さすが広大なドイツ! ガレージシャッターを開くと、そこは約400平米もの広大な空間が!
ドイツでも古いフォルクスワーゲンやBMWを愛するカーフリークは少なくないが、アメリカ人のようにカスタマイズが好きな人、というのはなかなか珍しい。ドイツ最大の航空会社である、ルフトハンザに勤務するマーク・ヘンネルさんは、1963年型VW タイプ1を所有している。最新のカスタマイズをガレージで施し、空冷VWとのガレージライフを楽しんでいる”フリーク”である。
フランクフルトにあるマークさんのガレージは自宅から10分程度離れており、想像以上に大きなスペース。そのたたずまいは、個人で経営しているワークショップのようなスタイルであった。
【写真14枚】ワークショップさながらのVWガレージを見る!
約400平米ものガレージを持つ理由
ガレージシャッターを開くと、そこは約400平米もの広大な空間。そこには彼の趣味の愛車である’63年式タイプ1と’67年式カルマン・ギアが整備を受けられる状態で並ぶ。
ドイツでは路上駐車が禁止されているエリアがあまりないため、ガレージを持つ必要はない。ただ、音を出すことが条例で規制されているため、夜22 時~7時や日曜日などは洗車のほか洗濯機や掃除機の音を出すことも規制されているため、クルマを洗車する文化が少ないという。ただ、ドイツ国民は洗車をあまりしないものの、メンテナンスをしながら同じクルマに長く乗り続けることが多いのだそうだ。
マークさんのクルマも今から約50年前に製造されたクラシックカーだが、どうしてもガレージがほしくなり、工場地帯に建てられたウエアハウスの一部を借りて整備するスペースを設えたという。
プロの工場顔負けの設備
マークさんは、ルフトハンザのインスペクター(検査員)として勤務していることから、世界中の工場をめぐっていた経験があり、プロの工場から年月が経過した工具を購入。ガレージにはそんな工具たちが収められている。
「高いSnap-Onのツールボックスを購入するなら、精度のいい工具がほしい」と語るが、安くいいものを手に入れてガレージに置いていた結果、現在のワークショップのスタイルを確立していったのだという。溶接やエンジンの脱着など、ボディペイント以外の仕事は、このガレージでこなせるのだそうだ。
床には作業場周辺にウレタン製のマットを敷き、天井にはホコリの落下を防止するためにビニールコーティングされた生地を貼っている。さらにはマーク自身が梁を入れ、ライトを設置するなど使いやすくしているのだ。
ライトは整備するときに見えやすい蛍光灯をチョイス。ガレージ内にエアコンはなくヒーターと扇風機で過ごしているそうだが、ドイツ・フランクフルトの平均気温は夏でも25度以上になることはないとのこと。逆に冬はマイナスの気温になる日が多く、ヒーターが必要なのだそうだ。
マークさんのガレージには、自身のプロジェクトカーが3台入っているが、VWクラブ「GRK」のメンバーたちのクルマのメンテナンスを行うなど、仲間でスペースを活用しているという。