
アルファロメオ待望のブランニューモデル『ジュリア』と、その名が付けられた105系と言われる初代。40年近い隔たりを持つ2台は見た目こそ大きく異なるが、深く芯のところで繋がりを感じさせてくれた。そんな2台を”つがい”で所有する。似ていないようで似る新旧ジュリアを所有する魅力とは……。
世紀を超えて繋がる新旧ジュリア
ヒストリックカーやレーシングカーを所有していれば、欲しくなるのが日常で使えるクルマだ。潔く1台で全てを賄うというのは、住む場所や交通環境によっては現実的ではないだろう。趣味車よりも自ずと距離は伸び、ダメージの蓄積が多いからといって”もう1台”はなんでもいい、ではなくせっかく、長い時間を過ごすなら愛着のわく1台を選びたい。
例えばサーキット専用マシーンを牽引できるSUVや、カートを嗜好する人はキャラバンやハイエースの荷室を改良して”つがい”として楽しんでいる。趣味や日常生活を、より楽しめる組み合わせこそ、複数台を所有するという”つがい”の魅力に他ならない。
趣味のクルマをつがいで楽しむという提案。ここではアルファロメオ×2台という組み合わせを紹介したい。2017年に国内上陸を果たした新生ジュリアと、1962年に登場した初代ジュリアだ。最新ジュリアのグレードはスーパーで、もう一方も本誌読者にはお馴染みのボクシーな4ドア(=ベルリーナ)のスーパー。これは名前だけを組み合わせたわけではなく、新型ジュリアの全モデルに乗り出した上での、結論だ。
ちなみに、新型ジュリアは今のところ4ドアセダンのみのラインナップで、トップグレードのクアドリフォリオ、ヴェローチェ、スーパー、そしていわいる”素”のジュリアという構成だ。上記4モデルの違いはエンジン出力で、素のジュリアとスーパーは出力控え目の200ps、ヴェローチェは280ps、クアドリフォリオは2段飛ばしぐらいに出力が上がり510psを誇る。
1971年式のGT1300ジュニアを所有する身としては、ジュリアの名が復活したことを喜ばしく思う一方で、名前だけ復活しても……という穿ち過ぎた気持ちもあった。
というのは、世の中には有名なご先祖さまにあやかった名前こそリバイバルだが、中身は全くの別物で、匂いさえも感じられないモデルも少なくないからだ。しかし実際に試乗してみると、それは全くの杞憂。前言を撤回し、恥じ入りたくなるほど惚れ込んでしまった。ドアを開け、目に飛び込んできたウォールナットの化粧プレートは初代のまさにそれで、大径のスピードメーターとレヴカウンターが独立して鎮座するメーターナセルも初代を髣髴とさせる。デザイナーの術中にはまったともいえるが、見事に心を掴まれた。
初代とリンクする瞬間
そして走り始めてコーナーをひとつ曲がる……手前のステアリングを切った瞬間に心をわしづかみにされた。こんな敏感でいいのかと驚く一方で、そうきたかとむしろ喜びの感情も溢れたからだ。それこそラフに切り込めば、同乗者が眉を顰めるほどクイックだが、思わず笑みがこぼれ居住まいを正す。「このクルマと正面から向き合いもっと走りたい」と。
そのままワインディングを目指して走り出す。ここまで気持ちが昂ると、道中が退屈というより苦痛となってしまうこともあるが、高速移動中の直進安定性に驚き、抜群のスタビリティに感じ入った。ステアリングのアシストは、ライバルと目されるBMWの3シリーズやメルセデスCクラスなどに比べれば明らかに軽いのだが、そこに不安定さはなく、座りが悪くふらつくこともない。
これでリムの径が細ければ最高だな、なんて些細な注文を付けたくなってしまった。リムが太ければ掌に伝わるインフォメーションも濃密で、ちょっと重いな、と感じるパワステとのマッチングは最良だろう。だが、アシスト強めのジュリアであれば、それこそ”つまむ”という感じでステアリングを操作したい欲望にかられたのだ。
