貯蔵して使用する目的。

また、コストの削減を目的として、既存の商品をうまく採用することでコストが上がらないように工夫している。廊下から見渡すことができる大きなサッシも、既存で販売しているものを採用。トイレもサニタリースペースと書斎からアクセスできるように両扉にするなど、建築家視点での商品を選んだ。

そして防犯上を考慮して掃き出しの窓は極力少なくし、その替わりに採光のために横滑り窓を上部に設置することでコストを削減にもなったという。キッチンに取り付けた扉も、来客時には閉めて収納スペースが見えないようにしつつ、使用時には開けることで通常のキッチンとしての使用が可能だ。

そしてガレージは、ご主人が一番こだわったポイント。ロータス・エリーゼの車高を考えながらも、部屋の床とはなるべくフラットに近づけたかった。傾斜を考えて現在のガレージの高さを設定した。また、書斎では仕事や趣味を楽しむ空間として、約9.31平米を確保。クルマを眺めながら仕事ができる理想なスペースとなった。

ほかの部屋はホワイトのクロスで統一しているが、ガレージと書斎はご主人がサンプルを見ながらダークブルーを選び、シックにまとめている。またキッチンからもガレージを確認できるなど、これまで取材してきたガレージハウスでも、非常に稀なパターンだ。ご夫婦で違う作業をしていても、気配を感じることができる設計といえる。

居住スペースはブラックとホワイトでまとめることで非常にシンプルにし、2人の本当の必要なものだけにまとめたという。ご主人の趣味でもあるバス釣りの竿は、扉の内面にうまく収納してトレーニングマシーンはガレージとスペースをうまく活用している。

あらかじめご夫婦2人で必要なもの、不要なものを仕分けしてミニマムな生活を計画した結果だ。昔から所有しているカワサキの「Z1000 MK2」は、自分で整備してご夫婦でよくタンデムツーリングを楽しんでいたというが、最近はエリーゼで箱根にドライブ行くのが楽しみだという。

シンプルな生活を背景にコストバランスを考えて設計した、N邸の平屋のガレージハウス。大きな物件ではないが、夫婦2人のライフスタイルに合ったサイズにすることで、ガレージハウスを手に入れることに成功した。全員が家族構成、ライフスタイルが異なるので同じ条件ではないが、工夫することでガレージハウスは手に入るとNさんは語る。クルマ好きな建築家Nさんへのご依頼は、「芳太屋」まで。

◆Planning Data
 所在地:千葉県
 ご家族:Nさんご夫婦と愛猫
 敷地面積:222.04平米
 延床面積:95.02平米
 ガレージ面積:22.36平米
 外装仕上げ:ガルバニウム鋼板
 内装仕上げ:クロス
 愛 車:2012年式 ロータス・エリーゼ クラブレーサー
     1979年式 カワサキ・Z1000 MK2

◆Owner’s Check
・ここがお気に入り
 窓の開口部を少なくしたため、防犯上に優れているところ。また断熱性能が数段上がった建材にしたため、冬でも暖かい家となった。
・ちょっと失敗
 土地に対して、もう少し居住スペースを広くしてもよかったと感じることも。2人住まいなので満足はしています。
・これからの夢
 今後余裕があったら、ガレージにはポルシェなどのクルマを入れてみるのも悪くない
 ですね。まずはガレージでバイク、クルマの整備も楽しみたいと考えています。

◆Comment from an Architect:設計者 Nさん
クルマ好きとして建てた自邸で、いろいろな建材を導入しコストを抑えたガレージハウスです。この経験を活かしてガレージハウスを提供していきたいと考えてますので「芳太屋」までぜひご連絡ください。近県であれば対応させていただきます。

設計監理:株式会社 芳太屋 千葉県匝瑳市飯倉1933-1
Phone/0479-73-1141 nakamura@yoshitaya.com
施工:黒川工務店

『ガレージのある家 Vol.50』掲載

photo / Hiroyuki KONDO(近藤浩之) text / Jun ISHIHARA(石原 淳)

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