機構や装備面で細かい違いのある5ナンバー車
フジミの1/24プラモデル、130系クラウン2000ロイヤルサルーンを作っていこうという連載、今回で3回目となる。今回はいよいよ、1G-GZE型エンジンを搭載するための工作のご紹介だ。
【画像34枚】エンジンルームのパーツを分解・再構築して移植する手際を見る!
フジミのクラウンと言えば、この先代にあたるS120型系はハイメカシリーズでもキット化されており、そちらではエンジン付きとなっていたのだが、S130ではそうしたキットは存在しない。ではどうするかというと、アオシマのGX81マークⅡからの移植、というのが現在では最良の手段と言えるだろう。アオシマのエンジンは上げ底ではあるものの、必要充分な再現はなされており、また上げ底である点もモデラーの腕次第で加工は可能である。
1G-GZEは前回も述べた通りスーパーチャージャー付きツインカム・エンジンであり、当初は2Lの最高グレードであるロイヤルサルーンのみに搭載されたユニットであった(ただのツインカムである1G-GE搭載のロイヤルサルーンもあり)。ではこのエンジン以外、ロイヤルサルーンにはどんな特徴があるのかを、今回は見ていこう。
ハードトップの5ナンバー・モデルは上からロイヤルサルーン、スーパーサルーンエクストラ、スーパーセレクト、スーパーエディションの順で4つのグレードがあり、さらにスーパーサルーンエクストラ以下にはディーゼル車も設定されていた。つまり、ロイヤルサルーンのみディーゼル車が存在しないのも特徴と言えるだろう。また、ガソリンエンジンにおいてはツインカム(1G-GZEおよび1G-GE)搭載車はロイヤルサルーンのみで、スーパーサルーンエクストラ以下はSOHCの1G-E搭載となるのもポイントである。
リアサスペンションはセミトレーリングアームとトレーリングリンク(リジッド)の2種類があったが、セミトレはロイヤルサルーン専用ではない。ディーゼル車全モデルおよびガソリン車のスーパーエディションがリジッドで、これ以外のグレードはセミトレであった。フロントサスペンションは全車ストラットだ。ブレーキはシリーズの多くが前後ともベンチレーテッドディスクであったが、ディーゼル車のスーパーセレクト以下およびガソリン車のスーパーエディションはリアがドラム(リーディングトレーディング)となっていた。
しかし、やはり最大のポイントはエンジン
足周りでは、ロイヤルサルーンのみアルミホイールが標準装備となるのも特徴である。このホイールは14インチで、3Lモデルの15インチとは差が付けられており、デザインも異なっていた。スーパーサルーンエクストラ以下はスチールホイール+ホイールキャップが標準であるが、グレードごとに全てデザインが違うという、手の込んだ仕立てがなされている。
もっとも、スーパーサルーンエクストラとスーパーセレクトのホイールキャップ(BタイプとCタイプ)は、かなり形状が似ていて紛らわしい。なお、スーパーエディション用のキャップはDタイプと称される。また、スーパーサルーンエクストラ以下のグレードでも、ロイヤルサルーンと同じアルミホイールはオプションで装着可能だった。
……という訳で、スーパーチャージャー付エンジンである1G-GZEは、ロイヤルサルーンの特徴としてかなり大きな要素であるが(繰り返しだが1G-GE搭載車もあった)、その重要なエンジンをどのように再現していったかは、工作中の写真およびそのキャプションをじっくりとご参照いただきたい。次回はいよいよボディ塗装へと入っていく予定である。
※以上、グレードと搭載エンジンや装備の関係についてはデビュー当初のラインナップに基づいた記述であり、のちにはスーパーセレクトにスーパーチャージャー車を追加するなど、様々な変更が行なわれているのでご注意。