「毎日1テーマずつ読めば、1か月後に所さんみたいな思考になれる!」
「所ジョージの世田谷ベース」の最新号は記念すべき50号目。雑誌『Daytona』で6年以上連載を続けてきた「トコロ辞典」の膨大なアーカイブを再編集し、一冊にまとめた完全保存版です。ひとつのテーマは約5分で読みきれるので、毎日1テーマずつ読み進んでいけば、おおよそ1か月で完全読破。翌月には、所さんみたいな思考回路に近づいてしまい、楽しくてしょうがない毎日がやってきてしまうというコンセプトで制作、ここではその一部をチラ見してみましょう。
し‐あわせ【幸せ・仕合(わ)せ】
めぐりあわせがよい・こと(さま)。幸運。幸福。「友人の―を祈る」「―な生涯」めぐりあわせ。運命。「我はそも,何時ぞやも言ふ如く,―も悪ければ/ 仮名草子・竹斎」ことの次第。始末。「無念ながらも長らへて,さて只今の―なり/ 浄瑠璃・出世景
清」大辞林参照
トコロ辞典的「幸せ」の解釈
毎日いつでも、面倒くさい余計なことをすると、現れるもの。それは、何百回に1回くらいの確率でしか現れないけど、諦めてはいけない。どんなモノにも幸せの入り口がある。誰にでも、幸せの入り口のトビラは開いている。自分から悲しくならず、何でもはしゃいでみると、幸せの入り口は見つかりやすい。
所:昨日の晩ごはんがさ、鶏の竜田揚げとトマトだったんだけど、それがめちゃくちゃ美味しかったのよ。カミさんが夏の暑いさなか、たいしてクーラーも効いていないキッチンで、あっつい油で鶏肉を揚げてくれて、炎の大きさとか、その熱量とかが感じられて、さらにしみじみと美味しいわけ。
もちろんカミさんは暑かったとかひと言も言わないで、涼しい顔してるんだけどさ。それも、美味しさの一要素なんですよね。トマトも自分で種からまいて作ったやつだから、朝早く水まいたり、雑草むしったなあ、なんて思い出もあるでしょ? だから買ってきたトマトより、美味しく感じるわけ。
そういうのを、全部ひっくるめて”食べる幸せ”ってのがあると思うんですよ。スーパーで買ったお惣菜の竜田揚げと、売ってるトマトを買ってきて食べるのとはちょっと違うんだよね。最近の風潮で、スーパーの裏で竜田揚げ揚げてる人とか、畑でトマトつくっている農家の人とか、あるいはレジを打っている人を下に見る傾向があると思うんだよね。「勝ち組」「負け組」とかって、言ったりするじゃん。
編集部:そんなこと言ってる人いますよね。
所:でもさ、よくよく考えてみると、トマト育てたり、裏のキッチンで揚げ物したりしてくれる人達のおかげで、お惣菜の竜田揚げとトマト食べられてるって現実があるわけじゃん。いやぁ俺は農家とか、レジ打ちとかの仕事じゃなくてよかったぁ、なんて考えがあって食べる竜田揚げ。そんな悲しい食事ってある?
ワタシに言わせたら、そういう人たちこそ負け組。というかそもそも、勝ち負けなんて、誰にもないんだよね。もし世の中が勝ちとか負けっていうんだったら、いま勝ちと思っている人が負けですよと、負けと言われている人たちが勝ってますよ、ってワタシは思うな。つまり、言い出してる人が負けなんだよ。だって、ホントはみんな平らなんだから。人に対して、勝った負けたなんて考えてる時点で負けてるから。儲かってるとか、お金持ってるとか、そんなことで人生の幸せを決めるなってこと。
【写真7枚】『所ジョージの世田谷ベース vol.50』をチラ見!
編集部:たしかに、お金あっても不幸な人っていますもんね。
所:そう、お金があろうが無かろうが、楽しい暮らしをしようぜってことなんだよね。アタクシはどこそこのミネラルウォーターしか飲みませんのよ、じゃないっての。公園の水道も美味しく飲めるような人間になれって(笑) お金とか、仕事の種類とか、立場とか、そういうことじゃない「豊かさ」を求めようってことなんですよね。
必要最低限の生活もできない、ってのは、また別の話なんだけどね。でも、ある程度の暮らしができていて、小遣い足りないとか、新しいクーラーや大きなテレビ買えないってくらいで、泣くなってこと。あぁ俺は、負け組とか考えるんじゃないっての。その状態を楽しめってことだよ。自分から悲しくしてどうする?
