毎年のように変更が行なわれたGTO
三菱GTOと、そのタミヤ製プラモデルをベースとした後期型への改造作例については、前編の記事(下の「関連記事」参照)にてすでに大まかなところを紹介した。ここでは、GTOのデビュー後の変遷などについて述べていこう。
【画像32枚】塗装から各部ディテール仕上げまで、その工程を見る!
まず、登場から1年少々のちの1992年1月には小変更を行い、ホイールサイズを16インチから17インチへとアップ、その他装備の充実化が図られている。同年6月には、本革シートやグラストップを標準装備する特別仕様車として、スペシャルパッケージを設定。元々GTOにはノンターボとツインターボの2種があるだけで、それ以外のグレード構成というものは特になかったのだが、このスペシャルパッケージは両者に設定された。
1993年8月にはマイナーチェンジを行いボディ前後のデザインを変更、中期型へと移行した。フロントはリトラクタブルライトを廃し固定式の4灯ライト(プロジェクターランプ)に改め、リアはボディカラーのガーニッシュを設けるとともにテールレンズのデザインも微妙に変化するなどしている。同時に、ツインターボ用の5速MTを6速(ゲトラグ製)へとアップグレード。
この1年後の1994年8月、ツインターボに新グレードとしてツインターボMRが加わった。このMRはスポーツ性を重視し、各種装備を省いて軽量化を図ったもので、4WSやオートクルーズ、ABSなどが省略されている。さらに1年後の1995年8月には、ノンターボモデルをベースグレードのSRという扱いに変え、装備の見直しも行った。
そして1996年8月には再びマイナーチェンジを行い、フロントバンパーやリアスポイラーのデザインを変更して後期型となった。リアスポイラーは、そもそものデザイン案であったボディとのインテグレーテッド型(風)に改められている。また、ツインターボのホイールは18インチへとさらに拡大された。
翌年8月には主に安全装備の充実を図った小変更が行なわれ、そして1998年8月には最後のマイナーチェンジで最終型となる。このときの変更では、フロントのターンシグナルがヘッドライトと一体化され、さらにフロントバンパーも中央の開口部を拡大した新形状へと進化。リアスポイラーも巨大なものへと変更されている。この後は目立った変更はないまま2001年まで販売されたのであった。
ベースキットは今も現役だが、時代を感じるポイントも!
さて、作例は後期型への改造であるが、前編でもお伝えした通り、本来変更すべきリアウィングがそのままとなっているため、中期型との折衷版ということになる。もし作例を参考に同様の改造をしようという方がいるなら、この部分の統一を図って、正確に中期型/後期型のどちらかとするとより良い作品となるだろう。
タミヤ製キットのパーツ構成は、部品点数は割りと少なめ、同社らしいカッチリとしたモールドで、バリやパーティングラインの処理に時間を取られるようなことはない。細かい配慮が行き届いた好キットであると言えるだろう。ただ一点、ウィンドウパーツ内側用のマスキングシートは付属しないので、塗り分けは少々面倒だ。この頃のキットにはまだそうした工夫は行われていなかった訳で、こんなところにも時代の流れは感じられるようである。