一層充実した二代目ハイオーナーカー
この記事の公開日は2023年10月9日。今から50年前の今日――すなわち1973年10月9日にマイナーチェンジを行った、今でも人気の高い国産旧車をご存じであろうか? 答は、C130型系・日産ローレルである。
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現在ではジャンルごとその存在がなくなってしまった”ハイオーナーカー”、その原点とも言えるのが日産ローレルだ。ブルーバードとセドリックの間を埋める新車種としてローレルがデビューしたのは、1968年のこと。この頃のセドリックは後席に乗る需要の方が未だメインであったから、オーナーカーとしてはブルーバードのその上、というのがハイオーナーカーという言葉の意味であろう。
この初代ローレルがフルモデルチェンジを行い、二代目・C130型系へと進化したのは、1972年4月。先代同様に4ドア・セダンと2ドア・ハードトップのみを設定、営業用モデルがラインナップから排除されていたのも初代と同じだ。そのボディラインは当時の日産車の流れを汲む、小型化したセドリック/グロリアとでも言うべきもの。ウェストラインがカーブを描く所謂コークボトルラインが特徴だが、さらに2ドアは、当時のアメリカ車のようにテールランプをリアバンパーに埋め込んでいたのが独特だった。
シャシー周りについては、数ヶ月遅れて登場したC110型系スカイラインと基本コンポーネンツを共用していたが、ホイールベースは2670mmと、スカイライン(GT系)より60mm長い。サスペンションはフロントがストラット、リアがセミトレ(2ドア)/リーフ(4ドア)。エンジンは1.8L 直4のG18、2L 直4のG20、そして2L 直6のL20を用意。トップグレードのSGXにはツインキャブ仕様のL20が搭載されていた。
C130はデビュー1年半後の1973年10月9日に最初のマイナーチェンジを実施、以後排ガス規制関連の変更なども行われたが、内外装のデザインはこの後もさほどの変化はなかったので、ここから後期型に移行したと言っても間違いではないだろう。
初の3ナンバー車設定、内外装のリファインに装備の充実化と、全てをアップグレード
このマイチェンでの大きなポイントはまず、3ナンバー仕様として2.6L車が追加されたことである。これは先にセドリック/グロリアに採用されたL26(最高出力140ps)を搭載したもので、セダンとハードトップ双方に設定された(グレードはSGLのみ)。スカイラインとほぼ同じサイズのボディに強力な2.6Lの組み合わせはなかなかのもので、当時の自動車雑誌でも評価は高かったようだ。なお、この2.6Lはのちに2.8Lへと排気量を拡大している。
スタイリングの変更という点では、ハードトップよりセダンの方が変化が大きい。フロントグリルはそれまでの大人しい表情のものから、精悍な顔つきに変更。ヘッドライトには2灯ずつを一体化したベゼルを装着、その睨みの利いた目つきから、誰呼ぶとなく「ゴジラ」の愛称が広まった。リア周りは、ガーニッシュと一体化していたテールランプを分離し、彫りの深い形状に。一方、ハードトップのフェイスリフトは微妙なもので、フロントはヘッドライトに筒状のライトベゼルが付き、テールレンズには横線状のモールドが入れられた。
グレード構成も充実化が図られ、それまでセダンのみに存在していた2000SGLがハードトップにも、同様にハードトップのみに存在していた2000SGXがセダンにも設定された。また、従来の1.8L車はデラックスとカスタムの2グレードであったが、カスタムをベースにさらに装備を充実させたGLを新設。
この他、1800デラックスにも前輪ディスクブレーキを採用(全車前輪ディスクに)、上級グレードにELR付シートベルトを装着、6気筒車にリモコン式フェンダーミラーを標準装備、ダッシュボードやコンソールボックスのデザイン変更、上級グレードのステアリングホイール形状を一新など、装備の充実やアップデートが行われている。
車両本体の店頭渡し価格は、セダン2600SGL(3速AT)で123.5万円、ハードトップ2600SGL(5速MT)で123.7万円、セダン1800GL(4速MT)で87.6万円、セダン1800デラックス(3速コラムMT)で76.1万円であった(いずれも東京地域での価格)。