誰得!なぜそうなる!?タミヤ製アルシオーネから「スバル・レオーネクーペ」をセミスクラッチ!【モデルカーズ】

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スバル初のフルタイム4WDを採用

長らくスバルの主力車種だったレオーネは、インプレッサの前身とも言える存在である。1971年に登場した初代レオーネは、それまでのff-1がモデルチェンジしたものでもあった。水平対向エンジンを搭載したFF車という点では従来通りだったが、インボードブレーキを廃し、時流に乗ったボディスタイルとするなど、常識的な、悪く言えば凡庸なクルマ造りに舵を切ったモデルだった。「オールニューレオーネ」のキャッチコピーで知られる3代目レオーネは、1984年に登場している。3代目モデルは直線基調のスタイリングが特徴。ついにOHC化された1.8Lエンジン、5速MTを採用しエアサスペンションまで設定するなど、商品力の向上は著しかった(それまでが遅れすぎていたとも言える)。スポーツバージョン/ラリー参戦モデルのRXが、全日本ラリーや国際ラリー(改造範囲の狭いグループA)にて好成績を収めたことも特筆すべき点であろう。ボディ形式は当初4ドア・セダンのみだったが、3ヶ月遅れでワゴン/バンを追加している。

さらに翌年の1985年にはクーペがラインナップに加わったが、これは先代の2ドア・ハードトップと3ドア(スイングバック)の後継でもあった。1986年4月にはクーペRX/Ⅱでフルタイム4WDを導入。スバルと言えば乗用4WDのパイオニアだが、フルタイム化の国産初はマツダのファミリアに先行された形だ。遅れてセダンRX/Ⅱ、セダンとワゴンのGT/Ⅱも登場、さらに1987年には、ATミッションとの総合制御で国産初となる、電子制御トルクスプリット式4WDのACT-4がデビュー。4WDメーカーとしての技術力の高さを誇示した。

そんな3代目レオーネだが、1989年のレガシィ登場後は1.6Lのセダン/バンのみに車種整理、さらに実質的な後継車インプレッサに後を託しセダンが消滅、バンのみが1994年まで生産されている。当然ながら(と言っては失礼か)プラモデル化は皆無であるが、ここでお見せしているのは1/24スケールでレオーネクーペRX/Ⅱを再現した作品だ。この作品、実はタミヤのアルシオーネをベースに制作したものなのである。

アルシオーネからレオーネへ、華麗なる変身!
アルシオーネからまずルーフを切除、1/24サイズに合わせた実車図面にボディをあてがいサイドウィンドウ下側にプラ板を貼り、くびれをなくし成形。フロントフェンダーの峰にもプラ板を貼り、絞り込まれたボンネット左右を直線的に整える。次に1/24側面図を1mmプラ板に貼りサイドピラーを切り出す。左右とも接合、リアウィンドウをフジミのV35スカイラインから切り出して、双方すり合わせしつつ形状や位置を確定。フロントガラスはキットパーツで左右ピラー角度を合わせ、各根元に裏からプラ板で補強し固定。

リアデッキ周りもトランクパネルを切除、1mmプラ板をガラスに合わせながらボディに貼り付け、形状を整える。ルーフパネルは2mmプラ板を接着、成形。リアセクションはシャシー接合部となるバンパーの一部を残し、プラ板で作り変えた。ボンネットは先端を切り飛ばし、センターのバルジ両端をヤスリで削り、後端に0.5mmプラ板を帯状に左右を繋げるように貼り付け成形。

フロントバンパーも一部を残して切除し、プラ板を貼って成形。フェンダーアーチはプラ板で裏打ちしヤスリで削り落とした。フェンダー上部の段差はヤスリで削る。側面の窪みプレスラインは、位置をマーキングし平ヤスリで削って再現。次に、フェンダーアーチを周囲に窪みがある形に作っていく。今回は0.7mmプラ板の短冊をアーチに貼り付け、接合面の箇所をカッターでなぞり、彫刻刀や先端のとがった半丸ヤスリで削るという方法を採った。

フルオプション仕様とするため、サイドステップをプラ板で自作した。リアアンダースポイラーも同様に。顔面はグリルとスポイラーを1mmプラ板で加工。バンパーモールは0.4mmプラ板を帯状に切り出し、下側の窪みをケガいて貼り付ける。同じサイズに切り出したモールをサイドとリアバンパーにも貼る。形ができたらボディを塗装。クレオスGXカラーのクールホワイトにスージーブルーを少量混ぜて塗ったが、実はその前にウイノ―ブラック+スーパークリアーⅢを吹いて真っ黒にし、傷やヒケの確認を行っている。

インテリアはキットパーツを利用しつつ色々と加工、ダッシュボードのメータークラスターはプラ板で自作し、ヘッドレストはアオシマのS12シルビアから流用している。シャシーもアルシオーネのものを使用したが、前輪のステア機構はハセガワのレガシィから移植した。

作例制作=森山琢矢/フォト=服部佳洋 modelcars vol.268より再構成のうえ転載

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