JVCケンウッドの担当者にいろいろと質問!
快晴の下、東京湾にほど近い施設の一角で、プロカメラマンがコンちゃんを撮影。これは某自動車雑誌での取材だったのだが、編集長とカメラマンと私は旧知の仲。90年代から2000年代にかけて、ブラバス、ロリンザー、カールソンなどメルセデスベンツのチューニングブランドの取材で、皆で年に何度もドイツを訪れ、デュッセルドルフやシュトゥットガルトなどドイツ各地を駆け巡ったものだ。あれから20年以上の月日が流れ、今度はハイエースキャンパーを通じての交流となった。
撮影の際、編集長がコンちゃんに搭載しているJVCケンウッドのポータブル電源(BN-RB10-C、電気容量1002Wh)とポータブルソーラーパネル(BH-SP100-C)を見て、
「いいですね、ポータブルな電源って。僕も欲しいんですけど……。いろいろなメーカーがあって……」とポツリ。
確かに、最近はキャンプブームに加えて、コロナ禍での三密回避での家族団らんを自宅で楽しむことなどから、家の中で、またはキャンピングカーという大がかりなクルマでなくてもミニバンや軽自動車に積んで持ち運びするなど、ポータブル電源の需要が一気に高まっている印象がある。
コンちゃんの場合、トヨタモビリティ神奈川の「アルトピア―ノ ハイエースキャンパー」のオプション設定の基本電源ユニットを搭載しており、走行中にサブバッテリーに充電し、直流12V・交流100V(最大1500W)の電力供給ができる。また、リアバンパー部分に外部給電システムがあるので、キャンプ場など電源付きサイトならば、車内で様々な家電が自宅にいるように使える。
そのうえで、コンちゃんでのバックアップとして、また車載電源システムを備えていないN-BOXのシロちゃんでの利用も含めて、パーソナル電源を購入した。JVCケンウッドのポータブル電源は、自動車メーカー各社の販売店、自動車部品の量販店、またヤマダ電機やケーズ電気など家電量販店でも店頭販売されている。今回は、コンちゃんの架装を手掛けているジェームス相模原(神奈川県相模原市)と同系列のジェームス246二子店(神奈川県川崎市)で購入した。
●いろいろな家電と一緒に
使い方はとても簡単。購入した状態ですでにある程度充電されている。ポータブル電源の正面には各種スイッチや充放電のポートがある。上段がINPUT(充電)で、下段がOUTPUT(放電)に分かれている。充電は基本的に専用充電器(12-24V DC180W)で行う。
放電は「BN-RB10-C」モデルの場合、交流(AC)では家庭にあるコンセント形状100V AC 60Hzが3口。合計で1000Wに対応する。
直流(DC)では、12V DC 10Aが1口、USA-C(5V/9V/12V DC PD18w)が2口、USB-A(5V DC12W)と米クアルコムのクイックチャージャー3.0 (最大18W)に対応する。
放電する際、ACとDCそれぞれのスイッチがあるので、まずそれを押してから各ポートを使う。ポータブルソーラーパネルは、ポータブル電源に対する充電はもちろんのこと、ポータブルソーラーパネルの裏面にあるUSBポートからスマートフォンに直接充電することができる。
現在、コンちゃんとシロちゃんでポータブル電源で使っている主な電気機器は以下の通りだ。
・電気ポット 「象印 沸騰電気ポット 1.0L CH-DT10-XJ ステンレスブラウン」
キャンピングカー向けのロングセラー。湯沸かし時430W、保温時17Wという少ない消費電力が魅力。
・車載冷蔵庫「F40C4TMP」
大手家電メーカーは車載冷蔵庫の扱いがなく、基本的にネット上の口コミなどで判断する人が多いのだが、そうした中で高評価だったので購入。
・オーブントースター「タイガーやきたてKAK-G100」
横幅31.2cmとコンパクトサイズながら奥行きは十分。最大出力を選択できる点も良い。
これら以外にも、かなり昔に購入したDVDプレーヤー等、さまざまな家電をつなぐが、自宅やホテルなどでは気にしなかった消費出力や最大出力について改めて認識するようになった。
私は”大は小を兼ねる”という発想で、上級モデル(1002Wh)を購入したが、各モデルでどんな電気製品が使えるのか気になるところだ。
そこで便利なのが、JVCケンウッドのホームページにある各種動画だ。
ポータブル電源を使ってみました レジャー編 – YouTube
ポータブル電源を使ってみました 電動工具編 – YouTube
そのほか、同サイトでは独自記事などを掲載してポータブル電源について分かりやすく解説している。
● JVCケンウッドに直接聞いてみた
購入から2ケ月ほどたった2021年5月、JVCケンウッド本社に商品に関する取材を申し込んだ。コロナ禍であるため、こちらから質問表を送り文書での回答を得る取材スタイルとした。
以下、Q&Aでの箇条書きとする。
~ ポータブル電源を手掛けるキッカケは?
・豪雨災害の被害を受けた取引先から「豪雨災害で電気が使えず困っている。解決する商品を作ってくれないか」という要望が商品開発の発端となった。
~ 商品には、「JVC Powered by Jackery」という表記がある。Jackeryはアメリカ企業で、同社日本法人にこちらから直接問い合わせたところ、御社へのOEM(相手先ブランド製造)であると説明しているが?
・機能やデザイン、安全性など、既に北米で実績のあるJackery社に協力を依頼した。
~ 販売実績ついて、売れ筋の商品はどれか?
・ 大容量モデルを中心に好評を得ている。モデル別の販売比率は公開していない。
~ どのような販売チャネルがあるのか?
・ 主に家電量販店やカー用品店を中心に幅広く展開している。また、自社直販サイト「コト・スクエア」でも販売している。
~ 御社のホームページでは、様々な電気器具を使う際の電力消費量が表示されている。
顧客に対してとても分かりやすい説明だと思う。この動画作成の経緯について教えて欲しい。
・「動かしたい機器が実際に動くかどうかわからない」というお客様の疑問を少しでも払拭いただけるよう、「動作の目安」や「わかりやすさ」を追求した結果、このような「使ってみた」動画でお伝えしようと考えた。
~ 今後、ポータブル電源のビジネスをどのように進めていくのか?
・ さらに高性能で役立つポータブル電源やポータブルソーラーパネルの開発、販売を通じて、より多くのお客様に新たな楽しみ、感動や安心の提供をしたい。また、自然エネルギーの活用による、『持続可能な社会づくり』に取組んでいきたい。
これからも、ポータブル電源をフル活用してキャンパーライフをさらに拡げていこうと思う。
この記事を書いた人
専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。日本自動車ジャーナリスト協会会員。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、自動運転、EV等の車両電動化、情報通信のテレマティクス、そして高齢ドライバー問題や公共交通再編など。
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