新型カングーで“映え“を競う
以前ルノー主催でルーテシアE-TECHハイブリッドを用いてメディア対抗の燃費チャレンジが行われたが(その時の模様はコチラから)、今回再び面白い企画がルノーから持ち込まれた。
その名も「ルノー映え活選手権」。今年3月より発売を開始している3代目のカングーを用いて、ロングランをしつつ、旅先での”映え”写真を撮るというものだ。撮影された写真はルノージャポンの公式インスタグラムにて公開され、公開から24時間で一番「いいね」を獲得した媒体が優勝という塩梅。前回の燃費チャレンジで惜しくも優勝を逃した筆者にとって、今回の映え活選手権は絶好のリベンジマッチ。参加を即決したのだった。
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“映え”に必須の天気が……
今回の案内を受け取った時点で、実は筆者の脳内で撮りたい”映え写真”のビジョンはある程度浮かんでいた。しかしながら、その写真を撮影するために、ある必須の条件があった。
「天気」である。このチャレンジが行われたのは今年の6月末から7月中旬にかけて、そう、梅雨真っ盛りなのだ。筆者が考える”映え”写真に快晴は必須。クルマの貸し出しは各メディア2泊3日の期限付きで行われたが、去年のような異常に早い梅雨明けを期待して期間終了ギリギリを狙い、貸し出し当日の晴れている場所に直行しようとプランを立てていたが……。
ものの見事に日本全国「雨」である……(汗)
本州における貸し出し2日前時点での天気予報は全滅。当初の計画を諦め、撮影プランの全面見直しを考え始めていたその時、天気図を見てあることに気が付いた。
北海道なら晴れているのでは……?
一部ではあるが札幌周辺から旭川のあたりであれば確かに晴れている。ただその周辺には雲があり、このあと1~2日で予報がひっくり返る可能性も捨てきれない。でも一握りでも晴れる可能性があるなら行くしかない、”映え”写真のために……!
かくして北海道行きが決定したのであった。
往復2000kmの強行スケジュール
本州から北海道に自走で行く手段はいくつかあるが、2泊3日という期間を考えると青森県の八戸港からカーフェリーに乗り、苫小牧から北海道に上陸するパターンがベストと判断。本数が1日4本と多く、乗船時間も8時間弱と船内で睡眠をとるのにちょうどいい時間だからだ。
チャレンジ当日、横浜のルノー本社から新型カングーを引き取り、荷物を積みに自宅を経由した後、早速本州を北に向けて走り始める。東京から八戸までは、GoogleMapの算出でノンストップで約8時間。スタートしたのが午前10時ころだったので、トラブルがなければ当日22時八戸発のフェリーに乗れるはずだ。
道中のほとんどは高速道路になるわけだが、新型カングーは先進装備が先代より大きく進化しているので、ロングランはかなりやりやすくなっている。一番大きな点はACCの装備だろう。
一定速度での走行はもちろん、先行車への追従や、レーンセンタリングなど、商用車ベースでありながら、ルーテシアやキャプチャーといったルノーの乗用車たちと変わらない水準の装備を得ている。
今回のロングランはかなりの強行スケジュールとなったが、高速道路上ではほとんどこのACCを使用していたので、相当な疲労軽減に役立っていた。
途中大きな渋滞もなく、20時には八戸港フェリーターミナルに到着。ここで再度天気予報を確認したが、なんとか札幌周辺は晴れそうな予報。意気揚々とフェリーに乗り込み、定刻通り22時に北海道に向けて出港したのであった。
北海道に上陸
翌6時ごろ、フェリーは無事苫小牧港に到着。東京出発から20時間余りで北海道にたどり着いてしまった。上陸時点での苫小牧は曇り空だったが、ここまでは計算通り。予報通りなら晴れているであろう札幌周辺を目指す。筆者が撮影したい”映え写真”は夜間の撮影になるので、陽が出ているうちに下見もしておきたい。休みもほどほどに北上を続けていくと……
見事な晴天! 本当に雲ひとつない青空! これだけでも北海道まで来た甲斐があるというもの。
本来ならこの嶺泊駐車場公園ことカシオペアの丘が、当初の目的地だったものの、周辺の条件が筆者の求めるものに一致しなかったので、もうひとつの候補地へ移動することに。
北海道に上陸してからは基本的に下道移動で、ACCを使わず自分で運転することがほとんどだったが、そこで新型カングーの素性の良さが改めて浮き彫りになってくる。
今回貸し出されたのは「クレアティフ」というグレードだったが、1.5Lディーゼルターボと7速DCTのとの組み合わせた走りは非常にスムーズ。先代よりボディが大きくなったことでコーナリングでの安定感も増しおり、ミニバン特有の腰高感は感じられない。ルノー特有の粘りのある足回りは、ちょっとした峠道ならスイスイと切り抜けていき、とても楽しい。
正直ルノーで走りを楽しむならメガーヌRSやルーテシアのようなクルマでないと、と思っていた筆者の固定概念はまるっとひっくり返されてしまった。やはり商用車であってもルノーはルノーなのだ。
そうこうしているうちに、ニセコのとあるスポットへ到着。周辺の環境もベストだったので、ここで”映え”撮影を行うことに。
どんな写真が撮れたかは、ルノージャポン公式インスタグラムでの公開を楽しみにしてほしい。ひとまず言えることは、あの時の考えうる中で最高の1枚が撮れたと思う。
ちなみにこの撮影の後は、多少の北海道観光を挟みつつも、2泊3日の制限があるので苫小牧港へ逆戻り。再びフェリーで八戸まで渡り、東京へとひた走る。東京に戻ってきた際のトリップメーターの数字は2000kmを超えていたが、ACCをはじめとする安全装備が進化した新型カングーのおかげで無理なく完走することができた。
……とはいうものの、ここまで弾丸で北海道に行く羽目になるのは、後にも先にもこれきりであってほしいと願う筆者であった。
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