「ランボルギーニ」「マクラーレン」をビカビカに! “磨きのプロ”が建築したスペシャルガレージ【ガレージライフ】

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特殊照明をなんと30灯設置! とにかく愛車を美しく見せるプロがこだわって創ったガレージは、まるでランウェイのよう

カーディテイリングという言葉はご存じだろうか? これは、クルマの洗車やコーティングだけではなく、クルマ1台1台に合わせて細部(ディテイル)までキレイにすることで、さまざまな特殊工具を使って仕上げる技術の総称のことだ。

長野県小諸市の「ヴァンキッシュ」は4年前に開業した、プロフェッショナルなカーディテイリング専門店。代表のOさんは昔からクルマが好きで、超希少な1963年型フォルクスワーゲン・タイプ3を所有していたほどのカーフリークである。

以前は別の仕事をしていたが、いつかはクルマに携わる仕事をしたいと、東京の老舗カーディテイリングショップの門をたたいた。その修業は1軒では終わらず、3軒のプロショップを渡り、磨きのノウハウを蓄積させたという。

「1店舗だけだと技術に偏りが出てしまうので、いろいろなショップの考え方を勉強したかったんですよ」とはOさん。修業を終えた4年前、ヴァンキッシュをスタートさせた。順調に仕事を増やしてきたため、作業効率を上げるために新店舗の構想を練るに至ったという。

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ライトや床の傾斜にこだわったプロのガレージ
長野県内に建築したとあるガレージハウスを訪問した際、細かな設計を見て同じ建築家で店舗を建築したいと、そのオーナーに紹介してもらったのが「GarageLife Official Dealer」の建築家、「Kurashima Design」の倉島さんであった。

スーパーカーのガレージ設計の経験が多いこともあり、細かな希望を出さなくても必要な要素をすぐ理解してもらえた、と話すO代表。目指している店舗設計のベクトルが一緒で、O代表がこだわるライトの設置や、クルマの洗車スペースの水抜きなど、ディテールに関しても意見が一致。その結果、理想の作業スペースが確立されたという。

カーディテイリングの世界は聞けば聞くほど奥が深いが、たとえばライトによってボディを照らしてキズを探す作業が肝心なため、ボディカラーによっては照らすライトの色を変えるのだそうだ。

ボディの映り込みなどすべてはクルマのため
そこで重要なのがスポットライトで、このショップには特殊照明を30灯設置している。倉島さんいわく、ボディカラーが濃いクルマほど黄色いライトが、シルバーや白いクルマであればホワイトのスポットライトが必要という。いかに細かなキズを見つけ、ボディを磨き上げるかがディテイリングのポイントなのだそうだ。だから磨きスペースの内壁は、ボディの映り込みを考えてブラックのマット塗装で仕上げたという。

クルマを洗車するスペースも、なだらかな傾斜をつけてクルマの真下から水が抜けるような設計に。クルマの下に水溜まりがあると、せっかく洗車したクルマに水が跳ね返ってしまうのである。また、磨き専用スペースと洗車専用スペースの間にはシャッターを設置し、隔離できる設計に。2つの作業スペース間で、お互いホコリが舞わないようにも配慮してある。

建築家の経験が生かされた空間
そして作業スペースの真横には、クライアントが確認できるように待合室を設置。大きな窓も美術館などで採用されている反射を抑えた特殊なガラスを使用するなど、倉島さんの経験が活かされた設計が随所に見られる。ちなみに、クルマ1台のカーディテイリングは、クルマのコンディションにより異なるが12万円からとのこと。クルマ1台を15時間近くかけて洗車し、3~7日かけて1台を磨き上げ、代表の厳しいチェックを通り抜けたクルマだけが、クライアントに納車されるのだとか。

その技術は仕上がったクルマを見てもらえば一目瞭然。取材時にあったランボルギーニ・アヴェンタドールは、1度目の磨きを終えて下地コーティング、クライアントの要望でプロテクションフィルムを施工し、再度磨きコーティングの作業をする予定なのだという。

クルマの仕上げへの執着はさすがの一言。プロが仕上げるカーディテイリングショップ「ヴァンキッシュ」の設備もさることながら、磨きのテクニックにも驚きの発見があった。

『GarageLife Vol.79』より転載

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