ランボのドアを装着した「BMW Z3」の横には、ウイスキー樽をテーブルに飲むバーのような空間!
カーポートに隣接する形で設置されたガレージには、BMWのZ3。一見オーソドックスなキットガレージに見えるが、母屋に対してのジャストなサイズ感、余裕あるスペースや内部の雰囲気など、オーダー建築のような細かな調整が図られているようにも感じられる。
Tさんが念願だったガレージライフをスタートさせたのたのは、2013年春のこと。その半年ほど前に、大切な家族のために二世帯住宅を建築したが、それは真の意味で家族のための家であり、ご自身の趣味部屋などを設けたわけではなかったという。
とはいえ、クルマや映画、お酒など、男性趣味の王道ともいえるラインナップを楽しんできたTさん。幸いにも家族の分と合わせて3台分の駐車スペースを設けていたことから、その一角に自らの趣味部屋兼ガレージを作ろうと思い立ったのだそうだ。
だが、実際に使用できるスペースはクルマ1台分と、それほど余裕があるわけではない。クルマはもちろん、そのほか趣味的な要素を効率よく盛り込むためには、企画によりサイズや仕様が決まっているキットガレージではやや限界があると感じていた。
サイズや仕様が思いのままのオーダーガレージ
そんなときに訪れたのが「TOYBOX」のショールームだったのだという。
「やや無骨な雰囲気といい、サイズや仕様など思いのままのオーダーが可能な点といい、まさにイメージ通りでしたね。
設計を担当してくれた井上さんも親身になって相談に乗ってくれたので、打ち合わせにもそれほど時間を取られずに、進行していきました。計画時には塀の内側にガレージを建てる予定でしたが、念願だったバースペースを設けるために幅を広げられたのも拡張性のある、TOYBOXならではのメリットだと思います」
ウッド調サイディングを採用した外壁は、背後に建つ近代的な住宅とのマッチングもよく、「きっと中に何かあるな」という期待感は感じさせながらも、ガレージだけが浮いた印象にはなっていない。
施主の趣味を最大限反映させたいガレージではあるが、そこは住宅と共存する間柄。こういった素材選びは印象が大きく変わるポイントだけに、数多くの現場を見てきたプロのアドバイスと選択肢の広さは嬉しいところだ。
バーをイメージしたガレージ内部
一方、ガレージ内に足を踏み入れると、シンプルな外観から一転して、Tさんの好みを反映させた色濃い空間が構成されている。シザーズドアや巨大なリアウイングなどの各部カスタムによって、どこかアメリカンな雰囲気も漂わせているBMW Z3。
そして、ガレージ内の各所にディスプレイされたポスターやサインも、ムードを盛り上げる効果を存分に発揮していることがわかるだろう。T邸の周囲が閑静な住宅街ということもあって、シャッターを閉めた状態では中にこのような空間が広がっているとは想像しにくい。その落差もまたこだわりというわけだ。
また、前述したサイズ拡張によって得られたスペースで、ウイスキー樽をテーブルに飲む一杯も至福の時。
「このガレージの雰囲気は、妻と出会ったバーをイメージしているんです。内壁に貼ってもらった木の色合い、柱や梁の無骨な雰囲気なども希望通りです。近いうちにカウンターを設置して、仲間が集まれる場にしたいですね」
たしかに、愛車格納時でもゆったりとチェアでくつろげるスペースが残されており、愛車との距離感も申し分ない。ガレージ自体の仕上がり具合は、現状で50%ほどだと語ってくれたことからも、さらなるグレードアップが図られていくであろうことは疑いないところ。
また、ハリウッド映画が大好きなTさんらしく、将来的にはデロリアンをガレージに入れたいということなので、実現の暁には、現実世界と趣味空間を行き来する空間移動装置として、より一層楽しい空間となるに違いない。