そんな気持ちを抱きつつ到着したワインディングでは、大いに高まっていた期待値を見事に超えて見せた。先に記したように切り始めはクイックで鼻先は”グイッ”と表現したくなるほど積極的に入っていく。そこから先はアンダーが出てコーナーが終わるまでひたすら我慢するしかない、なんて過去の記憶は置き去りにして、切り込んでいけばクルマはさらに向きを変えていく。これは510psを誇るトップグレードのクアドリフォリオをベースとして、シャシーが開発されたことが大きいだろう。最高出力200psのスーパーでは完全にシャシーファストで破綻する気配は微塵もない。
車体はロールを許すが、ボディ全体がキレイに沈み込み4輪は路面をしっかりと掴み、思い通りのラインを描きコーナーを抜けていく。この走行フィールはまさに初代ジュリアに通じる。レースのイメージが強いため、フェンダーアーチに干渉しそうなほどファットなタイヤを履き、それに合わせて締め上げられたサスペンションを持つ個体はそれこそ全くロールしないが、オリジナルのジュリアは初めて乗ればちょっと不安になる程アシは良く動く。
コーナーの進入時こそ大きくロールするが、その姿勢を保ったまま4輪で曲がっていく感覚だ。最近のクルマでこれほど足が動きロールするクルマはマツダ・ロードスターぐらいだろう。ボディサイズは初代よりもふた回りほど大きいが、車両感覚が掴みやすいのは4輪の動きをつぶさに把握でき、コントロール下に置くことができるからに他ならない。
世紀を超える”つがい”
初代ジュリアの、キャブエンジンならではの吸気音や、ぐるりと取り囲むように広大なグラスエリアなど、運転席から臨む景色など、視覚や聴覚から入る情報は新型とは異なる。けれど走り始めれば、新型ジュリアとの繋がりを感じずにはいられないのだ。やはりその幹となるのはクルマの動きだろう。クルマの姿勢を俯瞰して見ているかの様に手に取ることが出来る走りは他では味わうことはできない。エンジンは回していくほど調律がとれ、シフトチェンジで落ち込んだレヴカウンターの針は再びトップエンドを目指す。クルマと呼吸しリズムに載ってシフトアップし、ステアリングを操る。レブカウンターやスピードメーターを見ずとも、外を流れる景色やエグゾーストノートが状況を教えてくれる。
新型にはクアドリフォリオ、初代にもT.I.スーパーというトップパフォーマンスモデルがラインナップされているが、その下のグレードであるこの2台のスーパーは、ベースの良さを存分に体感出来る。スロットルペダルの踏力に乗じて、スピードレンジを上げドーパミンを大量に放出させて快楽に溺れるのではなく、長くじっくり楽しみたくなる組み合わせだ。それこそ、クルマとドライバーの呼吸をシンクロさせ操る歓びを目指し、達成した時には魅了されるだろう。確かに、新型ジュリアはセーフティデバイスが盛り込まれているが、ドライバーとクルマを隔てる膜は最低限で、クルマとの対話を楽しめる。
“105系”と呼ばれる初代ジュリアが誕生したのは1962年のこと。生産を終えたのは78年のことだから、約40年の時を経て21世紀にジュリアの名が復活したことになる。それこそ時代背景も異なれば、安全要求も異なる。トランスアクスルやインボードディスクなどメカニカルトピック満載の時代やFF時代もアルファの乗り味は確かにあった。しか純粋にFRでクルマを操る楽しさを体験できるのは初代ジュリア以来だといえる。
デザインこそ好き嫌いは分かれるが、こと走りについては、ジュリアの名が途絶えることなく受け継がれていたら、こうなっていただろうと断言できる。これこそ”正常進化”なのだと。似たモノ同士でありながら、違った魅力を持つ2台のジュリア・スーパー。新型の登場で初代の魅力も俄然増していく。互いの存在を認め、高めあう。これこそ”つがい”でクルマを持つ最大の贅沢ではないだろうか。
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