新しい仲間が加わった!
突然だが、コンちゃんに新しい仲間ができた。SUBARUフォレスター・シンシロちゃん(フォレスターSPORT)だ。
実は、本連載に以前登場したホンダN-BOXのシロちゃんがこの度、卒業した。シロちゃんは当初、筆者の福井県永平寺町エボルーション大使としての活動のため、福井を拠点として北陸各地を巡る役目だった。それが、コロナ禍となり緊急事態宣言の状況をその都度考えながら、シロちゃんは福井と東京や中京地域を往復したりと、過酷な業務に絶えてくれた。
新車導入から2年9ケ月で走行距離が4万キロを超えたところで、次のオーナーさんにシロちゃんのこれからを託すことにした。
「シロちゃん、本当にお疲れ様でした。これからは自宅の近場の移動でのんびり過ごしてください」。
そんなシロちゃんの後任を考える上で、「長距離移動での乗員の負担が少ない四駆は必須」という意見が筆者周辺から相次ぎ、また本連載で紹介しているSUBARU里山スタジオ(千葉県鴨川市)でのサポーターという任務もあり、まずはSUBARUフォレスター・シンシロちゃんにリリーフをお願いすることになったのだ。
早速、第一弾として東北~上越~信越へ3泊4日の旅に出た。本来はコンちゃんで行くところなのだが……。
先日房総半島内のぬかるみでコンちゃんはスタックしてしまったこともあり、また今回は12月での気象変動の可能性があり、さらに移動日程がタイトであることから安全策を取った。
バックアップに、「早めの冬タイヤ交換」として横浜ゴム ice GUARD 7を装着して出かけた。
出川さんとご一緒したことを思い出す
師走の平日の朝、都内周辺は交通量が多い。心配された寒気の影響は弱く、天気は曇り時々晴れ、気温は10度を超えている。初日は日本海側、山形県酒田市を目指す。
東京外環自動車道は川口IC方面に向けて大渋滞のため、いったん東北自動車道での北上を諦めて常磐自動車道へと向かう。先月も、コンちゃんでツインリンクもてぎに出かけた経路を途中までなぞり、さらに日立、いわきへと北上し、磐越自動車道を通って郡山JCTで東北自動車道へ。福島JCTまで行き、そこから東北中央自動車道で米沢を目指す。冬場、このあたりは降雪で通行止めになることも多いが、この日は幸いにも好天に恵まれた。
制限速度に新世代アイサイトをセット。前世代までの、Ver.3からハードウエアもソフトウエアも刷新し、画像認識の性能が一気に上がり、操舵補助への介入の度合いも大きく、結果的に走行安定性が増してドライバーの疲れが緩和される。
昼前には米沢市内に入り、道の駅・米沢で昼食。蜜を避けて、牛丼弁当と山形名物の芋煮を車内で楽しむ。再び東北中央自動車道に乗り山形JCTから山形自動車道へ。さくらんぼの名産地、寒河江(さがえ)を過ぎると月山(がっさん)を目指して登り坂になる。周囲には先週の降雪が残っていたが路面はドライが続く。路面からのNVH(音や振動など)は想像していたより少ない。正直なところ、昨年シロちゃんで山形に来た際、人気ブランドのオールシーズンタイヤを履いていたが、それよりもドライのNVH性能は優れていると感じる。
月山ICから湯殿山ICまでは、しばし一般路を行く。気温がドンドン下げるも3度以下にはならず路面凍結の予兆はなかった。そして山形自動車道で酒田に到着。ここまで500km強の道のりだ。1年ぶりの訪問で、関係各所に挨拶など。NHK朝の連続テレビ小説「おしん」でも登場した有名観光スポットの山居倉庫(さんきょそうこ)で、いつものように買い物。
泊りは定宿にしている若葉旅館。おかみさんの笑顔に出会って、ほっとひと息。ロビーには、いつも可愛いニャンコのココちゃん。また、テレビ東京「充電させてもらえませんか?」の収録で出川哲朗さんとカンニング竹山さんが宿泊した際の写真とサインが飾られている。筆者がいつも泊まるのは、出川さんも泊まった2階の角部屋だ。
