発足からおよそ四半世紀を経たARTAプロジェクト。サーキットを飛び出し、あらたな展開をみせている。
「このプロジェクトを通して日本のモータースポーツをもっと元気にしたい」
ARTA。サーキットではおなじみのチーム名は「オートバックスレーシング・チーム・アグリ」の略称である。1998年、オートバックスセブンと元F1ドライバーの鈴木亜久里氏とのコラボレーションによって生まれたドライバー育成プロジェクトに端を発するものだ。24年目を迎える活動の中で国内レースのみならずF1やインディなど海外のトップカテゴリーにも挑戦。数多くの優れたドライバーたちを輩出してきた。現在も国内でもっとも人気のレース、スーパーGTの500と300の両クラスにエントリー。また全日本カート選手権のスポンサードを行い、優秀な人材を上位カテゴリーへとつなぐサポート活動などを行っている。
2018年には、従来のレーシングチームとしてだけでなく、その活動の幅を広げるべく発表を行った。コンセプトとして、“レーシングスポーツブランド”を打ち出し、ブランドを再構築。ロゴを刷新し、新たなブランド・アイデンティティのもと、アパレル製品などの開発にも本格的に乗り出している。ARTAブランドとしては、アンダーアーマーやニューエラ、ショットといったブランドとコラボレーションを展開。
2019年には、スイスの高級機械式腕時計ブランド「CVSTOS」と、スポーティでエレガントな世界観を持つ、ハイエンドシリーズ「ARTA CVSTOS(以下ARTAクストス)」を始動させた。今後はバッグやスーツケースなど移動や旅のプロセスを彩るアイテムの開発も進めているという。
今回は、2020年シーズンを終えたタイミングで改めて、ARTAプロジェクトの意義についてARTAプロジェクトプロデューサーの鈴木亜久里氏に話を聞いた。
「ARTAプロジェクトは24年目を迎えますが、優秀なドライバーを育てるには時間もお金もかかる。一筋縄ではいきません。そうした中で、いまトップカテゴリーを走っているドライバーの多くが何らかのかたちでARTAに関わってきた。日本のモータースポーツの将来を背負って立つ若いドライバーたちがたくさん育ってくれたのは何よりもうれしいことです」
そしてあらためてプロジェクト発足の経緯を振り返る。
「オートバックスセブンの創業者の住野敏郎さんがレース好きな方で、社内のクルマ好きをサポートするような草の根レース活動を“ART”として行っていたんですね。僕自身がF1を終えて日本に帰ってきたときに、自分の経験から若いドライバーを応援する活動をしたいと相談したら賛同してくださって、そのARTの最後に僕の名前の“A”をくっつけたのがそもそもの始まりでした。正直にいえばこれほどの長期間パートナーシップを組んでいただけるとは思ってもいませんでしたが、歴代の社長がこのプロジェクトを応援してくれています」
オートバックスセブンには新しいこと、面白いことに挑戦してみようという創業から約半世紀にわたって育まれた企業文化があるという。欧米に比べて自動車文化というものが醸成されていないと言われる日本にいちはやくカー用品総合専門店を生み出し、それをもとにARTAというレーシングチームを創設。そしてそこからもう一歩進みサーキットという枠にとどまらず、多くの人たちのライフスタイルへと寄り添うブランドへと生まれ変わったというわけだ。亜久里氏はこう話す。
「今日着ているアイテムは今年の新作で、防水のハイテク素材をメインに贅沢な天然素材を採り入れたものです。スポーティな一方で上質さもあって、サーキットへの車中や飛行機など移動のシーンにぴったりのアイテムです。この時計はチームのメンバーしかしていないドライバーズモデルで、レースシーズン中はワンポイントでオレンジ色のベルトを組み合わせて使ってきました。シーズンオフには気分転換でベルトを黒に交換します。今年は2代目となる新作の時計が登場予定で楽しみにしています。これまでにもさまざまなアイテムがありましたが、もっとラグジュアリーなアイテムが欲しいと考えていました。ARTAクストスのコンセプトは“FOR SPORTY LUXE”。スポーティかつエレガンスなイメージやコンセプトをしっかり定めて、それがこうして現実のものとしてカタチになっていることをとてもうれしく思いますね」
このとき奇しくも角田裕毅選手のF1フル参戦が正式発表されたタイミングでもあり、それとなく水を向けてみた。
「角田選手はまだ二十歳、最短ルートでF1ドライバーになった。これはすごいことです。日本にも才能あるドライバーはたくさんいます。しかし運にも恵まれる人はほんのひと握り。彼が今シーズンどんな走りをするかで、今後の日本人ドライバーの行く末を占うことになるのかもしれませんね」
近い将来、ARTAクストスブランドを身に纏ったF1ドライバーが誕生することを心待ちにする。
【Profile】ARTAプロジェクトプロデューサー・鈴木 亜久里/AGURI SUZUKI
1960年生まれ。レースファンならずとも名前を知るモータースポーツ界の立役者。国内外のレースシーンに刻んだ輝かしい戦歴は数え切れない。1990年日本GP3位、日本人で初めてF1の表彰台に上がった。1998年ル・マン24時間耐久レース3位入賞。1998年よりARTA(オートバックス・レーシング・チーム・アグリ)プロジェクト活動開始。現在は若手の発掘や育成に全力を注いでいる。
https://topics.artaracing.com/cvstos
ARTAからのスペシャルプレゼント!
今回こちらの記事を読んでいただいた方にARTAから特別なプレゼント
○ARTAサイン入りシームレスボディバッグ(1名様)
鈴木亜久里 総監督、土屋圭市エグゼクティブアドバイザー、野尻智紀 選手、福住仁嶺 選手、高木真一 選手、大湯都史樹 選手のサイン入りです。
○ARTAサイン入り2021卓上カレンダー(5名様)
鈴木亜久里 総監督、土屋圭市エグゼクティブアドバイザー、野尻智紀 選手、福住仁嶺 選手、高木真一 選手、大湯都史樹 選手に加え、松下信治 選手のサイン入りです。
ご応募の締め切りは、2021年2月26日 23:59まで。
みなさまのご応募をお待ちしております!