【ホイールカタログ2020秋】「アドバン・レーシング GTビヨンド」大型ブレーキ時代に持ち前の開発力で挑んだGTビヨンドが発進する!

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スポーツホイールのあるべき姿を追求してきたアドバン・レーシングからまた新たな提案が生まれた。フラッグシップであるアドバン・レーシングGTに“超越する”という意味を込めたビヨンドが加わった。

バレルリムの採用によって400φローターに対応

画一的にただ履けるだけのホイールを供給するのではなく、車種ごとの設計を吟味し、その世界観までを加味して己の理想像を提案する。アドバン・レーシングはそんな思想を持って、徹底的に走る層のニーズを満たし、またはカスタムカーの魅力を支えてきた。

このM2コンペティションはF:9.0J、R:10.0Jの19インチ(コンケーブ4)。タイヤサイズはそれぞれ245/35、265/30となる。BMWではM4用やZ4用などのサイズを用意する。

その象徴のひとつがアドバン・レーシングGTだった。ブランドとして2番目に金型鍛造1ピースを採用したGTは、年を追うごとにサイズやバリエーションを拡大し、今ではブランドの象徴的存在にもなった。シンプルな5本スポークには、彼らの考えるスポーツ哲学が内包される。常にディープリムやコンケーブにこだわり、車種ごとに最適なマッチングを突き詰めてきた。ポルシェなどがいい例だ。特殊なP.C.D.(130)への対応はもちろん、特にGT3系などは微妙に異なるフェンダー幅を見越して専用設計したモデルをラインナップしてきた。

バレルリム構造を採用したことで大型ブレーキシステムにも対応。M2コンペティションを例に取ると、φ400mmローターとのクリアランスを確保した。5本スポークが直線的にコンケーブしていくのがGTビヨンドの特徴だ。

今回、新たに加わったのはGT BEYOND(ビヨンド)だ。単に既存品を踏襲した小変更モデルのように思ってはいけない。なにしろ“己を超越する”というネーミングを与えたほどに、大掛かりなマイナーチェンジとなった。

その核はリム設計にある。既存のGTは迫力のディープリムを具現するため、一部のサイズを除いてリバースリム設計を採用していた。しかし、新型車のハイパワー&高重量化に伴い、ブレーキサイズは大きくなるいっぽう。大型ブレーキシステムとの共存を考えた結果、GTビヨンドではノーマルリム設計へと舵を切った。それも単なる表組形状ではない。ブレーキとのクリアランスを最大限に確保するため、タイヤを組み込む際に用いるドロップ部分から、リムの裏側へ向かって膨らませていく樽型形状のバレルリムとした。結果として今回の例でいえば、フロント9.0J、リア10.0Jの19インチサイズで、BMW M2コンペティションに採用される400φローターを飲み込んだ。走りを突き詰め、かつタイヤ銘柄の選択肢まで考えて19インチに落ち着かせたいと思ったとき、GTビヨンドは格好の選択肢となる。

バレルリムの採用に伴ってスポーク形状も変わった。フロントリムの深さは固定されることになり、逆にリム幅やインセットによって5つものコンケーブを成立させた。既存のGTよりも直線的にセンターへと落としこまれる造形で、シャープな印象を強く訴える。スポーク側面は折れ目と股の部分にのみサイドカット(エグリ)が入れられていることもわかる。極限まで鍛えるかのごとく軽量化したばかりか、GTビヨンドならではのアイキャッチにもなる。
GTビヨンドは今回のM2をはじめ、M4などにも対応する19インチからデリバリーが始まった。やがて18インチ、そして20インチと拡充していくという。世の中に進化を続けるスポーツカーがいる限り、アドバン・レーシングは弛まぬ努力と情熱でそれを追いかけ、最適解を導き出していく。

【Shop Information】
スタディ東京/日本を代表するBMWチューナー

BMWの名手にして全国6店舗を構える。東京店はドイツを意識したショールーム&ファクトリーが特徴だ。数多くのデモカーやパーツが並び、相談しやすい環境が整えられる。
■ショップ名/スタディ東京
■住所/東京都府中市若松町2-27-22
■電話番号/042-367-5301
■URL/https://www.studie.jp/
■営業時間/10:00~19:00
■定休日/火曜日、第2週&第4週水曜日

【Wheel Specification】

ADVAN Racing GT BEYOND

◎サイズ/価格
19inch×8.0~11.0J/88,500~97,500円
◎カラー
マシニング&レーシングハイパーブラック、レーシングコッパーブロンズ、レーシングチタニウムブラック
◎対応車種
BMW/VW/アウディ

お問い合わせ
YFC 03-3431-9981 http://www.yokohamawheel.jp/

フォト=小林俊樹/T.Kobayashi ルボラン2020年12月号別冊付録より転載

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