お父さんが「面白いね、うちはクーラーがガンガン回ってるけど、涼しくなんないね! これは滅多にできない経験だ」って、はしゃげって話だよ(笑) お父さんがはしゃげば、みんな楽しいって「んじゃ、みんなでコンビニ行って、うまいアイス探そうぜ!」って、これが豊かな生活よ。
編集部:豊かで幸せな生活をするのに、必要なことってなんでしょうか?
所:んとね、余計なことをどんどんやるってことだね。余計な事の中に、「幸せの入口」があるんだよ。例えば、夏、窓を開けていたらセミが入ってきて、壁の上の方にとまったと。ま、普通は殺虫剤かなんかかけて退治しちゃうよね、そこを、そのへんの椅子持って来て、捕まえて、外に逃がしてやろうと、余計なことをする。すると、椅子に乗り損なって、足首を捻挫してしまうと(笑)。で、行ったこと無い医者に行ったら、とても良いお医者さんで、次に家族に何かあったらここに来よう、っていう知識が得られるかもしれないじゃん。
逆に、殺虫剤でセミを退治して、次からセミが来ないように窓閉めきって、クーラーをガンガンかけて風邪引いて。挙げ句の果てに、いい医者に行ったのにヤブ医者かと勘ぐってみたり。「人間万事塞翁が馬」っていうけど、誰にでも幸せはやってくるから。
だから、何かあったら、ここに「幸せの入り口」があるんじゃないの? って思って、行動しなきゃいけない。道端のゴミを拾っても、楽しいことなんて何もないよ。でも、この先に「幸せの入り口」が待ってるんだ、って思って拾うの。ワタシの経験値から言うと、何百個に一個くらいの割合であるんだよね、「幸せの入り口」が。
最近でいうと、旅先で奥さんの眼鏡のレンズがついてるフレームと、耳にかける部分をつないでいる蝶番のネジがとれてどっかいっちゃって、メガネかけられなくなっちゃったのよ。自分の家だったらチャッと直せるけど、旅行先には道具立てがなんもないわけ。で、思いついたね、そういや、買っといたパンがあると。
編集部:食べるパンですか?
所:そう、ワタシは常々、パンを買うときに、あの変なプラスチックの口を閉めるヤツが付いてないのにしてんだけどさ。開けた後、もう一回使おうと思っても、なかなかうまく留められないやつ。あれって何なの?(笑) ま、それはいいとして、ワタシの場合、パン買うときはわざわざあの変なプラスチックがついてるのじゃなくて、針金が入った紐で巻いてあるやつを買うという、余計なことをしていたわけ(笑)
で、そうだあれは、針金にビニール巻いたやつだ! と気がついて、ライターで炙ったら、細い針金が出てくるわけですよ。それを蝶番の小さな穴に通して奥さんのメガネを修理したら、なんの問題もなくかけられましたと。「あんたは何でも直すねぇ〜」って奥さんニコニコしてくれて、2人しておおいに幸せですよ。つまりパン一つ買うにも、「幸せの入り口」があったりするってこと。あの変なプラスチックのついたパンだったら……。と思うと、ゾッとしちゃいますね(笑)
所さん的「幸せ」の続きは、所ジョージの世田谷ベース vol.50をご覧ください!
所ジョージの世田谷ベース vol.50
定価:1,020円
本誌購入は以下より
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・掲載テーマ
あいそ【愛想】
あつ‐くるし・い【暑苦しい】
いそがし・い 【忙しい】
おとしあな【落とし穴】
おも‐しろ・い【面白い】
おもい‐つ・く【思い付く】
おんきせ‐がまし・い【恩着せがましい】
かた‐づ・ける【片付ける】
かんが・える【考える・勘える】
き‐しょう‐てん‐けつ【起承転結】
クリエーティブ【creative】
クレーム【claim】
けっ‐こん【結婚】
けん‐ぜん【健全】
こ‐せい【個性】
ころばぬさきのつえ【転ばぬ先の杖】
し‐あわせ【幸せ・仕合(わ)せ】
じっ‐しつ【実質】
しっ‐ぱい【失敗】
じょう‐ほう【情報】
そうぞう‐りょく【想像力】
ちゃく‐ち‐ てん【着地点】
て‐ま【手間】
てい‐ へん 【底辺】
てん‐ごく【天国】
ととの・う【整う】
のり‐しろ【糊代】
ヒーロー【hero】
ひにちじょう(せい)【非日常(性)】
ひょう‐げん【表現】
べん‐り【便利】
まと‐はずれ【的外れ】
まん‐ぞく【満足】
め‐くじら【目くじら】
メリット【merit】
やくにたつ【役に立つ】
やり‐なお‐す【やり直す】
よ‐ゆう【余裕】
ルール【rule】
わ・る【割る】