3Lロイヤルサルーンと完全に同じではない室内
フジミの1/24プラモデル、130系クラウン2000ロイヤルサルーンを作っていこうという連載であるが、5回目となる今回はシャシー/エンジン/インテリアの塗装と組み立てである。
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室内については今回初めて細部をお見せしていくこととなるので、この本文でも、インテリアについて若干詳しいことを述べていこう。実用車としての側面もあったクラウンだが、デラックスやスタンダードといった廉価グレードはセダンにのみラインナップされており、ハードトップはいくらかパーソナル志向の高級サルーンという性格付けが、全グレードで共通してなされていた。
そうした面を何よりも表しているのがダッシュボードで、センター部分の操作パネルも取り込んだメータークラスターを持つ、若干スポーティなダッシュは、ハードトップ専用のものとして全グレードで採用。ただし、コラムシフトを選んだ場合は「フォーマルインパネ」という名の、セダンと共通のダッシュボードが装着される。こちらはダッシュの左右を直線的につなげた、いくらかビジネスライクな形状のものであった。
このフォーマルインパネには「Bタイプ」と「Cタイプ」があるが、その違いはちょっと分かりにくい。中央の空調・オーディオ操作パネル部分がいくらか大きく、張り出しも強いのがCタイプで、控えめなのがBタイプである。ハードトップでは3LのロイヤルサルーンGとロイヤルサルーン、2Lのロイヤルサルーンおよびスーパーサルーンエクストラでコラムシフトを選ぶことができたが、その場合主に装着されるのはCタイプで、スーパーサルーンエクストラのみがBタイプである。無論これは、装備の軽重に左右される部分であろう。
コラムシフトの場合はシートもセパレートではなくラウンジシートとなる。これは一見3人掛けのように見えるが、中央部分はアームレストになっており、乗車定員も5名のままである(セダンに設定のあったセミセパレートシートおよびスプリットシート、つまりベンチシートでは6名)。セミセパレートシートと比べると、ラウンジシートは左右が繋がっているもののドライバーシートの優先度が高く(座面が左側より長い)、中央のアームレストが2分割(ドライバー用とパッセンジャー用)になるのが特徴だ。
セパレートシートも、その形状はグレードによって微妙に異なる。ロイヤルサルーンGおよびロイヤルサルーンでは共通のものとなるが、その下の3グレード、すなわちスーパーサルーンエクストラ、スーパーセレクト、スーパーエディションではそれぞれ専用のシートが装着される。ヘッドレストは全グレードで前後上下調整式だが、形状はスーパーサルーンエクストラ以上とその下とで異なるものとなっていた。
リアシートのおもてなし具合いに見られる違いとは?
以上見てきたように、2Lのロイヤルサルーンは3Lとインテリアの差別化が少ないように思われるが、これはあくまでダッシュボードおよび前席のみのことで、後席ははっきりと異なる扱いとなっている。3LのロイヤルサルーンGおよびロイヤルサルーンでは40/60分割型、2L車では一体型が標準となる。これは何かと言えば、3L車では前後スライドが左右独立して可能なパワーシートが標準装備されるということだ。装備としては大きな違いだが、模型の場合あまり関係のないところではある。
2Lのロイヤルサルーンでもこのパワーシートはオプションで装着可能であったが、これはスーパーチャージャー車だけの扱いであった。ただし、2Lのロイヤルサルーンでは手動によるスライドが可能な一体型シートが標準装備、その下のグレードではスライド自体が省略。さらに細かく言うと、スーパーサルーンエクストラには「E-Ⅱパッケージ」と呼ばれるパッケージオプション(主に内装生地を豪華にしたもの)があり、これを注文した場合には後席が2L ロイヤルサルーンと同じ手動スライドシートとなった。
後席シートについてさらに細かく見ると、まずヘッドレストに違いがあり、ロイヤルサルーン以上では前後上下の調整が可能、スーパーサルーンエクストラとスーパーセレクトでは上下のみ、スーパーエディションではシート一体型となる。センターアームレストは全グレードで標準装備だが、2Lロイヤルサルーン以上ではコンソールボックス付きという差異があった。ただし、前述のE-Ⅱパッケージにはコンソールボックス付きアームレストが含まれている。
以上、今回の解説はデビュー当初の設定について述べたものなので、その点はお含み置きいただきたい。さて次回は、いよいよボディ周りの仕上げと全体の組み立てとなる。お楽しみに。