フジミ製キットをベースに各社プラモの組み合わせで最高の「KPGC10型スカイラインGT-R」を実現!【モデルカーズ】

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歴代の日産スカイラインの中でも飛び抜けた知名度と人気を誇る、3代目C10系スカイライン、いわゆるハコスカ。1968年デビューのこの3代目スカイラインは、「愛のスカイライン」と銘打った広告展開、GT-Rの登場、新たなボディ形式である2ドア・ハードトップの追加などで、スカイラインにとってもその基礎をなしたというべきか、エポックメイキングな存在と言えよう。微妙な曲線と曲面によってボクシーなプロポーションが構成される独特のボディデザイン、L型エンジンの信頼性と、前ストラット/後セミトレのサスペンションによる確かな走行性によって日本のGTを確立したのが、この3代目スカイラインなのである。

当時の国産車としてはまだ珍しいメカニズムだったDOHC 4バルブのS20エンジンを搭載し、国内ツーリングカーレース50連勝の金字塔を打ち立てたGT-Rの伝説については、あらためて言うまでもないだろう。1969年に登場したGT-Rは、1970年には4ドア・セダンから2ドア・ハードトップに移行、ホイールベースを70mm短縮したことにより戦闘力をより向上させた。続く4代目(C110系)は1972年に登場、この世代にもS20を搭載するGT-Rはラインナップされたが(1973年追加)、社会環境の変化からもはやレースで活躍することもなく消滅した。16年のブランクの後、栄光のネーミングGT-Rは1989年デビューのR32型スカイラインで復活、今度はグループAレースを席捲することとなる。この第2世代のスカイラインGT-RはR33、R34と続いたのち、R35型ではGT-Rという単独モデルに生まれ変わり、現代のスーパーカーとして世界的な存在となっているのはご存じの通りだ。

フジミとタミヤのボディを接合して最高のプロポーションを実現!
さて、ハコスカの名で親しまれた3代目・C10系スカイラインのうち、2ドア・ハードトップのGT-R(KPGC10)は模型の世界でも特に人気が高く、1/24スケールのプラモデルに話を絞っても、数多くのキットが存在している。ここでお見せしている作例は、様々なキットから良いところを選び出し組み合わせた、まさに「イイトコ取り」による作品である。

基本となるボディはフジミをチョイス、これは全体のスリークさ、キャビン側面のそそり立ち具合などが最もハコスカらしいと判断したためである。ただしリアのみ、サーフィンラインの高さや丸みのイメージが実車に近いタミヤを切り継いだ。もっとも、リアエンド中央の抑揚のつき方はフジミの方が近いようなので、ここのみさらに切り抜いてフジミ製ボディの当該部をハメ込んで――つまりフジミに戻している。オーバーフェンダーはフジミのボディから一旦切り離し、リアを接合後にフィッティングさせた。

微細な改修で顔つきをより精悍に
フロント周りはボディにヤスリをあてることで実車の表情により近づけた。具体的には、グリルとバンパーの間のバランスパネルの逆スラント度を強め、フロントフェンダーのヘリなどが丸みを帯びるように改修。グリルは最も表情がハコスカらしいアオシマ製4ドアGTのパーツを使用、このキットは幅が広いので中央で詰めて調整している。また、ヘッドライトの丸い枠をよりシャープに再現すべく、シャープペンシルの金属キャップを輪切りにして取り付けた。ライトレンズとリフレクターはハセガワのダルマセリカから。シャシー、エンジン、内装はタミヤを使用、特にエンジンの再現があるのはタミヤ製キットのみである。

テールレンズはリフレクターの四角い凹みや対角線状の盛り上がりがあるなどディテールが細かいことから、これもアオシマ製4ドアGTのパーツを使用。ベゼルもこの4ドアのパーツを使用しているが、折り曲げてボディに沿った角度を付けたりなどの加工を行っている。エンブレム類やグリルメッシュは、フジミ製キット(デラックスバージョン)に付属するエッチングやメタルインレットを使用した。……といった具合いに、あれこれとキットを組み合わせて使用した贅沢な作品となったが、その甲斐あって、これまでになく凛々しいハコスカRが生まれたのではないだろうか。

作例制作=Ken-1/フォト=服部佳洋 modelcars vol.273より再構成のうえ転載

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