大きく開くボンネットとその裏側の隔壁はEタイプの特徴のひとつ
旧グンゼ製ハイテックモデルのジャガーEタイプを作っていく連載、第7回目であるが、前回はフロントフレーム前面にサブフレームを追加した。今回はその仕上げとボンネットヒンジの取り付けへと進むことにしたい。
【画像21枚】躊躇や逡巡が垣間見える工作の様子を確認する!
さて、前回も書いたように、普段の筆者は模型作りにおいて可動ギミックというものをさほど重視していない。もちろん、フル開閉などに挑みそれを成功させているモデラーの方々には、いつも「スゴい!」という気持ちを素直に抱いているので、妙な意味に受け取らないでいただきたいのだが、自分としてはそこに重きを置かないということである。特に開いたり動いたりということに興味を抱かないし、それによる弊害を避けたいという気持ちもある。
弊害とはたとえば、開閉可能な部分のみ妙にチリがユルくなってそこだけパネルラインが広くなってしまうとか、あるいは可動を繰り返すことで断面部の塗装が剥げてしまうとか、そもそもボディラインが乱れてしまうとか、そういったことだ。そうした弊害を見事に排除してフル開閉化を成功させている方もいらっしゃるので、技術的には不可避ではないのだろうが……。
前回の終わりは、フロントのサブフレーム上側チューブの角度を決めるため、その基部を貫通させる形で取り付け孔を開けたところであった。下側メタルパーツとの接続部は瞬着で固定したが、上側はまだ通してあるだけだ。
とは言え……これも前回書いたことだが、ジャガーEタイプのボンネットはやはり可動式であった方がいいように思っている。「なぜ?」と言われると、自分でもよく分からないのであるが……。Eタイプのボンネットは裏側に隔壁(インナーパネルやインナーバランスと言うようだ)があり、模型となったときにはその再現も見所となるからであろう。車体の横に取り外したボンネットをひっくり返して置く状態では、どうにもパッとしない感じがする。
今の段階で開閉機構を作らなくてはいけないが、取り付け完了になってもいけない
ではそこでキットのボンネット開閉システムはどうなっているかと言うと、前回の画像キャプションでも説明したが、はなはだアバウトである。サブフレーム先端に横に渡したメタルロッドが回転軸となるように、ホワイトメタルのパーツを押さえとして取り付けて、これをヒンジとしてボンネットを開閉することとなっている。塗装して仕上げた後のボンネットに、メタルパーツを外れないように(しかも回転軸のメタルロッドは固定しないよう気を付けつつ)接着できるのか、非常に疑問だ。またこのヒンジ押さえのパーツも非常にオモチャっぽい形をしている。実車にはもちろんこんな部品はない。
……というわけで、どうアレンジすれば実車のような開閉機構が実現できるのか、しかも今の段階で開閉ギミックを確認しつつ、ボンネットはボンネット単体で元に戻せるようにできるか(もちろん工作や塗装のためである。この時点で取り付け完了になってしまってはいけない)自分なりに脳みそを絞って考え続けてきたのであった。いっそのこと着脱ということに戻してしまおうかとも思ったのだが、サブフレーム部の太さや形のゴツさについて「開閉にすればここはよく見えなくなるからな」とスルーしてしまっていただけに、今さら路線変更もできない。そこで何とか開閉ということにこぎつけ……この説明は次回に続くことになりそうである。