風薫る南欧のリゾートライフ。ガレージもヴィンテージロマンで。【ガレージライフ】

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フランスのトラディショナルをベースとしたガレージ付きのアンティークな家。時間とともに美しくなる家づくりをテーマに建てられた、ヨーロッパテイストのガレージハウス。

栃木県に本社を置く「レジェンダリーホーム」。時間とともに美しくなる家づくりをテーマに掲げ、個性的な家を建てることで名前を知っている方も多いだろう。10年後、20年後を見据えてどのようなライフスタイルを送るかを考えてプランニング、家づくりを提案している。ヨーロッパのアンティークな家への造詣も深く、フランスをはじめスペインなどで数多くの家を見た経験が生かされた、日本国内でも味わい深い家づくりを行なっている。時間とともにより資産価値を高める家づくりである。

今回、取材をさせていただいたKさんも「レジェンダリーホーム」の考えに共感したクルマ好きご夫妻である。2年ほど前に100坪の土地を所有していたKさんご夫妻は、妹さんの紹介でレジェンダリーホームを知った。厳密にいえば、妹さんたちが将来、家を建てたいと考えていたそうで、その付き添いで事務所に訪れたのがきっかけだったとか。

「レジェンダリーホーム」の代表・加藤さんの家に対する考え方と、クルマ好きなところで意見が一致。同じヨーロッパのヴィンテージカーの話や、イギリスの話、そして音楽の話など家づくりだけでなく、趣味に至るまで話が合った。

【写真16枚】出会いによって手に入れた趣味のクルマたち 

いつしかKさんと加藤さんは打ちあわせをする度に友達のような付き合い方になり、Kさんの家への考え方も変わっていく。いつしか家づくりは“フランスの豊かな暮らし”に憧れを持つようになり、フランスのトラディショナルなスタイルをベースにした家づくりへとシフトしていった。

そこで、施主のKさんご夫妻をはじめ数人で2008年の暮れに南フランスに行き、実際にどのような家が、どのような部材を使って、どのような経年変化をしているかを1週間かけて見に行ったという。Kさんご夫妻にとって、もちろんはじめてのフランス旅行であるが「レジェンダリーホーム」加藤さんの解説付きとあって非常に楽しいものとなった。

フランスで有名な観光地・凱旋門をはじめ、ノートルダム大聖堂やエッフェル塔、ルーブル美術館といった歴史的な有名なところから、ガイドブックには掲載されていない穴場まで、家づくりがテーマの旅行はK夫妻にとっては有意義な家の細かなディテールを決める参考になった旅行だという。

アンティーク仕上げとは異なるテーマで上品に表現
Kさんたちが建てる家のテーマは、旅先で見た南フランスの田舎・エズの家のようなイメージに固まった。フランス・エズの街で見てきた家は、しっくいの塗り壁と木を使った家が多く、石の柱と上手にコラボレーションしたもので、建てられて何年も経っているにも古さをまったく感じさせない家が印象的だった。

K邸は素材の違う白をグラマラスに施工してカラーリングを楽しめるようにした。オーシャンストーンをイメージして木造2階建てをベースに、玄関のまわりは南フランスの街路地をイメージ。ビルトインガレージは大きなオーバーヘッドドアを付け、リビングからガラス越しにクルマを眺めることができる設計。2010年、興味深いクルマを手に入れた。

2月に長女が誕生し、クルマを買い換えようと考えていたところ情報が。1962年式ポルシェ356のナンバーズマッチ・オリジナル車を譲るオーナーがいると情報があった。ナローポルシェから、いつかは買い替えを考えていたことを考えると、コンディションのいいクルマに出会えないと購入を決めた。じつはこの方、昨年のツーリングレースに出場したときに知り合った方、K氏はここでも出会いに感謝しながらもガレージのコレクションが増えたことを素直に喜んでいる。

家やインテリア、雑貨を通じて“豊かな暮らし”を提案する「レジェンダリーホーム」は、趣味人が集まる建築事務所。Kさんも、加藤さんと出会ってモノの見方が変わったという。その証拠にガレージに納めるクルマが最新のエンジンが搭載されたクルマから、ちょっと手間はかかるがメンテナンスをしながら乗るクルマに変更している。これはKさんの考え方の変化の証といえるかもしれない。

◆Planning Data
 所在地:群馬県
 施 主:Kさん
 家 族:夫婦、長女
 構 造:木造2階建て
 愛 車:1962年式 ポルシェ356 スーパー90
     2008年式 プジョー207
     1962年式 フィアット500 ほか

◆Owner’s Check
・自分の家ここがお気に入り
 リビングから大きなウィンドウによって眺めることができるアンティークのようなガレージ。もちろん、どの部屋も味があり、よかったと考えてます。
・ちょっと失敗
 特にありません。
・これからの夢
 クラシックカーで各地のツーリングのイベントに出たいですね。その前に子育てをきちんとしてからですが。
・読者へアドバイス
 ひとつの出会いにより、ライフスタイルが変わりました。どんどん、アンティークのものに興味が出て、見るものに変化があるなど出会いは大切です。

◆Comment from a Builder:レジェンダリーホーム 加藤伯欧さん
レジェンダリーホームの家は「ゆっくりとアンティークになる家をつくる」というコンセプトのもと、年月を重ねれば重ねるほどに、珠玉の味わいを増すような家を作っている。それはまるでヨーロッパの、古くても美しい街並みのなかにあるような、無垢の素材を一つ一つ選び、手間を掛けて丁寧につくることに重点を置きながら作り出す。 施主と打ちあわせも何度も行い、要望に応える注文住宅を提案するのが「レジェンダリーホーム」だ。
レジェンダリーホーム 栃木県足利市稲岡町830
phone/0284-90-2188  http://www.legendary-home.com 

『ガレージのある家 Vol.20』掲載

text /Jun ISHIHARA(石原 淳)

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