レイズが持つ型鍛造ホイールの技術を活かして切り拓いた新境地。それが乗り心地や静粛性アップにまで踏み込んだVMF C-01である。肩肘張らず自然体で、新時代の高性能を享受してみたい。
優れた型鍛造技術がもたらす新時代の高性能を自然体で味わう
M440iクーペのような存在にはVMF C-01が似合う。今回は参考までに前後19インチのフェイス1を装着したが、F:8.5J、R:9.5Jのフェイス2であっても無理なく装着できる。
持ち前の鍛造製法のうえに成り立つ優れた開発能力を活かしてパフォーマンスを追い求めてきたレイズにとって、新たな門出を感じさせたのがVMF(ベルサス・モード・フォージド)だった。
スポークに絶妙なヒネリを加えたかのような前衛的なデザインを持ち、乗り心地の向上やロードノイズの低減に注力する。そうした意味での高性能鍛造ホイールである。記念すべきその第1作目は、2020年から供給が始まったC-01だ。当初はスーパースポーツ勢を含むハイエンドカーを狙った20インチに始まり、2021年後半になって19インチが拡充された。今年に入るとニューカラーであるシャイニングブラックメタル/ダイヤモンドカットも追加された。
装着ホイールはマットガンブラック/リムエッジDCだが、シャイニングブラックメタル/ダイヤモンドカットも追加されている。
スタディのデモカーにして随所に3Dデザイン製ボディパーツをまとう、大人っぽいG22型M440iに組み合わされたのは、追加された19インチのほうだった。もちろん、その気になれば20インチを入れてマッチングを突き詰めることはできる。しかし、VMFのコンセプトを鑑みると、あえて19インチで「乗り心地の向上やロードノイズの低減」という高性能を味わうのが通っぽい。
C-01にはサイズに応じて3つのフェイスが用意される。もっとも立体感に富んだコンケーブを持つのはフェイス3だ。これなら確かに、有機的にいくつもの角度で折れ曲って全体が湾曲していくC-01の造形が際立つ。
センターから湾曲しながら二手に分かれる2×5本スポークを持つ。リムにはブランドロゴなどのほか、コンセプトとなった「折り鶴」が刻印される。縦断面に厚みを持たせた造形が、強度や剛性、また快適性にも貢献する。
また、フェイス1と2で構成される19インチにもC-01が持つ独特の色気は健在で、むしろ凛とした存在感がある。攻めた造形やマッチングは生粋のMモデルや、あるいはレーシングカーに任せておいて、普段使いはC-01を履かせたM440iに乗っている。BMWチーム・スタディのサポートカー(トラック)の前に佇む光景を見て、そんなライフスタイルを思い描いてしまう。
この仕様を持ってどこまで乗り心地が良くなり、ロードノイズが低減されるか。同一条件での比較はできなかったが、レイズ最新の解析技術や実走行テストによる、静粛性と乗り心地に寄与した設計開発はレイズだからこそ成し得た高性能ドレスアップとして確かな結果を残している。
今後、BEVなどが普及するに連れて、足もとの静粛性や乗り心地対策はより強く求められるはずだ。そうした未来に一石を投じるアフターホイールという意味でVMFブランドには大きな価値がある。しかもBEVとなると高重量かつハイパワーだ。そうした時、優れた鍛造製法を持ってそれを受け止めるレイズには絶大な信頼感が宿る。今後のホイールトレンドを牽引する可能性を秘めたVMFの発展に期待するとともに、このC-01の潜在能力は、車種カテゴリー問わずに受け入れられると感じた。
◎サイズ/価格
19inch×8.0~10.5J/97,900円~117,700円(税込)
20inch×8.5~11.0J/110,000円~129,800円(税込)
◎カラー:マットガンブラック/リムエッジDC(MK)、シャイニングブラックメタル/ダイヤモンドカット(HX)
◎対応車種:メルセデス・ベンツ/BMW/アウディ/ランドローバー/マクラーレン/その他国産車等
問い合わせ先=レイズ=https://www.rayswheels.co.jp/