レースは3度目の赤旗でそのまま終了と後味の悪い結末に……
待ちに待った2023のスーパーGT開幕戦『OKAYAMA GT 300km RACE』が、4月15日~16日に岡山国際サーキットで行われた。決勝日は朝から晴天でであったが、レース開始直前には暗雲が立ち込めるなど微妙な天候。そんな中、13時30分に岡山県警先導によるパレードラップが3台のパトロールカー先導で行われ、その後のフォーメーションラップを経て、82周による戦いの火ぶたが切って落とされた。
注目のスタートでは、ポールポジションの#65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)の篠原がトップで1コーナーに進入。それに2番グリッドの#2 muta Racing GR86 GT(堤優威/平良響)、3番グリッドの#7 Studie BMW M4(荒聖治/ブルーノ・スペングラー)が続く展開となる。しかし11周目を過ぎるころに、雨が降りはじめてしまう。
このタイミングで9番手を走っていた#31 apr LC500h GT(嵯峨宏紀/小高一斗)ピットインし、レインタイヤに交換したが、その直後に16番手付近を走っていた#6 DOBOT Audi R8 LMS(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)が1コーナーでコースアウト、バックストレートを走っていた#11 GAINER TANAX GT-R(富田竜一郎/石川京侍)もタイヤが脱落してストップ、さらにピットロード出口で#360 RUNUP RIVAUX GT-R(青木孝行/田中篤)がストップしてしまうなど、相次いだトラブルに、FCY(フルコースイエロー)が出され、セーフティカー(SC)が導入された。
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ここで各車はピットインを行いレインタイヤに交換し、順位も変動したが#9 PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG(阪口良平/リアン・ジャトン)と、#52 埼玉トヨペットGB GR Supra GT(吉田広樹/川合孝汰)、#18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)が大きくポジションアップに成功する。
22周目のリスタート後は路面が急速に乾いていき、30周を過ぎるとスリックタイヤに交換するチームも出始める。
そんな中、44周目に#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(山内英輝)がヘアピンでコースアウト。グラベルにストップしたため再びFCYが導入され、47周目にリスタートされるも6番手を争う#9と#88 JLOC ランボルギーニ GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)がコースアウトし、#9はコース上でストップ。雨脚が強まったこともありレースはまたもSCランに。さらにサーキット周辺で落雷があったことで赤旗が提示され、レースは一時中断となっってしまった。
レースは午後3時35分に再開されたが、赤旗の前にピットインしウェットタイヤを履いていたチームは少なく、53周を終えた時点で、ほぼすべてのチームがピットインしタイヤ交換を行った。そのままSCランが続き、GT500先頭の58周目で再開するかと思われたが、今度は8番手の#2の左リヤタイヤが脱落してしまい、車両回収が行われる間にふたたびコンディション悪化で2度目の赤旗が提示される。その後、午後4時20分にレースはSC先導でリスタートとなったものの、雨脚は強く午後4時25分頃に3度目となる赤旗が提示され、レースはそのまま終了となった。
これにより、優勝したのは#18 UPGARAGE NSX GT3(小林崇志/小出峻)で、小林とチームにとっては2018年の開幕戦岡山以来の2勝目になるとともに、NSX GT3での初勝利だ。さらに小出はスーパーGTのデビューレースでの優勝となった。2位は序盤からレースをリードした#65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)、3位には赤旗前のピットストップ後に大きく順位を上げた#244 HACHI-ICHI GR Supra GT(佐藤公哉/三宅淳詞)が入った。
このように、開幕戦は雨が降ったり止んだりのコンディションでコースアウトするマシンも多く、そのためSCが発動したり赤旗で中断してしまうなど、まさに天候に翻弄されてしまったレースだったが、次戦富士ラウンドは好天のでのガチンコバトルを期待したいものだ。
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