紳士のマッスルカー!60sプリマスのスポーツスピリットをプラモで知る!!レベル製「1967年型ベルベディアGTX」【モデルカーズ】

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後に弟分ロードランナーを生むスポーティモデル

プリマスは、クライスラーの擁するブランドの中では最も廉価なゾーンを受け持ってきたが、同時に、スポーツ性も大事にしてきた。プリマスが誇る、そして高い人気を集めたスポーツモデルと言えば、1968-1970年型のロードランナーが思い浮かぶが、そちらが走りに不要な装備を極力抑えることで若者にも購入しやすいモデルという方向性を狙ったのに対し、いくらか豪華さに振った兄貴分として存在したのが、プリマスGTXである。このGTXは、1967年型においてデビューしたモデルであった。

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1965年型以降のプリマスのラインナップを大まかに分類すると、コンパクトのヴァリアント、インターミディエイトのベルベディア、フルサイズのフューリーの、3系列に分かれていた。GTXはこのうち、ベルベディアのラインに1967年型から加わったハイパフォーマンス・モデルである。この年度ではベルベディアGTXと名乗ったが、モデルチェンジした翌年型からは同じくベルベディアがベースのロードランナーが加わり、それに合わせたものか、こちらのネーミングも只のGTXに変わった。

前年の1966年型までは、スポーティな最上級車種としてベルベディア・サテライトが存在したが、これはあくまでゴージャスなトップ・モデルであった(1967年型からは単に“サテライト”となっている)。これに対しベルベディアGTXは、フードスクープなどを具えたルックスから分かる通りスポーツ・イメージをも前面に押し出したもので、ポンティアックGTOの対抗車種でもある。

エンジンは440-cid(7.2L)の440スーパーコマンドウ(375hp)が標準、426-cid(7L)のストリート・ヘミ(425hp)もオプションで用意。なお、前年型のベルベディア/サテライトではすでに426 ヘミ搭載車が設定されており、この発展型がGTXであると言うこともできる。ボディサイズ等はもちろんベルベディアと共通で、ホイールベースは116インチ(2946mm)。

主な装備は、サテライトと共通のもの(バケットシートやコンソールなど)を基本に、ブラックアウトされたフロントグリル、フードスクープ(ダミー)、クロームのクイックフィラーキャップ、タコメーター、ヘビーデューティ仕様のサスペンションおよびブレーキにバッテリー、3速トークフライト・ミッションなどを具えていた。

レベル製キットは極めて出来の良いもの。細部に配慮して組み立てを!
さて、1967年型ベルベディアGTXの1/25スケール・プラモデルは、レベル製の出来の良いキットがあり、これが唯一のものとなる。初版は1994年、キットNo.7359としてリリースされたが、この頃までレベルのものは「Made in USA」で、このキットはブルーメタリックのプラで成型されている。この後、Sox & Martin仕様やカスタム・バージョンなど、いくつかのバリエーションが展開された。

ボディは全体のフォルムも良く、エンブレム等のモールドも良好だ。ヒケは無く、パーティングラインもリアピラーのところのものが目につく程度。フェンダーの峰にパーティングラインがあるので、ペーパーがけはエッジを丸めないように注意が必要だ。パネルラインはそのままでも良いが、若干彫りを深くしたほうがいいだろう。ボンネットも周りを整えるだけでOKだ。

エンジンルーム内にはボンネットヒンジの入る孔が空いているが、ここはプラ板で塞いでおいたほうが良い。フロントグリルの合いも良い方で、ボディ側にストッパーがあるから位置決めも楽だ。このグリルの下につくパーツはボディカラーなので塗装し忘れないように。エンジンは426ストリートヘミの形状をよく再現していて、特に追加すべき物は無いが、イグニッションコイルの接着シロが少ししか無く不安定なので、金属線で補強するとよいだろう。

リアガーニッシュ周りはこのキットで一番手のかかる箇所。キットではこの部分がメッキの一体パーツとなっているが、作例のように、実車ではバンパーの上にボディカラーのパネルがある。ここは一体となったパーツを塗り分ける訳だが、これが少々厄介だ。作例では、一体となったパーツをカッターで慎重に切断し、パネルの部分を1.5mmプラ板で自作、これを塗装して取り付けている。ガーニッシュ自体の横幅もボディより少し広いようだが、これの修正は難しいので手をつけていない。

インテリアはメリハリも利いて上々の出来。組み立ての注意点としては、ダッシュボードの上面に合わせ目が出てしまい見苦しいので、これを成形すること。フロントシートの合わせに若干良くないところがあるので、ここも調整が必要なこと、この二点くらいだ。シャシーはディテール表現も申し分なく、組み立ても問題なくできる。注意点としては、フロントのスタビライザー・バーが折れやすいので、扱いに配慮が必要だ。さらに、この部品を接着するときは、ステアリング・アッセンブリの前側のサポートバーを潜らせるようにしてセットしてから、接着剤を着けて固定するとよい。

ボディカラーは説明書にチャートが出ていて、インテリアとのコンビネーションが分かり便利だ。作例では、この中からコードSS1の「SOFT YELLOW」を選んでみた。クレオスのMr.カラーC44タンにGX1クールホワイト、GX4キアライエロー、GX2ウイノーブラックを混ぜている。パッケージ写真に見られるストライプは、実車カタログを参照するとオプション指定とわかったので、今回は省略している。

作例制作=周東光広/フォト=羽田 洋 modelcars vol.206より再構成のうえ転載

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