筆者は以前、日本テレビのレース中継番組の演者のひとりとして、出川さんとご一緒したことがある。
手塩にかけた味
翌日も酒田周辺での対応となる中、鳥海山の麓にある道の駅「鳥海ふらっと」で、いつものカレイの焼き物。酒田がある庄内平野は、鳥海山の恵によって、つや姫など美味しいお米の産地だ。ちなみに、庄内空港の正式名称は「おいしい庄内空港」。なんとも大胆でダイレクトな命名である。
庄内でゆったりとカラダを休めてから、次の目的地、新潟県燕三条(つばめさんじょう)へ向け、今後は日本海東北自動車道で南下する。途中、あつみ温泉から新潟県村上市の朝日まほろばICまでは高速道路建設中のため、国道7号線を行く。山形から新潟へと向かう中、周囲の住宅の作りや風景が徐々に変わっていくのが分かる。
村上といえば、ご存じ「鮭の塩引(しおびき)」だ。三面川に遡上する鮭を加工し、荒塩をすり込んで数日置き、水あらいしてから寒風の中で干す。ランチは地元の惣菜店で、いろいろな鮭料理を入手。近くの道の駅で、山菜おこわも買ってイヨボヤ会館でゆったり。イヨボヤとは、村上の方言で鮭を指す。
本当は、道すがら場所を見つけてカーサイドテントなどを使って休憩しようと、ライトキャンプグッズ一式を積んできたのだが、気軽にキャンプグッズを拡げられる場所はなさそうだったので断念。先を急ぐ。
キャンパーの聖地へ
大都市新潟を過ぎ、北陸新幹線と並行するように走り、燕市(つばめし)と三条市(さんじょうし)の中間に位置する燕三条ICで降りる。燕三条といえば、日本屈指の金属関連事業の集積地として知られている。鍋やフライパンなど家庭用機器から、職人たちが愛用する包丁。また、自動車関連ではチタン合金などの輸入卸業者や特殊加工事業者が多数いて、筆者は彼らと以前から付き合いがある。さらに、近年では燕三条といえば「キャンプグッズの聖地」として知られるようになった。
そもそもこの周辺には、テント製造事業者がいたり、また金物販売事業者がキャンプ用品製造を行っていた。1990年代の第一次キャンプブーム以降にこうした地元事業者が連携してビジネスの幅を徐々に広めていった。それが昨今、空前のキャンプブームとなり、オリジナルブランドを展開する大手や、カインズなど大手量販店向けのOEM(相手先ブランド製造)販売を行う業者などが一気に拡大している状況だ。
例えば、大手キャンプグッズメーカーでは、キャプテンスタッグがある。1967年に金物関連商品販売のパール金属工業を設立し、アメリカンライフのようなバーベキュー用品を1970年代に手掛けるようになったのが始まりだ。本社に隣接するショップには土曜日ということもあり来客者が後を絶たない。この日は、燕三条駅近くのホテルに宿泊。
翌朝、約20km先の中山間地域にある、ご存じSnow Peak(スノーピーク)本社、およびそこに離接するキャンプフィールドを拝見した。同本社全体の用地は現在5万坪あるが、これを15万坪まで拡大。2022年開業春開業予定の「FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」が建設中だ。これは、有名建築家の隈研吾氏がデザインを手掛け、サウナなど温泉を楽しめるリゾート施設である。
今回ここに来たのは、そうしたSnow Peak新事情の現場をしっかり見ておきたかったからだ。
再び、燕三条ICに戻り、長岡JCTから関越自動車道へ。標識に「東京」の文字を見ると、もう帰ってきたような感覚になる。
途中、駒ヶ岳などの山々を見ながら、南魚沼市で軽食を取り、若き頃に通い慣れた苗場などの周辺を通り関越トンネルを抜けた。3泊4日、総走行距離は約1500km。
「SUBARUフォレスター・シンシロちゃん、コンちゃんの仲間入り早々の長旅、お疲れ様でした」。
来年2022年も、コンちゃん含め仲間みんなでいろいろなことにチャレンジしていく。
乞うご期待!