愛車はカングー、だけど早々にコンセントも設置。未来を見据えたマイホーム計画
これまでガレージハウス専門誌『ガレージのある家』で2号に渡り紹介した、佐藤邸のマイホーム計画。打ち合わせを2021年9月にスタートさせ、こだわりのポイントを設計担当者に伝えながらプランニング。電気自動車を想定したプラグの設置や、奥様と2人とも仕事ができる書斎の設置、子どもたちのスタディスペースの確保などの要望、そしてリビングへと続くバルコニーなどの要望を叶えた住まいが、2022年5月に完成し、マンションからの住み替えが実現した。
順調に工事が進み、契約から7か月後に引っ越しを終えた好例ともいえる。「4D/GROUNDWORK」の設計提案から、大きな変更がなかったことや、施主の佐藤さんが自主的に要望をまとめてメールやラインでこまめにやり取りして設備を決めていったことがスムーズに進行した要因でもある。
しかし自分たちで家具を購入したり、家電製品やブラインドを購入したりと引き渡し後もコストと時間を費やしていることが、さらに取材をしていてわかった。当初は、前のマンションから持ち込むことを考えていたものだが、やはり新築にはぴったりのもの、こだわりのアイテムを入れたいということだろう。そんな本音も交えながら、締めくくりとして引き渡し後3か月が経過した佐藤ファミリーに話を伺った。
【写真22枚】順調なプランニングとと施工でスピード引っ越しへ!
住宅を所有する喜び
2021年の『ガレージのある家 Vol.47』で家を建てることを記事にさせていただいた、四輪誌『ル・ボラン』編集部の佐藤さん。家族は佐藤夫妻と男の子が3人の5人家族。土地は佐藤さんが購入した34坪の土地に「4D/GRUNDWORK」塚本さんの建築事務所が住宅設計を担当した。施工したのは地元、神奈川県の「株式会社イシイ」だ。ビルトインガレージの夢はかなわなかったが、2台のクルマをなんとか部屋根付きのカーポートに格納できる木造2階建ての邸宅となった。
前号では、3月の下旬に家具の打ち合わせをして、これまで使用していた椅子を張り替えることになったことや、オーダーメイドでTRUCKのソファなどを導入することを紹介した。そう、いまさらではあるが住宅を建てると家具が必然と必要になってくる。さらに佐藤邸では、書斎の棚やレコードを収納するコレクションボードは造作家具をオーダーした。ダイニングセットや子ども部屋の2段ベッドは新たに購入、ソファはTRUCKで購入するなど、合計で約200万円を費やしたという。また新築に合わせて冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機なども買い替えし、家電製品だけでも約50万円の費用をかけた。
そして建築費以外でコストがかさむのがカーテンだろう。あらかじめ概算で伝えられてていたので覚悟はしていたそうだが、全部のカーテンやブラインドを妥協せずに選ぶと、意外と予算オーバーすることが判明した。佐藤邸は窓まわりをすっきり見せたかったため悩んだ挙句、「ニチベイ」製のブラインドを3タイプオーダー。窓のサイズに合わせてボックス内に綺麗に収まるよう、引き渡し前の4月にブラインドの打ち合わせをして、窓のサイズに合わせてた9枚のブラインドをオーダーして竣工後に取り付けている。コストはおよそ取り付け込みで35万円だった。建物の引き渡し後に、インテリアのコストがかかることも念頭に入れておくことが重要である。
さて、これらを経て2022年5月に引っ越しをした佐藤邸。家具などを2階のリビングに搬入するときには、階段の幅と家具のサイズを事前に検証する必要があることや、家電の重量も下調べが必要だと痛感したという。特に冷蔵庫などの重量物などの場合は、2階に搬入を依頼すると料金が加算される場合もあるとか。ピアノの搬入も専門の業者がいると聞くので、コストが別料金になる。普段原稿では書けない裏側ということになる。
また当初は前の住まいの家電をそのままとも考えていたが、新築後にはエアコン、冷蔵庫、洗濯機など新品にしたくなるのが通例だ。今回の佐藤邸でも冷蔵庫、そして子どもたちのために大型TVなども購入を考えている。これも、当初予定していなくても起こりがちなのでまずは予算を確保しておきたい。そして外構やガーデンスペースも同様である。家の外構は完成していなくても住めるし、ホームセンターが安いので、引き渡し後の工事になることも多い。ガーデンスペースの樹木なども同様に予算を確保してきたいところである。
施主の佐藤さんは、ネコ・パブリッシングが月刊誌として発売している自動車専門誌の編集部員なので、広報車などを借りることも想定し、自宅にはマイカーを駐車するスペース1台と、さらにあと1台止められるスペースを確保。しかも将来のEVも予測してEV用電源も設置している。細かなところまで打ち合わせしたことから、このようなプランが実現した。
そして男の子3人のスペースは、各部屋にデスクを用意しなくていいように依頼して造作したデスクと、将来的に間仕切りができるスペースを用意している。将来を見越した設計が重要という。佐藤さんいわく、「打ち合わせ当初から提案があったように、南向きにリビングを配置せず、北側から1日中安定した光が入るのがお気に入り」という。これは「4D/GROUNDWORK」らしい創意工夫だ。秘密基地としてのロフトを設けたり、吹き抜けに勾配天井やなしで過ごせる明るい住まいが実現した。遊び心と創意工夫あふれるガレージハウスの完成だ。
◆Planning Data
施 主:佐藤 玄さん
家 族:5人
構 造:木造軸組み工法
外装/内装仕上げ:ケイミュー・フィエルテ/クロス
愛 車:’21年式ルノー・カングー
設 計:4D/GROUNDWORK
施 工:石井建設
◆Comment from an Architect:4D/GROUDWORK 塚本光輝さん
施主様とはこだわりや価値観が一致したので、楽しく仕事をさせていただきました。クルマ雑誌の編集者という仕事柄、商品名をいうとガレージハウスの知識も豊富で理解してもらえたので打ち合わせがスムーズでした。家族5人が楽しく過ごし、子どもたちがのびのび成長するのが楽しみですね。
4D/GROUNDWORK https://4dg.jp
東京都台東区松が丘2-7-13 Phone:03-4400-7704
『ガレージのある家 Vol.49』掲載