妥協のないオールラウンダー、苦手のない優等生だ!
九州で積極的なパーツ開発を行なっている工藤自動車。昨年までのデモカーはシルバーのJB64。今年のデモカーはグレーだった。しかし、若干色が濃い気がする。工藤氏に話を聞くと「ええ、塗っちゃいました。ついでにドアミラーを黄色にして目立つでしょ?」。なぜ塗ったのか? 詳しく聞くと「ひと昔前は全塗装すると下取り時の評価額が下がるので毛嫌いされてましたけど、印象を変えることで長く乗れるのであれば、服を着替えるのと同じでアリですよ」とのこと。
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昨年からの変更点を聞くと、ようやく発売開始となったフロントバンパー。さまざまなアタッチメントを準備し、ユーザーのオリジナリティが出せる。今後、個性化が要求されるドレスアップアイテムで、バンパーを違うものに交換となるとコストが高い。進化させられる仕様なら、長く使ってもらえて個性化が図れる。そんな思いが具現化したバンパーなのだ。
そして、今新しいのがリアのナンバー位置。ゲートに移設するのが定番となっているジムニーだが、バンパー交換をした上で、バンパーセンターに配置。ナンバー灯もバンパーに設置可能で、改めてみると新鮮だ。実際、取り付け位置はかなり上部に移動しており、ちょっとしたクロカンならば干渉することはない。オフ走行をあまりやらないおしゃれユーザーにはこの方がウケているのだとか。
工藤氏といえば電装関係のエキスパート。このクルマにも、さまざまな工夫が凝らしてある。LEDヘッドライト標準装備車のオートレベライザーを、ハロゲン仕様のマニュアルレベライザーでコントロールするアイテムや、ヘッドライトのポジションライトなど、見れば見るほど勉強になる1台なのだ。
今、九州ではNクラスのトライアルが熱い。トライアルというとJA11が主力と思われがちだが、JB23やJB64が、サスペンションとタイヤ交換という改造箇所で勝負する大会にこぞって参加している。工藤自動車でも積極的に参加しており、工藤氏自身もこのJB64でエントリーし、上位入賞を果たしている。
そんな背景を持つデモカーだが、今回のテストフィールドはオンロードと林道だ。工藤氏にその理由を聞くと「うちの足回りは、トライアル競技などですでに実績があります。今さらオフでの性能を見てもらうより、いかに普段使いで快適かつ楽しいクルマとなっているかを知ってほしいです」とのこと。というわけで、まずはオンロードからだ。基本的な乗り味はソフト。それでいて、ロール量は多くなく、応答性は高い。コーナーでのターンインは基本ニュートラル。コーナリング中の自由度が高く、進路変更が容易。ペースを上げてもその特性は継続する。
次に林道だ。林道を走るという内容は、ペースを上げたダートという意味ではなく、トコトコ走る際の快適性の話だ。ノーマルで林道を走ると路面の凹凸で始まる車体の揺れがいつまで経っても治らない。このクルマは初期の動きがソフトなので、多少の凹凸は気にならない。大きな段差で車体が振れても収まりが良い。ステアリングが取られることもなく、快適にツーリングが楽しめる。2インチアップというリフト量が腹下のクリアランスを作り、大径化されたタイヤも乗り越え性能が高いため、林道で快適なドライブを約束してくれる。
テストで借りたついでに、少しモーグルも走ったのだが、このクルマはやはり走る。なかなか足を浮かせることができない程のロングストロークで、乗っていて楽しい。走る場所を選ばないのだ。
SHOP’s VOICE(工藤和彦さん)
グレーとイエローのアクセントで一新したデモカー。ようやく完成したフロントバンパーは、さまざまなアイテムでオーナーの個性が演出できます。牽引フックが付けられるほど丈夫です。
工藤自動車 ☎093-681-4739 https://www.kudo-j.com