2014年の登場以来、スポーティな走りと個性的なデザインで世界累計販売が約100万台という人気のNX。この度、レクサスブランドの変革に向けた第一弾モデルとして電動化、デザイン、走り、先進技術といった分野で全面刷新が施された。
多種多様なパワートレインを用意
新型NXはレクサスが次世代へ向けて本格的に動き出すオープニングドアのような存在だそうで、車両概要を眺めてみると確かに意欲的とうかがえる部分がいくつもある。その筆頭が多彩なエンジンバリエーションだろう。
レクサス初となるプラグインハイブリッド(NX450h+)をはじめ、同じユニットを使いながら充電はできない通常のハイブリッド(NX350h)、2.4Lの直列4気筒インタークーラー付きターボ(NX350)、そして2.5Lの直列4気筒自然吸気(NX250)と計4種類も用意されている。さらにNX350hとNX250はFFとAWDが選べるから、駆動形式まで含めると計6種類のラインナップとなる。NX450h+とNX350はAWDのみだが、ハイブリッドのAWDはリアをモーターで駆動し(E-Four)、ガソリンエンジンのAWDはいわゆるメカニカル4駆であり、AWDといってもエンジンによってその形式が異なる。
まだ誰も分からない近い将来のモビリティに対して今できることは、どう転んでも対処できるよう選択肢を多く提供することであり、新型NXのパワートレインはまさにそれを具現していると言える。
プラットフォームはトヨタの「GA-K」と呼ばれるタイプで、エンジンを横置きにしたFFベースの(日本では)中型サイズのものを使う。ハリアーやRAV4、レクサスESとの共有だが、このプラットフォームは設計の自由度が高く、モデルのキャラクターによって小変更が可能。NXではリアに積む12Vバッテリーの位置をわざわざ動かしたそうだ。「プラットフォームが同じ=中身は一緒」というのはすでに過去の話であり、NXも前述のモデルたちとは一線を画す乗り味になっている。
今回は4通りのエンジンすべてに試乗した。もっともバランスがいいのはNX350。エンジンは1番パワフルで、Fスポーツの設定しかないいわゆる”ホットモデル”である。ボディには専用の補強も施されており、ワインディングロードでは塊感が伝わってくるとともに、ボディが小さく感じられるくらいよく曲がる。Fスポーツには電子制御式ダンパーのAVSが装着されているので、乗り心地も全般的に良好だった。
次に好感を持ったのはNX250。201ps/241Nmだから特にパワーがあるわけではないけれど車両重量はもっとも軽く、自然吸気のエンジンは5000rpmくらいまで気持ちよく吹け上がり、8速ATのシフトプログラムも悪くないので、動力性能については気になるところがまったくない〝上質な普通〞がとてもいい。
PHEVのNX450h+は満充電で88km(WLTC)のEV走行と給電が可能となる。試乗車の車検証には車両重量が2030kmと表記されていて、NX250より約300kgも重くちょっと驚いたものの、EVモードでもハイブリッドモードでもパワー不足はまったく感じられなかった。
いっぽうで、ハンドリングはNX350と比べるとステアリングの切り始めの反応がやや遅く、これはボディ補強の有無や車重が原因を思われる。また本来なら車重が重いと乗り心地にはいい影響をもたらすはずなのに、想像していたほどのフラット感がなかった。
エンジンが始動した時の音も思っていた以上に耳まで届き、EVモードとの差が大きい。この傾向はNX350hでも同様だった。PHEVやハイブリッドはおそらくNX350よりも数が出るモデルだろうから、改善の余地があるだろう。
現状ではNX350とそれ以外のモデルで乗り味の違いが生じていて、これが統一されるとNXとしての個性がより鮮明になるはずだ。でも、新世代レクサスの方向性には大いに期待が持てる。
【Specification】レクサス NX450h+ バージョンL [NX350 Fスポーツ]
■車両本体価格(税込)=7,140,000円[5,990,000円]
■全長×全幅×全高=4660×1865×1660mm
■ホイールベース=2690mm
■トレッド=(前)1605、(後)1625mm
■車両重量=2010kg[1780kg]
■エンジン型式/種類=-/直4DOHC16V [-/直4DOHC16V+ターボ]
■内径×行径=87.5×103.4 [87.5×99.5mm]
■総排気量=2487cc [2393cc]
■最高出力=185ps(136kW)/6000rpm[279ps(205kW)/6000rpm]
■最大トルク=228Nm(23.2kg-m)/3600-3700rpm[430Nm(43.8kg-m)/1700-3600rpm]
■モーター型式/種類=5NM/4NM/交流同期電動機 [-]
■モーター出力=(前)182ps(134kW)(後)54ps(40kW)[-]
■モーター最大トルク=(前)270Nm(27.5kg-m)(後)121Nm(12.3kg-m)[-]
■バッテリー種類=リチウムイオン電池[-]
■燃料タンク容量=55L(プレミアム)
■燃費(WLTC)=19.8km/L[12.2km/L]
■トランスミッショッン形式=電気式無断変速機[8速AT]
■サスペンション形式=(前)ストラット/コイル、(後)Wウイッシュボーン/コイル
■ブレーキ=(前後)Vディスク
■タイヤ(ホイール)=(前後)235/50R20(7. 5J)
公式ページ https://lexus.jp/models/nx/
■関連記事
- 【国内試乗】走りと“音”の質感が進化「三菱 アウトランダー・PHEV」
- レクサスならではのラグジュアリーな世界に触れてみよう!「RZ450e」と「NX450h+」を展示、「RZ300e」の試乗も!レクサス出展情報【EV:LIFE 神戸2024】
関連記事
スポーツ心溢れる「IONIQ5N」と、注目のクロスオーバー「コナ」を展示!「IONIQ5」試乗もあり!ヒョンデ出展情報【EV:LIFE 神戸2024】
EV:LIFE KOBE2024
2024.11.01
SUV「iX」とサルーン「i7」、ふたつのフラッグシップBEVを展示!「iX1」試乗もできます!BMW出展情報【EV:LIFE 神戸2024】
EV:LIFE KOBE2024
2024.10.31
コダワリのサウンドシステムにも注目の「アウトランダーPHEV」を展示、「eKクロス EV」試乗もできます!三菱出展情報【EV:LIFE 神戸2024】
EV:LIFE KOBE2024
2024.10.31
レクサス、「LBX」に”Elegant”を追加設定。クリーンかつ温かみを感じる次世代モダンインテリア空間を表現
ニュース&トピックス
2024.10.31
愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?
複数社を比較して、最高値で売却しよう!
車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。
手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!
一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業不特定多数の業者からの大量電話をなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!
【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>