「毎日1テーマずつ読めば、1か月後に所さんみたいな思考になれる！」

「所ジョージの世田谷ベース」の最新号は記念すべき50号目。雑誌『Daytona』で6年以上連載を続けてきた「トコロ辞典」の膨大なアーカイブを再編集し、一冊にまとめた完全保存版です。ひとつのテーマは約5分で読みきれるので、毎日1テーマずつ読み進んでいけば、おおよそ1か月で完全読破。翌月には、所さんみたいな思考回路に近づいてしまい、楽しくてしょうがない毎日がやってきてしまうというコンセプトで制作、ここではその一部をチラ見してみましょう。
メリット【merit】
功績。手柄。 利点。長所。対義語　デメリット
トコロ辞典的「メリット」の解釈
人のために何かする、他人を笑顔にする。自分以外の誰かにとって有益なこと。自分の行為に相手の評価は求めずに投げっぱなしにするぐらいがちょうど良い。

■誰にとってのメリット？
最近よく聞く言葉で、私が気になっているのは「メリット」という言葉。
「あの人と付き合っても私にメリットが無いから」なんていう女性がいますけど、自分が下品な人間ですって表明しているようなものです。そういう娘に限って、それほどの顔立ちですか？ という場合が多い。まあこれは冗談として、「メリット」とは何か？ と考えると、たとえばボランティアを喜んでやる人と、面倒くさいけど行きがかり上しょうが無いからやる、という人がいる。これを「メリット」という言葉でくくっちゃうと、ちぐはぐになってしまう。

つまり、他人のために何かできたことを「メリット」と考える人と、自分のために単純に得したことを「メリット」と考える人が居るわけです。私に言わせると、前者の人のために何かできた！ ということが「メリット」なのです。

■メリットを間違えるとツマラナイ
昨今、自分にとって得であればいい、他人のために何か尽くすことをマイナスと考える人が増えているように感じます。若い子の中には、自分は他人と関わることにメリットを感じないから、自分の好きなことだけをやるんだ！ と、たとえばアイドルだけ追っかけていればいい！ 自分が一方的に好きだ！ 限定グッズを手に入れた！ ライブに行けた！ これは全部自分に「メリット」がある！ 満足だ！ と言う。

しかし、こんなツマラナイ暮らしはないのです。実際にライブに行っているけれど、それは仮想現実みたいなもの。コンピューターで見ているのと同じ、そこに居るようで居ないのです。なぜなら「メリット」の考え方が間違っているから。人間は他人を通してでしか、自分の存在を確認できない。相手の表情とか心の動きがあってこそ自分を確立できるのです。

「メリット」を自分の損得だけと考えている人は、自分の現実がわからない、ほんとうに楽しいことがわからないまま、ただただこの世に生まれて来て、誰の記憶にも残らず死ぬのです。何か他人を喜ばせて、ああ、自分が喜ばせた！ ということにこそ価値がある。そうすれば自分が死んじゃっても、他人の心の中に自分が生き続けることができる、それが「メリット」なのです。

他人よりも早く流行のものを手に入れた、他人よりいいものが食べることができた、あれがほしい、これが欲しい、自由にやりたい……。満足でしょうけど、そんな人はだれの心にも残らないまま、居なくなるだけなのです。

【写真7枚】『所ジョージの世田谷ベース vol.50』をチラ見！ 

■現実の「メリット」は？
たとえば男性の場合、「俺は沢山の女性と付き合った！ 俺にはメリットがあった！」と言う人が居ますけど、それは大間違い。「メリット」とは、そういう関係に成り得る女性を大事にするということ。「あの人は良い人だな～」と女性の記憶に残るほうを選ぶ、それが「メリット」。「いい人止まり」で結構なのです。お付き合いするのであればそういう関係の中から、この人は何が何でもずっと喜ばせてあげたい！ と思う女性を選ぶべきなのです。

女性は、付き合う男性が高収入であるとか、職業がカッコいい等の条件付けを「メリット」と捉えがち。でもそんなの何の「メリット」でも無いのです。相手の男性が貴女の笑顔を作ることを自分の「メリット」と考えているほうを選ぶべきです。

歌詞でよく「君の笑顔さえあればいい」というのを聞くと思いますが、そんな大変なことはない。女性を笑顔にするには、男性側が毎日毎日頑張らないと、作れないのです。子供の世話を手伝う、ゴミ出しをする、週末は家族で出かける、そんな旦那さんなら、奥さんだって毎日お弁当作って、ちょっと果物なんかもつけてあげたくなるでしょう？ 旦那さんも、気が効いてるな～なんて笑顔になって週末どこ行こうか考えるのです。

女性も笑顔にしてもらえたら、自分も男性を笑顔にしようとしてくれます。そういうやり取りが毎日あることが幸せなのです。他人の笑顔を作ってあげられれば、また人は返してくれる、自分の笑顔を作ってくれるのです、そういう関係が自分の周りに増えていくことが大事。自分より、周りの笑顔を見ているほうが楽しいし、そもそも、自分の笑顔なんて自分で見ることはできないわけですから。鏡で自分の笑顔を見ていたらおかしいでしょ？ だから自分は得した、勝ったっていうことばかり考えている人は、自分の笑顔を鏡で見ているのと同じことですよ。嫌でしょう？ そんな人。

■他人の笑顔を作りましょう
私の場合、喜んでもらえるからと、服とかグッズとかいろんな人に長年どんどんあげて来た結果、単に「気前の良い人」という位置づけになっていたりしますが、たとえば初めて会ったデビューしたてのアイドルの娘にも、T シャツをあげます。もちろん笑顔で喜んでくれます。その場の笑顔も大事ですが、私はもっと想像力を働かせます。

多分、家に帰ったら田舎の親御さんに「所さんからTシャツもらったんだよ！」なんて電話したりして、親御さんもそれを聞いて「芸能界の仲間にしてもらえたんだ！」と喜ぶんだろうな、と。そう考えると、より笑顔の時間が長くなる「メリット」が増えるわけです。

一方で、やり過ぎも良くない。それは恩着せがましくなってしまう。恩着せがましくならない程度に相手のことを考える、それは難しいし面倒くさい作業です。たとえば人に服をあげたとしたら、しばらく経ったあとに会ったとき、「あれ着てる？」とか聞きたくなってしまうけれど、そこは聞かない。聞いた時点で恩着せがましくなってしまう。つまり、相手に対して投げっぱなしにして楽しむ。これが私の考える「メリット」。

所さん的「情報」の続きは、所ジョージの世田谷ベース vol.50をご覧ください！
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