野性味と個性を両立した迫力あるスタイリング
西日本のチューナーが作るジムニーは個性的な意匠が多く、常に時代を牽引している感がある。ファイナルビーストもそんなチューナーのひとつだが、同社はとにかく懐が広い。
【写真18枚】懐の広いカスタムが注目のファイナルビーストのジムニーを写真で見る
例えば、この74。お馴染みの「野獣的」ダート競技テイストだが、とにかく造形の巧みさは他に類をみない。フロントデザインの核となるバンパーは、オフロードでの機能性はもちろんのこと、街で個性をアピールするためのドレスアップパーツとしての側面をしっかり備えている。多角的な面構成は、高いデザインセンスを要する。
一方のリアバンパーは、一転してシンプルな意匠だ。だが、4本出しマフラーとのマッチングが熟慮された形状で、さらにスクエアな74のボディとも相性が非常にいい。
後部で言えば、FRPリアゲートも見逃せない。FRP製による大幅な軽量化というメリットに加えて、スムージングでリアビューをすっきり見せるという美点もある。
装着タイヤは265/70R17。一見するとオーバーサイズにも見えるが、オリジナルのブリスターフェンダーの装着により、収まりが良くなっている。フェンダーはまるでメーカー純正品のごとくボディとの親和性が高く、それでいてしっかり個性が出ている。3インチアップサス、タイヤ&ホイール、フェンダー、そしてバンパーが一体となっており、大人のエボリューションジムニーに仕立てている。
だが、それだけではない。この車両にさらに外連味を与えているのがラッピング。マットのメタル系カラーは、各パーツのデザインをさらに引き立て、ソリッドな美しさを増幅。ドア部分に入ったレリーフも、ポイントが高いカスタム手法だ。
勝つために作り出されたクルマ懐の深さは恐るべし!
現行ジムニーで「ダート競技に参戦し、優勝を狙えるパッケージ」をテーマに製作されたファイナルビーストのJB74。サスペンションのセットアップが完成間近ということで、車両自体の完成度は70%未満と聞いた上での試乗となった。
エンジンに関しては、トラストのターボキットを装着。ノーマルから比べるとかなりのパワーアップを果たしている。その出力に対応するダンパーは、リザーブタンク付きのBトラクション。細かなセッティングを可能とし、普段乗りとスポーツ走行を両立することが可能。ボンネット、フェンダー、リアゲートなどをFRPやカーボンを使用したパーツに交換。軽量化と低重心化に貢献。かなりのハイスペックマシンをオンロードとクロカン走行でテスト。
まずはオンロード。とりあえず軽く流してみる。ルックスが本気に見えるので、どうだろうと思っていたが、かなりラグジュアリー。シャープすぎることもなく、すべてがニュートラル。路面の凹凸を綺麗に吸収し、バンピーな路面をフラットに感じさせるほど。ペースを上げると改めて良さが分かる。ぐいぐい曲がる特性で、破綻する気配がない。パワーが大幅に上がっているにもかかわらず、まったく問題なく全開を受け止める。このサスペンションのキャパは凄い。意図的に振り回してもコントロール性は抜群。アクセルを踏んだままコントロールできる。乗っていてめっちゃ楽しい。
次にクロカン。依頼された時に「なぜクロカン?」と思ったのだがこれがかなりイケる。初期がソフトな味付けなので、トラクションが良く、アクセルでクルマの向きをコントロールできる。高すぎない車高が功を奏し、キャンバーに強い。結果、ラインの自由度が高い。これで完成度が70%なのか? 侮れない!
SHOP’s VOICE(さん)
ダート競技に参戦し、優勝を狙える車両をテーマに製作。新商品のFRPリアゲートにより大幅な軽量化に成功しただけでなく、スタイリッシュなリアフォルムになりました。抜群のフィット感も実現しています。
ファイナルビースト ☎0771-83-9313 http://final-beast.com/