【写真7枚】360°、どこから観てもうっとりな彩色の「スカイライン」
ミニカーの価格を左右する要素のひとつに「彩色(さいしき)」がある。彩色には、大きく分けてふたつの方法がある。塗料の吹き付けと印刷である。塗料は筆塗りも考えられるが、仕上がりにバラつきが出るため、トミカリミテッド ヴィンテージ(TLV)の製造過程では行なわない。
ミニカーの塗装で一番リーズナブルなのは、ボディを塗って終わりというタイプである。昨今ではTLVの母体であるトミカであっても、ボディ色に加えて灯火類や車名エンブレムなどは印刷されている。1980年代前半のトミカであれば、それらの印刷の無いシンプルなものも存在していた。
また、たとえばヘッドライトなども、ボディに一体成型された当該箇所に銀色の印刷でそれらしく見せるほか、実車のように透明部品に置き換えて表現する場合もある。いずれにしても彩色と別部品化で確実に製造コストはアップする。TLVの場合はクリア部品に置き換えた上に、その奥にある実車でいう反射板の部分をシルバーで塗装しているので、もっともコストのかかる表現方法を採っていることがわかる。
今回の『トミカリミテッド ヴインテージ スカイラインのすべて』の付録となった「スカイライン RS」の場合は、ボディ色の赤を塗ったのち、グレーないしは黒に車体の下半分を塗装し、前後ライトの反射板部分をシルバーで塗装、さらにその中間部分に入るモール、窓枠、エンブレム、ウィンカーなどをすべて別版のパッド印刷で彩色していく、という製造工程を経ている。内装もプラスチック製部品の成型色ではなく、吹き付け塗装で塗り分けられている。
そのいずれもが機械仕掛けではなく、人間の手で一個一個作業されていくと考えれば、非常に製造コストがかかっていることがおわかりいただけるのではないだろうか。
◆『トミカリミテッド ヴィンテージ スカイラインのすべて』書誌情報
定 価:5,280円(税込)
発売日:2023年7月28日(金)
出版社:カルチュア・エンタテインメント株式会社 ネコ・パブリッシング事業部
予約開始日:2023年6月26日(月)
仕 様:オールカラー80ページ A5サイズ
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