「夏は暑すぎて地獄の乗り物って感じ、ストーブ抱えて走ってるみたいですよ!」とBOSS HOSSのトライクから汗だくで降りてきたのは、イベント「スーパーアメリカンフェスティバル」を30年間も運営している増井さん。
BOSS HOSSというのは、1990年にテネシー州で設立されたオートバイメーカーで、エンジンにアメリカンV8を搭載しているということが特徴。増井さんのBOSS HOSSは2003年製で、シボレーのZZ502というエンジンを搭載。排気量は8220ccでエンジンの名前のとおり502馬力ものパワーを持つのだそうだ。
【写真13枚】8220ccのモンスター「BOSS HOSS」の細部を見る!
「最近じゃクルマも電動化が主流になってきてるから、巨大排気量のガソリンエンジンはエンターテインメントの方向で楽しむしかないと思ってるんです。ドラッグレースだって、ストリートクラスなら間違いなく電気自動車の方が速いですから。EVは最大トルクで全開スタートができるから、まずガソリン車は勝てないですよ」
インフレと円安でアメ車は高級車に!!
ドラッグレースが大好きで、日本にもドラッグレース場を作りたいと語る増井さんは、それまでTバケットという、エンジンにバスタブさながらのコックピットがついたクルマを10台以上所有していた。
「真っ当なアメ車は高いけど、Tバケットはお手頃だったのでそればっかり乗ってきたんです。かつては2万ドル出せば、最高のTバケットが買えてたんですが、今は倍近い。アメリカのインフレと円安でアメ車を向こうから持ってくるとなると、とんでもない値段になってしまうんです。2輪のBOSS HOSSで350エンジン(5.7リッター)を積んだモデルは今だと1台1200万円以上で売らないと利益が出ないんじゃないでしょうか? アメ車乗りは、今乗ってるクルマを大事に維持することですよ」
増井さんがこのBOSS HOSSを気に入っている理由は、まず普通じゃ見かけないし目立つということ。ただ、日本じゃ真っ当なバイク扱いをされてないのだそうだ。
「今年発売された、日本のオートバイカタログっていうのに、掲載されていないんです。これは差別じゃないかと思うんですよ。ハーレーの専門誌も取り上げないんですが『こういうバイクもあるんだ』っていう紹介くらいしてほしいんですよね。BOSS HOSSはアメリカやヨーロッパではすごい人気がありまして、ヨーロッパではフランスが一番売れてるんです。アメリカでは10000ccのモデルもあるくらいで、普通じゃない乗り物なんですよ」
37度という灼熱の中BOSS HOSSに乗る72歳!
増井さんがBOSS HOSSを手に入れたきっかけは、知り合いから紹介してもらい、気に入ったからということ。トライクなのでヘルメットがいらないということや、何より極太のリアタイヤと、その存在感に魅了されたのだそうだ。自動車税は8200ccという排気量ながら7000円ということで、これは乗用車に比べるとかなり得なのである。
「ユーザー車検で4輪の場合、アメ車の場合はどんなに安くても重量税、自賠責、全部入れて安くて8万円台。業者に出したら15〜6万円はしますよね。BOSS HOSSは全部入れても1万6500円くらいですし、高速代は軽自動車と同じ料金。モノ自体は高いけど、維持費はとっても安いんですよね」
手に入れてから、元々もっと長かったリアウイングや、フェンダーをDIYでカットするなど、自宅のガレージで色々と手を加えていった。
「しかし暑いですよ。夏は。朝78.5キロだったのが、1日乗ると77kg、大体1日で1.5キロは減るんです。究極のダイエットマシーンですね」とは増井さん。この日は最高気温が37度という猛暑! ボディには高齢者マークが貼られているが、聞くところによると今年で72歳というからかなり見た目は若い!
8220ccの超大型トライクを乗りこなす増井さんが主催するイベント「スーパー・アメリカン・フェスティバル2022」は2022年10月23日にお台場で開催。BOSS HOSSやアメ車、カスタムカーに興味のある方は是非、遊びに行ってみては?
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