北欧生まれのスタッドレスタイヤはボルボとのマッチングも良好!「ノキアン ハッカペリッタR5 SUV」をV90CCで試す

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圧雪や氷上、ドライ&ウェット路面までトータルパフォーマンスに優れるスタッドレスタイヤ

北欧フィンランド発祥で、1934年にウィンタータイヤを世界で初めて作ったメーカーであるノキアンタイヤ。そんなノキアンタイヤから今シーズン発売された最新スタッドレスが「HAKKAPELIITTA R5 (ハッカペリッタ・アールファイブ)ファミリー」だ。

この「ハッカペリッタ R5」は、従来モデルとなる「ハッカペリッタ R3」の進化版という位置づけで。乗用車向けの「R5」、SUV向けの「R5 SUV」、「R5 EV」の3タイプがラインアップ。氷上&雪上で卓越したグリップ性能とハンドリング性能を発揮するとともに、あらゆる天候で最大限の快適性を実現しているという。今回はハッカペリッタ R5 SUVを、同じく北欧生まれのボルボV90クロスカントリー(CC)に装着し、雪道ドライブを試みた。サイズは235/50R19だ。

ハッカペリッタ R5 SUVに履き替えて、まず感じたのは乗り心地が良くなったこと。もともと装着されていたタイヤでも比較的快適であったが、ハッカペリッタ R5 SUVではドライ路面で大きめの凹凸を通過した際に、明らかにアタリが柔らかくなっている。また高速道路での安定性も良好で、しかも転がり抵抗も少ないので燃費にも貢献できそうだ。

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ちなみにモデル名の「R」は、速度記号のR(許容最高速度170km/h)が由来で、扁平率が45以下モデルでは、スタッドレスタイヤとしては異例の速度記号T(同190km/h)を実現していることから、その性能もうなずけるというもの。今回は確認できなかったが、雪上での燃費もドライ路面と遜色ないのも評判だという。

肝心の雪道では、圧雪路での絶対的なグリップ性能をはじめステアリングインフォメーションも良く、安定かつ安心して走行することができる。このあたりは、トレッドパターンに2通りのブロック配列から形成される「ダブルブロックグリップ」を採用し、大きめのブロックが配されるアウター部はコーナリング時の横方向に掛かる力に対応、斜め上方に伸びるブロックと溝の配列では排水・排雪性を高め、ハンドリングの応答性を向上させているのが効いているのだろう。

国産タイヤではスタッドレスに非対称のトレッドパターンを採用する向きもあるが、ハッカペリッタ R5では左右対称デザインながらトレッドセンターでパターンを微妙にずらすことで、ノイズを低減する工夫も凝らされているという。

一方気になる氷上性能については、やや凍結した路面で強めのブレーキングを試した際にもABSが介入することなく停止できたのも驚き。もちろんクルマの姿勢を乱すことなく減速していくので安心感も高い。以前フィンランドで従来モデルのハッカペリッタ R3を試乗したが、雪上および氷上でのグリップ性能が明らかに向上しているのをしっかりと実感することができた。

ハッカペリッタ R5では、コンパウンドにミクロの結晶がスタッド(スパイクピン)のように機能し、氷上における優れたグリップ性能を発揮する「アークティック グリップ クリスタル」を配合。タイヤが摩耗するとこの結晶が出現し、必要なグリップ力を継続的に維持してくれる機能が搭載されている効果なのであろう。

またハッカペリッタ R5 SUVには、耐久性や耐衝撃性に優れた非常に高強度なアラミド繊維をサイドウォールのコンパウンドに配合した「アラミド サイドウォール テクノロジー」を採用しており、外部からの衝撃に対する耐久力を飛躍的に向上させているという。

母国のフィンランドでは、冬季にはより氷上でのグリップ性能が高いスパイクタイヤを使用でき、欧州全体でもウインタータイヤが主流であるにも関わらず、スタッドレスタイヤもしっかり開発する姿勢は見事というほかない。今回の試乗ではAWDのボルボV90CCとの組み合わせにより、まさに雪道での最強のタッグを実感できた。

さらに特筆すべきは、ハッカペリッタ R5ファミリーには国内唯一のEV向けスタッドレスである「ハッカペリッタ R5 EV」をラインアップしている点。こちらはインナーライナーにアコースティックフォーム(スポンジ)の層を追加することで、タイヤ内に発生する共鳴音を抑え非常に低いノイズレベルを実現した「サイレントドライブテクノロジー」を搭載。静粛性の高いEVならではの性能にも配慮されているというから、EVオーナーには是非お勧めだ。

ノキアンタイヤはまだ国内でも知名度は高くないものの、今回の試乗で北欧生まれならでなの卓越した雪上&氷上性能を披露してくれた。ラインアップもファミリーの3モデル合わせて154サイズと豊富なことから、多くの車種に適応するはず。今冬はスタッドレスが活躍するシチュエーションがそろそろ終わってしまうが、来シーズンは是非購入候補に挙げて欲しいタイヤだ。

問い合わせ先=阿部商会 https://abeshokai.jp/nokian 

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