国内産木材を使った削り出しの無垢材を積み上げて組み上げる、オーダーによりカスタマイズも可能なBESSの家。
コンテナを金属加工場とすることで、ファクトリーはいつも清潔を保つ。
今回ご紹介する素敵なショップは愛知県豊田市にある、日本で数少ない「スバル360」専門店「ディー・スペシャルズ」。2022年で創業16年目となるお店だ。敷地内にはショップとともに、BESSで建てたログハウス・カントリーログの自宅があり、スローライフを実践しているという。
BESSの展示場でカントリーログに出会ったのは、約5年前。ほかの住宅メーカーの家にも足を運んだが、ログハウス独特の内装はどこの家にも表現ができない木の温かみがあること、そしてある程度のカスタマイズの相談ができることが魅力的だったとか。
林さんは富士重工(現SUBARU)が1958年に発売したスバル360の専門店として、2006年に独立。ご存じの方も多いと思うが「てんとう虫」のニックネームで呼ばれたクルマは、1958年から1970年まで12年間製造された一台。エンジンは空冷2気筒の356cc、乗車定員4名で2ドアファストバック、2ドアオープントップ、3ドアのライトバンが存在している。日本国内では約39万台が販売されたほか、海外にも輸出されるほど現スバルの基盤を築いたクルマだった。
今回、豊田市の道路拡張により移転することになり、自然豊かな地でノンビリ暮らすことを決意して山間部ではあったが半年くらいかけて移転地を探し、現在の場所約210坪の土地に決めるに至った。
母屋はBESSが発売しているカントリーログと決めていた。カントリーログが持つ無垢材で囲まれたロフトがある空間は魅力的。5年間、展示場に通いながら移転しなくてはならない日まで、イメージを膨らませていた。母屋のほか、別棟にファクトリーを建てることも決めていて、そちらは地元の工務店「ビルドアップ」にオーダーで依頼している。
【写真13枚】210坪の土地に広がる、日本が誇る名車の専門店!
スバル360(てんとう虫)のスペシャルショップ。
大まかなショップの図面は、林さんが描いたものを設計図にしてもらい、リフトを入れて使いやすく設計してもらった。隣接した事務所には、富士重工が昭和33年7月に24号機として販売したスバル360を縁あって手に入れることができ、展示、いや、コレクションとして保管している。
奥には林さんが趣味でメンテナンスをしているカワサキの名車「ZII 750RS」を保管。またクルマのパーツや、加工に関してはガレージの外に設置したコンテナの中で作業を行なえるように工夫している。このコンテナは前作業場でも使用していたもので、断熱材が入っていないため、夏場はコンテナ内が暑くて作業ができなかった。そこで林さん自身が屋根を造作、そのままトラックに積んで現在の敷地内に設置したというもの。工場にもホコリが舞わないので預かっているクルマにも影響がでないので便利という。
2021年8月に母屋のログハウス引き渡し後、リビング横には奥様が作業できるワークスペースの場所を設け、近所のマルシェやネットで販売するなど専用スペースを設けている。冬の寒い時期には、薪ストーブに薪をくべて暖をとる生活を楽しんでいる。
「まだ自宅とファクトリーが拡張、新しくなって約半年。落ち着いたら将来、カフェなどできたら最高ですね」という奥様。
自宅の転居とともに、専門店「ディー・スペシャルズ」も移転、マイペースでクルマを修理、販売している。専門店がほかにないので「全国にお客様がいるのがありがたい」というが、最近はいいクルマが少なくなってきたり、ないパーツは自作で製作するなどクラシックカーならではの悩みもつきない。
しかし、林さんの対応を伺っていると、どんなクルマでも誠実に直す姿勢は将来も変わらないはずだとわかる。悩みは尽きないが、スバル360というマーケットを絞ったこのショップはライバルも少なく、これからも長く営業していくだろう。
◆PLANNING DATA
所在地:愛知県
竣 工:2021年8月
敷地面積:693平米
構 造:鉄骨構造合板張り
外装/内装仕上げ:ガルバ二ウム/木造鋼鈑
愛 車:1963年式スバル360、1967年式スバル360 ほか
URL: http:www.d-spls.com
◆OWNER’S CHECK
・一番気に入っているところは?
家に帰ってきたとき、本物の木の香りがするのが格別です。展示場では気が
付きませんでしたが、床に寝たときに見える景色もログハウスだけの特権です。
・ちょっと失敗したところは?
浴室の窓を開けようと思いましたが隣に家が建ってしまい、計画は頓挫しました。
・次の夢はなんですか?
スバルを眺めながら寛げる空間を提供できたら、最高です。
『GarageLife』 Vol.92 掲載
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