インテリアの再現性を(やれる範囲で)向上!アオシマ製「一番星 御意見無用」を作る!第3回【CARSMEET モデルカー倶楽部】

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映画を観ても分からない部分は多いが…

アオシマの『トラック野郎』シリーズから、映画1作目『トラック野郎 御意見無用』の一番星号を作っていこうという企画、第3回目である。

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デコトラのプラモを作るにあたって、エクステリア同様に気が抜けないのがインテリアであろう。ドライバーの仕事場であるだけでなく寛ぎのスペースでもあり、思い思いに趣向を凝らしているのだから当然である。映画の一番星号は、主人公の桃次郎(菅原文太)にとっては住まいでもある(おそらく)ため、尚更だ。作中では桃次郎が車内で晩酌を楽しむシーンもあり、その気ままな暮らしぶりに憧れを抱いた観客も少なくないのではないだろうか。

……という訳で、キットでもかなりの凝った再現がなされており、天井などに張られた布地がデカールで再現されるほか、ダッシュボード上の小型テレビや目覚まし時計などの小物パーツも付き、バックパネル内側にはスピーカーや額縁(絵)、仏壇などもデカールで表現されている。とは言え、完全再現とまでは行かないのも仕方のないところ。そこで作例では若干の追加工作を行ってみた。

キットでは運転席以外のシートを取り付けることにはなっていない。映画では、マドンナの洋子(中島ゆたか)を乗せて爆走するシーンが終盤にあるので、左側にもシートがあるように錯覚してしまうのだが、これはつまりシートを取っ払ってカーペットを敷いてあるその上に、直接座っていたということであろう。荒れ地を駆け抜けた後、桃次郎が「大丈夫か?」と気遣っているのも、当然なのである。フロアのパーツにはシートの取り付けガイドがあるので、これはきちんと削除しておこう。

映画を細かく見ると分かるのは、キャビン内にはもう少し色んなものが詰め込まれているということである。ベッドスペースには毛布や枕(金属パイプの支えがついているもの)があり、小引き出しのような小箱も置かれ(小さな仏壇はこの上に鎮座しているのかもしれない)、小型の冷蔵庫などもあるようなのだが、それぞれがどのようなものなのか、映画を見るだけでは隅々までハッキリとは分からない。また、全部がキャビン内に収まっているわけではなく、シーンによって適当に置かれているものと思わないと、納得がいかないのも確かである。特に、小型冷蔵庫は常に車内にあると考えてしまうと、他のシーンと辻褄が合わないような気がするのだが……。

カーテンは自作して模様を描き込んでみたが……
ということで、キットにないものを追加するのはやめにしておいて(毛布などは後でやるかもしれないが)、あるものの再現度を向上させることとした。まず、一番星のベース車となっているのは、スタンダードなT951ではなく、その豪華版として設定されていた「カスタム」である。キットでも、カスタム専用のメータークラスターのパーツを追加することでその点に対応しているのだが、それだけでは充分ではない。ドア内張りが異なるので(パワーウィンドウが装備されているためであろう)、モールドを削ったり埋めたりして対処した。

カーテンはデカールを台紙ごと切り出して取り付けるようになっているのだが、これはやはり再現性という意味ではいまひとつなので、プラペーパーで自作してみた。実物のカーテンは金色にキラキラ光る布であるためか、重そうなゴワゴワとした質感が見て取れるのだが、プラペーパーはその表現にうってつけであった。クラッシュした鉄板の表現などにも使ったことがあり、プラペーパーは好きな素材である。もっと柔らかくフワフワした感じのカーテンなら、実際の布などを使った方が良いだろう。

そのカーテンはただ金色であるというだけでなく、和柄唐草というのか、模様(文様)があしらわれている。デカールにはこれがプリントされているので、それを使った方が賢いのではあるが、色が金色ではないし、同じ布が張られたドア内張りはモールドを削除してしまったので、その分の空白を埋める必要もある。そのため筆で唐草を描き込んでみたのだが、仕上がりはいまひとつとなった。唐草の軽やかなカーブを筆で描くのはなかなか難しい。

こういう部分は、やれる人ならデカールを自作してしまうことであろう。筆描きを行ったのは、それにコダワリがあるからとかではなく、単にデカールの自作ができないからである。もし同じことをやろうとする方がいるなら、一定のパターンが反復して配置されているように描いた方がそれらしくなる、ということをアドバイスしておきたい。つまり、作例はその点も失敗した(笑)。

もっとも、室内は完成してしまうとよく見えなくなりそうだ。ガラスが付くのはもちろんだが、フロントには大きなバイザーが付くので、大方その陰に隠れてしまう。サイドウィンドウもベッド横はメッキシールで隠れるので、見える範囲はかなり小さい。好都合ではあるがすこし寂しくもあるので、ドア窓部分を開けた状態とするべく、ガラスのパーツは一部を切り取っておいた。完成したときにこれがうまく効果を発揮するかはまだ分からない。

作例制作・写真・文章:秦 正史 Ⓒ東映

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